＠下北沢 本多劇場(2005/12/8-15 8ステージ)
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全指定 前売4800円 当日5300円 シードチケット(学生割引)前売当日共3500円
作・演出：鐘下辰男 美術：横田あつみ 照明：中川隆一
音響：井上正弘[オフィス新音] 衣裳：小峰リリー
舞台監督：白石英輔[クロスオーバー] 演出助手：山田美紀 宣伝美術：西山照彦
スチール：青木司 プロデューサー：綿貫凛 主催：＝（有）ガジラ
出演：
市原悦子 ：瀬川静子（知的障害児施設に働きにきたベテラン保母)
木場勝己 ：並木（施設園長）ほか
塩野谷正幸[流山児事務所]：藤堂（指導員）ほか
下総源太朗：佐伯（指導員）ほか
高田恵篤 ：青砥（指導員)ほか
小野健太郎[Studio Life]：長沢（指導員）ほか
2005/12/11(日)晴 2:05-3:51PM(1'46) 中段上手 客席超満員(390人)
客層：おばちゃん2,3割と大人の女性多め。ビニールは開演前に片づけてね！。
客入れ：当日券あり。前側通路と、最後尾に補助椅子おき（ほぼ満席)。
女性トイレ長蛇につき外で済ました方が○。折り込みチラシ、それなり。年寄りが
多く、落とす人もいたので輪ゴムほしいところ。折り込みパンフなし。
物販。パンフ(B5 20ページ 800円)挨拶、モチーフとなった「甲山事件」25年年表
市原×木場×鐘下対談、役者紹介ほか。カーテンコールいつもどおりなし。
知的障害児施設で園児が水死体で発見され、殺人罪に問われた職員が25年裁判の末、
えん罪を晴らした甲山事件をモチーフ。
舞台。外側に開きかけた、骨組み住宅。外には柱が縦横に走り、バリケード然。
中央、天井高さまでの四つの柱、の真下にトイレな便座。手前に浄化槽のマンホール
左右、シンメトリイに部屋割りされた柱と扉２が縦列。照明の白熱電球が点在。
上手手前にいまどきな赤公衆電話。
お話。山奥の知的障害児施設。えん罪を晴らし、復職した女性がやってくる。彼女は
奇妙な行動を取りながら、事件のあらましを告白していく。それは子供の死とその
原因を問う、母親のぎりぎりの心情と重なっていき…。
被害者（家族と子供）から描かれない物語（事実？）を描く試み。子供への思いやり
を終始抱き、えん罪をこうむった女性。子の喪失とあらぬ罪の意識に悩む母親。深く
傷つきながら、母性愛を損なうことがなかった彼女達の極限の愛の物語。市原悦子は
、誠実に細やかにその心情を綴り、引き込まれる演技。巧者ぶりを見直した…は、
大女優に失礼か。
被害者側の心象は率直に描くも、展開と演出は複雑。やたらと謎めいて、分かり難く
なっているのにはうーんねこ。えん罪を受けた女性の奇行、時間が錯綜した告白を
再現。じっと観察している園児達が刑事に変化、その後、壊れたりとか。サスペンス
タッチはスリリングも、成り行きとして、観客に犯人捜しをさせてしまうのはどうか
しらん。それこそ、被害者から目をそらさせることになって、本末転倒と思うねこ。
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