＠池袋 シアターグリーン BIG TREE THEATER(2006/10/19-29 11ステージ)
http://www.theater-green.com/
全指定 一般 前売4500円 当日4800円 シードチケット(学割)前売当日共2800円
作・演出：鐘下辰男
美術：島 次郎 照明：中川隆一 音響：井上正弘[オフィス新音]
衣裳：花田絵美 擬闘：渥美 博 演出助手：山田美紀
舞台監督：白石英輔[クロスオーバー] プロデューサー：綿貫凛
宣伝美術：西山照彦 スチール：青木司 制作；高橋衿子 主催：（有）ガジラ
アフタートーク ゲスト 23川村毅 26流山児祥
出演：
剣 幸 ：輝子
斎藤 歩：勇一(輝子の夫)
山崎清介：真治(勇一の義弟)
高田恵篤：民雄(輝子の実弟)
小林勝也[文学座]：瀬川(刑事)
亀田佳明[文学座]：三枝(瀬川の同僚)
2006/10/22(日)小雨 2:06-3:55PM(1'49)前方上手 客席ほぼ満員(200人）
客層：老若男女、大人よりに幅広く。男性過半数。
客入れ：場内誘導あり。最前列の一部に本水場面用カッパ至急(なくともたぶん
大丈夫)。エアコン停止、日により寒いかも。折り込みチラシそれなり、パンフ
なし。物販。パンフ(B5変形tptサイズ 18ページ 500円)適度の読み物。いつもの
ようにカーテンコールなし。
22歳青年による、村内30人連続殺人の津山事件ほか、地方の血縁地縁に絡む愛と
憎しみ、情けと恨みが成した事件をモチーフにした今回。
舞台。学校教室を切り取り。□5mの平台に木製学校机と椅子3×3。下手奧にはポット
と茶器が置かれ。平台外に黒々とした石ころ一面。
お話。嵐の夜、山鹿の里・村内で妊婦が殺された。学校教室に、集められた親類縁者
ら関係者。夫、実兄、その妻で容疑者の実姉。ベテラン刑事の尋問は昨日と同じか、
事件と直接関係のない過去の出来事、人間関係ばかり。いらだつ３人。やがて、血縁
地縁が絡む、軋轢と嗜虐の記憶が掘り出されて…。
ギリシャ悲劇に濃密な人間ドラマ。息が詰まりそうも、鳥肌立ちの瞬間しばしば。
主役級のできる役者が、極限状態でデスマッチする凄さ。黙しても獣のような威圧感
を醸す高田恵篤の存在(と肉体美)もまた。謎解きな展開も、主眼は人間ドラマに
あり。欲と保身、愛と愛欲にまみれた有様は愚かしくも悲しい。未来を望みながら
選択肢のない地方の悲劇が、事件という特異さによらず浮かび。愚かしさを嘲笑でき
ない、痛みを共感するねこ。
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