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 演劇企画集団THE・ガジラ「セルロイド」

 @下北沢 ザ・スズナリ(2007/2/8-21 14ステージ)
 http://www.honda-geki.com/suzunari.html
 全席指定 前売4000円 当日4500円 シードチケット(学生) 前売・当日共2800円
 平日得ステ13,15 前売のみ3800円

 作・演出:鐘下辰男 美術:島次郎 照明:中川隆一 音響:井上正弘[オフィス新音]
 衣裳:花田絵美 演出助手:岸京子 舞台監督:中瀬古靖[クロスオーバー]
 ヘアメイク:山崎初生 プロデューサー:綿貫凛
 宣伝美術:マッチアンドカンパニー スチール:青木司 制作:高橋衿子
 主催:(有)ガジラ
 2/16s終演後、鐘下辰男×KONTA氏によるトークセッション
 出演:
 岡まゆみ :女
 真那胡敬二:兄
 伊達暁  :男 [阿佐ヶ谷スパイダース]
 大久保鷹 :父

 2007/2/18(日)曇 2:06-4:06PM(2'00) 中段下手 客席満員(140人)
 客層:老若男女幅広く、中年男性多め。男女半々。
 客入れ:当日券不明、入口より階段に補助席設置。桟敷1列、雛壇にパイプ椅子11列
 中程に通路あるも目一杯。男子肥満率高めで一層!?。折り込みチラシ結構。
 折り込みパンフA4 3ページ。作家から長文の挨拶、ライターから寄稿、役者紹介。
 物販未確認。カーテンコールはいつも通りなし。
 
 舞台。ゴミ屋敷に白いゴミ袋(120個?)が床一面。手前に古新聞紙束、下手の「道」
 、上手の椅子周辺にわずかな空き地。壁に顔写真のポラロイド(200枚?)がてんでに
 貼られ。中央に冷蔵庫、しょう油注しと段ボール。

 お話。その部屋に暮らす女は、瀕死の男を匿っている。責め立てる、引きこもりの
 兄。そこに、幻想の父がやってくる。女は父に虐待されたトラウマを抱え、執拗に父
 を非難し責め立てる。自分はここにいないと傍観する兄。男は、家族の地獄絵図を
 見つめ続けていたが。

 スズナリに渦巻く、狂乱の熱波、血と体液のニオイ。追いつめられた極限状態の
 人間心理を描いて容赦のない、鐘下演出。暴力と狂気、理性と諦観のるつぼ、ぶち
 まけ感一層の今回。虚を突かれちったねこ。正気と狂気、虚実をフルスロットルで
 行き交う女。愛されずに生きてきた虚ろ(セルロイド人形な自身)を痛みと悲しみで
 満たし、愛される人々を憧れながら憎悪する。自分の子供を愛しながら、その幸福を
 憎悪、転落するシニカルな物語。虐待が生む傷の深さ、複雑さに絶句するねこ。

 役者。女・岡まゆみ。終演後現実にどうやって立ち返るのかな、迫真。女優って
 すごいねと感嘆ねこ。
 

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