＠吉祥寺 吉祥寺シアター(2007/10/4-14 13ステージ)
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/
全指定 一般 前売4500円 当日5000円 シードチケット（学生割引）2800円
アルテ友の会会員4050円
作：スエヒロケイスケ 演出：鐘下辰男
美術 :島次郎、照明 :中川隆一 音響 :井上正弘（オフィス新音） 衣裳 :花田絵美
舞台監督 :北村雅則 演出助手 :坂本聖子 宣伝美術 :マッチアンドカンパニー
宣伝写真 :大城亘 プロデューサー :綿貫 凛
主催：（有）ガジラ、（財）武蔵野文化事業団
出演：
占部房子 ：イワ （民谷伊右衛門と岩の息子 詐欺集団ボス)
千葉哲也 ：秋山長兵衛（伊右衛門友人 20年前の事件に深く関わる）
久保酎吉 ：按摩宅悦 （イワの債務者）
寺十吾 ：佐藤与茂七（岩を介護 亡妻・袖と思いこむ） [tsumazuki no ishi]
ノゾエ征爾 ：ジロー （イワの債務者 民谷伊右衛門の母筋）[はえぎわ］
榊原毅 ：民谷岩（民谷伊右衛門の妻）[三条会]
2007/10/12(金)晴 7:05-9:09PM(2'04)最前方中央 客席7割(130？人)
客層：20-30歳代最多、中年男性多め。
客入れ：後方とサイドに空席。センターよりの前後芝居が多く、前方中央だとかぶる
ことあり。 案内随時あり。折り込みチラシ厚め。パンフ B5 2ページ 劇中の
専門用語・証券業界と裏ビジネス 解説。物販。パンフ B5 34ページ 800円。
わかりやすく詳細な作品解説、寄稿あり。20周年記念対談・高橋恵子×鐘下辰男
ゆかりの役者達からのメッセージ掲載。 カーテンコールなし。
20周年デスかもう企画・第2弾はtsumazuki no ishiの座付き作家・スエヒロケイスケ
作品。
舞台。ラブホ地下のボイラー室、生と死、天国と地獄の狭間設定。色気も猥雑さも
ない荒涼とした闇が広がる空間。コンクリートの床に水たまり。中央に事務机、その
前に戸外の監視カメラ画像を流すモニタ、机の上に目覚まし時計、ノートパソコンと
機械類。すぐ後ろ、ごつごつとつなげたケーブルがまっすぐ天井に向かって立ち上が
り。後方にビニールハウス、小さな浴槽と便座のバスルーム。岩と与茂七がほぼ
常駐。
お話。四谷怪談の元ねた「四谷雑談」を翻案、今風にリミックス。イワと母と同じ
呼び名の青年。債権者を奴隷社員にした詐欺集団を締める、通称王子（白髪ショート
で星の王子様風）。なぜか自分と母を捨てた父・民谷伊右衛門を探すことに拘り。
父が起こした事件の後、ジャンキーとなった母・岩から逃れられるとでもいうのか。
父の友人であり事件の中心人物・裏社会の住人・秋山長兵衛を拉致し、情報を得よう
とするが。
どうしようもない金の亡者どもの転落記。パンキッシュで毒気を孕んだとスエヒロ
らしい作品。血と水、暴力と大音響、闇と死な、いつもの極限演出。地獄に蜘蛛の糸
、バスルーム＋本水＝母性？とメタファーを潜めた美術。泥沼万歳な地獄絵図の中、
普遍的な親子や家族の絆を交差させる物語。出ずっぱりでデスマッチの役者達。
閉塞感、緊迫感が苦しくて気持ちよく、演劇三昧の空間がたまらないねこ。
役者。千葉哲也。黙しても色悪。久保酎吉。悪あがきぶり○。榊原毅。狂ってもいい
声、いい肉付き。寺十吾。狂う寸止めの危うさ。ノゾエ征爾。八方ふさがりも楽天で
なお悲劇感漂い。占部房子。星の王子様、存在ある背中とタバコ芝居○。
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