＠三軒茶屋 シアタートラム(2009/9/4-14 13ステージ)9/8休演
http：//setagaya-pt.jp/
全指定 一般2800円 当日3000円 初日割引2500円 学生2000円 当日2300円
団体2500円（3名） 友の会会員割引2600円 世田谷区民割引2700円
作・演出：中屋敷法仁 舞台美術：泉真
音響：上野雅(SoundCube) 照明：富山貴之 殺陣：佐野功
演出助手：今城文恵(メタリック農家)、加藤槙梨子 宣伝美術：高松宏行(背番号零)
フライヤー写真撮影：渡辺佳代 フライヤーモデル：深谷由梨香
当日運営：塩田友克(クロムモリブデン) 制作：田中沙織
舞台監督：佐藤恵
出演：下記
2009/9/5(土)晴 2：06-3：47PM(1'41)前方中央 客席8割(160人)
客層：20-30才代に時々おじさん、男女半々。
客入れ：後方2，3列に空席とまだ余裕。座席は中央が○。折り込みチラシ極厚。重い
よ。パンフ B5 3ページ。挨拶、出演、スタッフ、予定。配役表は終演後配布。
客演ひっぱりだこ。次回公演 11/28-29「すこやか息子(仮)」＠三重文化会館
物販。初有料パンフ A5 24ページ 300円。役者座談会、キャスト紹介、予測レビ
ュー、中屋敷脳内座談会、塗り絵など。台本 1000円。Ｔシャツ、缶バッチ、女優
プロマイド(ポストカード)ほか。 カーテンコール1回。
「キレなかった14才（ハート）りたーんず」の中屋敷作品が気に入り、久々に
本公演を期待観劇ねこ。10日間＠トラム と肝いりロングラン。
舞台。本格的な装置建て込み。土石流にのまれた村のジオラマの体。中央に窪地、
正面にずい道のある壁?橋？。下部が埋もれた鳥井とおみくじ結わえた立木、
古井戸、棄てられた自販機、フェンス、工事現場用具。なぜか電信柱だけは等間隔で
直立して並び。風音、鳥の鳴き声らＳＥがとっても恐怖ムーディ。
お話。化け狐調査にその村を訪ねた教授と助手は、幸先悪く旧知の自殺未遂女と
遭遇。ついで助手が行方不明で最悪。助けの手をさしのべた村はどこか変。村民達は
森に住む姿を現さない化け物と戦いの真っ最中。村長はゾンビみたいだし、しれっと
河童の一族が出没するし。宿を借りた家の物達は、呪われた家族と疎まれて、大きな
秘密がありそうなのだ。
先祖返りに小劇場演劇な嘘っぽさ、Ｂ級の楽しさ満載。ライブ感溢れる演出と鍛えた
役者陣でやりこみ、造り込んで全編飽きさせず。呪われた一家と村人、目撃するよそ
者の顛末なホラー王道なプロット。伝奇もの漫画やアニメからサンプリングして散り
ばめられたアイテム、キャラ。遊びと毒気に溢れた舞台はチープさをリッチに盛り
込み、そこら悪趣味な面白みあり。
キャラは多彩なるも、先行舞台のように掛け持ちはさせず、役者個々に専任させ。
演出も徹頭徹尾行き渡り、安定感と完成度をもって、てんこもり内容も安心。そんな
ハードコアな嘘っぽさ、造り込みから、ちと湿って柔らかい血と家族、人間愛の心理
背景が浮かび上がり。真摯な感触にしゅんとし、深みのある物語に感心もするねこ。
役者。母役・コロさん。ゾンビメイクでクレバー、情愛を偲ばせて魅了。女子大生役
・七味さん。震える軟体の怪演。長女役・深谷さん。もはや人ではないテンション
芝居。毎度社会復帰に即応できるのか、帰りの電車が危ぶまれるねこ。河童役・須貝
さん。剽悍とマイペース、河童劇団も楽しいところ。箸休め的な・中屋敷さん、
賑やかしな警察員役と河童役の方々が印象に残ったねこ。
アフタートーク 3：53-4：11PM(18)
柴幸男(ままごと、青年団リンク)、中屋敷法仁、玉置玲央
むろん正確でないこと、抜けが多いことをお断り。
(アフタートーク趣旨。開かれた場所で質疑応答、お喋りの場となってます。
ゲスト・ 柴幸男さんの紹介。）
柴 面白く心地良かった。中屋敷さんが青森出身、東北の村を題材にすると聞いて
いたがなぜ？。
中屋敷 東北ではなく家族を題材にしたかった。上京してから青森は基本家族。
（きっかけは？）家族は死ぬまで書けないと思っていた。打算的な作家なので、
自分の中で結論がでていない作品は書けない。戦争とか人生とか自分の考えがある
けど、家族は好きすぎて愛憎渦巻きすぎて結論がだせない。怖いと思ってやらない
できた。今回5周年で中屋敷の中にある物はなにか、出してもいいんじゃかと
思ってやった。
玉置 （劇団員的には）家族を扱うときは勝負を掛けてきたとき。3年目で劇団の形
をとったときも家族だった。ただ、対立する夫婦の恋愛模様、ロミオとジュリエッ
ト。今回は家族の中の話でまあいろいろあるのかなと。
柴 ラストの着地は家族の話に、決着をつけようとしていた。村とか一族の血の話
とか混じっていたが、家族だとよくわかった。（中屋敷さんが滑舌が悪い話。
初日はよかったけど、今日は酔っぱらっていました。周りの俳優がよくなってきて
いるのでよけい目立つとか言い訳）今回は役者さん達がとても活き活きとして
いて。（脚本がかなり早い段階で出来ていた話、通し稽古を10回やったとかで、
そこの差がでていたかも。）
中屋敷 自分の中にあったものをそのまま書いたから、余り悩まなかった。国際情勢
なんかだと下調べしなければいけないが、僕の家族のことだから、本がどんどん
書けた。
柴 箱庭円舞曲の人（河童の人）が延々、箱庭箱庭といっていたが（もっとあったが
削った。ひょっとこ乱舞の人もそうだった。台詞を言った後、前回公演のダンスを
踊らせるとか、やめました。）河童の劇団をもっとみたかった（河童の役の人が
ずっとそっちをやっていたいといっていた。本編より出番が多い人もいる。
最近まで河童のシーンはなかったとか。）
質問コーナー 挙手なし。
柴 装置がすごいですね。自分もお金がないから素舞台が多い。
中屋敷 俳優さんの体にどれだけ負荷を掛けるかを考えている。素舞台の時はどれ
だけ動けるか限界に挑戦してきた。今回は四つんばいになったり、穴から出たり
入ったりとか、汚い姿勢になれば良いなと思ってつくってます。
柴 ここまでリアルな舞台装置は初めてみた。動きにくいかは別にして、いままで
男性器の形をしてるとかはあったけど、（そのままの形で）こうなっているのは
初めてみた。
中屋敷 具象なんだけど、ものすごい抽象の形、細部はリアルだけど全体はアニメ
チックな形になっている。柿の芝居もそうで、全編わたり憑かれているような芝居
をしているかと思うと、すっと素っぽいとかリアルな台詞をいったりするという
統一感をとっていない、混ぜている。今回は具象度を増して、アスレチックな
ところをみてほしい。
柴 今度つくるのが大きい声でハッキリ喋る芝居。こういうのは面白いなと、日常の
言葉で日常の芝居というのが増えているけど、柿は一貫してこれをやる、俳優が
どんどん巧くなっているから、形式じゃないけど研ぎ澄まされてきた感じがしま
した。
中屋敷 柿喰う客にでる専用俳優がどんどん育ってきていて、ほかの俳優さんにつき
あってもらっていたのが、柿だけが巧い俳優さん・刑事役の浅見君とか他の現場
では評価が低いんですけど、僕の作品では絶対いい。
柴 僕わからなかった。あんなＳっ毛のある暴力的な人ではないですよね。
中屋敷 柿の演出、メソッドに特化してきている。柿の方法論が僕だけのもので
なくて、俳優さんの中にシステムが組み上がってきたなと。あとは僕がどんなもの
を造るかに掛かっているかなと。（次は三重公演）次はさわやかな演劇をつくろう
と、愛と友情、あとスポーツ。スポーツ演劇といっている、終わった後出演者達が
抱き合って泣いちゃうような。
あと、柴さんの公演告知。柿のリピータ割引、キャスト入れ替えの公演、グッズの
情宣。
出演：9/7,10mはキャスト総入れ替え「乱痴気」。
永島敬三 ：恐本恐介(キョウモトキョウスケ/大学教授)
七味まゆ味[柿喰う客] ：涙目震江(ナミダメフルエ/女子大生)
村上誠基 [柿喰う客] ：死納リスカ(シノザキリスカ/自殺未遂女)
コロ [柿喰う客] ：綾町獲利子(アヤマチエリコ/綾町町・母)
深谷由梨香[柿喰う客] ：綾町狩奈(アヤマチカリナ/綾町家・長女)
本郷剛史 [柿喰う客] ：綾町猟太郎(アヤマリョウタロウ/綾町家・長男)
國重直也 ：綾町猟次郎(アヤマチリョウジロウ/綾町家・次男)
玉置玲央 [柿喰う客] ：夜盗蛾幼蝉(ヨトウガヨウゼン/町医者)
梨澤慧以子 ：盛ヶ月はら美(サカリガツキハラミ/メイド)
中屋敷法仁[柿喰う客] ：貴志本諭(キシモトサトシ/家庭教師)
須貝英[箱庭円舞曲] ：川尻武光(カワジリタケミツ/河童)
片桐はづき ：ぼたん丸(ポタンマル/こども)、キューリ夫人
齋藤陽介[ひょっとこ乱舞] ：得手猿彦(エテサルヒコ/不良・金属バット)
佐野功 ：銃平(ジュウベイ/不良・猟銃)、河童の弁護士ほか
瀬尾卓也 ：斧吉(オノキチ/不良・斧)、河童の父ほか
佐賀モトキ ：鎌造(カマゾウ/不良・鎌)か
高見靖二[チャリＴ企画]：種巻オシ兵衛(タネマキオシベエ/霧田村青年団長)
野元準也[ビビプロ] ：日本一郎(ヒノモトイチロウ/青年団員）、ダンサーＪ(グラサン)ほか
渡邊安理[演劇集団キャラメルボックス] ：耳鼻木ヨネ/車椅子ババア)
高木エルム[柿喰う客] ：伊刃里無垢郎((イバリムクロウ/ゾンビの村長)
伊藤淳二 ：歌賀井(ウタガイ/警部)、鉢賀井(バチガイ/警部)、暗黒呪術師 中絶マンほか
浅見臣樹 ：下賀井(シタガイ/巡査)ほか
川口聡 ：鎌造の母、河童の研究員ほか
柳沢尚美 ：高野(タカノ/看護婦)ほか
熊谷有芳 ：駄犬、刀持ち、河童の妻ほか
出来本泰史[集団sevenstarrs] ：マスクの男
[月間一覧］