＠天王洲アイル 天王洲 銀河劇場(2009/10/3-25 26ステージ)
http://www.gingeki.jp/index.html
全指定 S席8400円 A席6300円 学生割引5250円
＠兵庫 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール 10/28-30 4ステージ
＠山形 川西町フレンダリープラザ 11/1-2 2ステージ
脚本：井上ひさし 演出：栗山民也 音楽：小曽根真 美術：伊藤雅子
照明：服部基 音響：山本裕一 振付：井手茂太 衣裳：前田文子
歌唱指導：伊藤和美 宣伝美術：和田誠、成川研 演出助手：大江祥彦
舞台監督：増田裕幸、福本伸生 映像：渡邊雄志
主催：こまつ座、ホリプロ、テレビ朝日、銀河劇場
出演：
井上芳雄 ：小林多喜二(作家)
高畑淳子 ：佐藤チマ(多喜二の実姉)
石原さとみ：田口瀧子（多喜二の恋人）
神野三鈴 ：伊藤ふじ子（多喜二の妻）
山本龍二 ：古橋鉄雄（特高刑事）
山崎一 ：山本正（特高刑事）
ピアノ演奏：小曽根真
2009/10/10(土)晴 5:30-8:44PM(1'38/休16/1'17)1F後方中央 客席9割(500?人)
客層：中年層中心に幅広く、カップル多め、女性過半数。
客入れ：当日券あり詳細不明。折り込みチラシ結構。パンフなし。物販。パンフ B5
変形 48ページ 1500円。井上ひさしが選ぶ小林多喜二短編収録。ポスター1000円。
パンストラップ500円 手拭い1000円 タオル550円 伏せ字パン450円 蟹味缶？円
クリアファイル350円 ほか。 カーテンコール3回3分。熱心な拍手に応えて2+1回。
井上ひさし新作。初日遅延なくも、ギリギリだった現場の様子は、栗山氏の挨拶文に
伺え。
舞台。黒い平台、三方の囲み壁は上方にメッシュ。まるで大きな牢獄のようにも見え。
正面にスクリーンを下ろし、寒い海原などビデオを投影。転換は移動平台にのせて、
スムースに。
お話。貧農から隆盛商家へもらわれ、やがて無産階級へ心を砕くようになった小林
多喜二。国際的に認められるプロレタリア作家となるも、無知蒙昧なる弾圧を受け、
地下へ潜る。献身的な女性達の庇護の甲斐なく、ついには殺されてしまう。
小林多喜二の青春と非業の死を描いて、豊かもガツンとくる最新傑作。格差社会、
権力の無知横暴と重ねて、とっても現実的。虐げられる庶民、暴力への憤りら井上
作品のベースにのせて、評伝を超えた鮮やかな舞台とし。多喜二と公安警察との攻防
に、彼を愛する3人の女性との愛あるドラマを交差。スリリングで、活き活きとした
豊かな物語はいつもながら最上等。ミイラ取りがなんとやらと公安警察も家族となっ
てしまう件は、愉快でいてとても心に沁み入り。
スタッフワーク充実。淀みない転換、実写映像の活きた効果、不協和音と和音を巧み
な配した音楽。そして、刻むように着実にリズムを保ち、明晰に場面を重ねる演出。
役者。井上演劇らしい、素晴らしいアンサンブル。出過ぎることなく対等ながら、
一人ずつ輝いてて素敵。多喜二姉・高畑淳子。大人な分別と意気地ある女性を親しみ
とともに演じて素敵。プロ警官・山本龍二。冷酷さと心優しさを併せ持ち、味わい。
同山崎一。狂言回しと人情パートを見事引き受け。多喜二の妻役・神野三鈴。誠心誠意。
多喜二役・井上芳雄。正面からガチンコの潔さ、愛されるに足る演技、歌唱の魅力。
夫婦未満、恋人未達、友人以上の恋人役・石原さとみ。複雑な役どころをしっかりと
演じて、アンサンブルと溶け込み。
[月間一覧］