＠渋谷 青山円形劇場 （2011/2/4-6 3ステージ)
http://www.aoyama.org/
全自由 前売3500円 当日4000円 学生券3000円
＠金沢21世紀美術館 8/21-22 2ステージ
振付・演出：鈴木ユキオ アニメーション：辻直之 音楽：内橋和久
映像：山田晋平 照明：加藤泉 音響：牛川紀政 舞台監督：鈴木康郎＋鴉屋
宣伝美術：市川敦子 宣伝写真：畑嶋信輔
主催：金魚（鈴木ユキオ) 提携：こどもの城 青山円形劇場
助成：公益財団法人セゾン文化財団、芸術文化振興基金、EUジャパンフェスト
日本委員会 協賛：株式会社資生堂 製作協力：金沢21世紀美術館[（財）金沢芸術
創造財団]、株式会社金沢舞台、株式会社オトムラ 認定：企業メセナ協議会
出演：
安次嶺菜緒、福留麻里、横澤祥太郎、川合ロン、鈴木ユキオ
2011/2/4（金）晴 7:35-8:48PM（1'12)中央中段 客席9割(220人)
客層：20-30歳代最多に幅広く。女性過半数。
客入れ：鍵穴型舞台、囲んで6ブロック。中央寄りが○。開場時30人ほど。
折り込みチラシ厚め。パンフ 横長2ページ。挨拶、スタッフ。
カーテンコール2回1分。
舞台。調度装置は透明な背もたれ付椅子5脚ほど。舞台床、壁、パフォーマ身体や
もった風船などに映像投影。
構成。双子な黒衣女子、男性とその洒脱な装いの分身2。分裂した人たちのつかず
離れず。な印象ねこ。
・床に腹這い、うごめく白シャツ鈴木。柵状の横棒と波型が走るアニメ映像を重ね。
重力から逃れようとするが床に引っ張られ。それでも立ち上がり、ぎこちなく
歩行。やがて、倒れ伏す。後方、黒衣の女子は椅子に座り、貼り付きながら、
四肢を広げる。
・黒衣の双子女子。椅子から立ち離れては引っ張られて座ると繰り返し。ぎくしゃく
こわれた人形のような動き。雨だれの音。壁に二人のシルエットとそのアニメ。
蝶ネクタイと、上半身裸にサスペンダーの伊達男2人が勝手にじたばた、女子に
近づく。女子は椅子を持ち上げて、追い払うような動き。
・双子はじたばた、よろけながらをユニゾン。一人がふと我に返える。また、双子は
震え、伊達男たちはおびえたように。
・双子、ベースのリズムで動き。一方は椅子に座り他方は、縛られたような動き。
後方の壁にひょうたん型の風船２つの映像。椅子を自由に配置する。自分の体を
叩き始めた女子を、一方（福留）が抱き留めて止める。やってきた伊達男と
ユニゾン。片足立ちなど動作。
・無音。双子はまた一方を諌める止める動作など、痛切なコンタクト。床に同じ姿勢
で横臥する。
・舞台下からジャケットをきた鈴木が現れ、舞台にあがり、双子の片割れと踊る。
後方、伊達男の胸にひょうたん型の風船（心臓？）が投影される。次は鈴木に
投影。床にひょうたん型風船の映像。
・双子の立場が逆転し、これまで諌めていたほう（福留）が自傷を始め、止められる。
そんな取り込んでいるところに、裸にサスペンダーの伊達男がマイクをもっている
かのように片手を突きつける。双子、観客、だれぞのいる空間へと何度も。
・双子は白い風船を膨らまし、口にくわえて立つ。後方にテキスト投影。投げ出された
ものとして、うんうん。会話やテキストの断片がスクロール。風船に切り取られた
文字が浮かぶ。双子が歩行するにつれ、消えては浮かぶ。ありがとう、どこへ
行こうかなど対話テキストはやがて、無数のああああ、あ゛あ゛あ゛あ゛に埋めら
れる。双子と伊達男達は走りまわる。
・双子女子の片割れはマイクをもち、モノローグ。暗がりの中、じたばたとする
片割れ。壁には横棒と波のアニメを投影。
自分＝片割れ、半身を探してやまぬ内省作品。繭に包まれたような劇場空間で、
醸して深いフリー音楽、控えめに心理を映す木炭アニメと、緊縛脱出行なダンサーが
交錯、混合。美術展示としてそのままいけますな、造り込りこんだ場に浸るねこ。
ピン留めから空間を広げていく展開、二次元のアニメも身体に映すなど工夫でそこら
よく物語り。終盤、日常と痛い胸の内が混合するテキスト投影、風船に折々の言葉を
浮き立たせて、強い印象を残し。
ダンサー、とくに女子は双子にクローンな動きをするけど、それぞれに気づかず
孤独に繰り返し。床や椅子、自分を含めた他者から引力が作用するけど、通わず。
その中、自失途中の一瞬の自覚、抱き留めなど痛みの中の慈しみが時々立ち現れ。
抽象ではない、強い抒情が匂い立ち、切なく沁みるねこ。こわれた操り人形のように
屈託した、ストレス最高な振り付け。滅私奉公と応えるダンサー達には感涙ねこ。
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