＠新潟 新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ・スタジオB(2011/3/19 2ステージ)
http://www.ryutopia.or.jp/index.php
全自由 一般2500円 高校生以下2000円
作・演出：中屋敷法仁 照明：富山貴之、内山唯美 音響：上野雅
舞台監督：本郷剛史 制作：赤羽ひろみ、斎藤努 制作協力：ゴーチ・ブラザーズ
主催：財団法人新潟市芸術文化振興財団、芸術のミナト☆新潟演劇祭実行委員会
平成22年度 文化庁 優れた劇場・音楽堂からの創造発信事業
企画製作：柿喰う客
出演：
深谷由梨香：兄
右手愛美(うて まなみ)：妹
コロ ：団長
岡田あがさ：見世物女
村上誠基 ：綱渡り、玉乗り
大村わたる：猛獣使い
七味まゆ味：人さらい、熊
山崎明日香：お金持ち
永島敬三 ：ふしだらな女
2011/3/19(土)晴 8:13-9:11PM(58)前方中央 客席7？割（60？人）
客層：20才代中心、時々中年。女性過半数。
客入れ：高い天井のたっぷり空間がきもちいいロビーで開場待ち。椅子を並べくれて
親切。もぎりとクローク、場内で劇場係8人+スタッフ貼り付き。贅沢過剰。
ベンチ1列、雛壇に椅子5列。空席誘導まめにあり。
新潟の劇場主催フェス参加。ここだけ上演のスペシャル作品。
舞台。まっくろな素舞台。中央に白い円。
お話。飢饉で森に捨てられた兄妹。食べさせてあげると親切に声かけの人は人さらい。
妹はお金持ちの家、兄はサーカスに売られ。サーカスの裏舞台、懸命に稽古する先輩
達をみ、スターになって妹を探し出すと決心する兄。それを暖かく見守る万能の芸才
をもつ見世物女。
しかし、そこは芸の失敗と流血の惨事を売り物にする地獄のサーカス団。客席に妹の
姿をみつけ、根性と隠し持った才能でトラップを乗り切る兄。ではあったが妹から
まさかのブーイング。残虐に目覚めた妹はあろう事か、兄の流血を見ずには済まない
様子。兄と見世物女は、ほんもののエンターティメイトをみせ、妹の良心をとり戻そ
うと超絶技を披露。満身創痍の兄に妹は改心するどころか…。
暗黒面を鋭くえぐる残虐演劇。前半笑いをとりつつ、どんでん返しでお客も一緒に
奈落落ち。役者、そして観客を含め、誰が加害者になるかわからないというブラック
な落ちが苦い後味を残し。昼の部のトークで、つまんないとハッキリ言われたとか、
お客に甘いお菓子を与えるだけが演劇ではないとパンキッシュに示して、潔し。
今回も、狂言めいた口調まじりで、変幻自在な中屋敷歌舞伎様式。床に書いた円内外
でメインと背景ら入れ替わりながら、役者の身体一本で潔く現し。出ずっぱり、
特に先月に引き続き深谷さんが前面にでて、血管切れそうに奮闘。ほかメンバーも
気迫十二分、心地良いハイテンション芝居を展開。
七味さんの人食いクマは、怖いんだかコミカルなんだかに人間離れ。コロさんの団長
が、凛々しい立ち姿一本だけでも魅了。村上さんのマンガキャラ芝居が、箸休めに
楽しく。永島さん、大村さんのの間の悪さもまた。山崎さんの猪突猛進ぶりが愉快。
かっこいいゲスト女優。右手さん。モデルな肢体に狂気の目線でぞくり。あがさ姐さん。
美丈夫入ってる、決意の女優ぶりが逞しくて素敵。
アフタートーク 9:17-9:32PM(15)
中屋敷法仁、七味まゆ味
記憶とメモによるので抜け多数、不正確なことをお断りします。
・トークについて。劇団自己紹介。
中屋敷 私自身が演劇が大好き。こういう演劇しかみとめん！などはない。様々な
分野に挑戦している。その無茶ぶりに付き合わされているのが俳優。
（新潟公演は）ここだけでしかやらないプレミアム公演にしたほうがいいなと。
（七味 2ステージしかないプレミアムな）でも、2ステージもやらしてもらえるなんて
ありがたい。東京ではどんどん演劇公演が中止になっている。私が演出した作品が
今月になって３本中止になっているので（七味 柿喰う客でもあと2本公演があった
はずだったのにね）新潟演劇祭がなければ、私は今月は働いてない状態。
質問コーナー
記念すべき、1回目の回の最初の質問は、つまらなかったけどどうしたらいいですか
でした。答えは、おいしいご飯を食べてください。
Ｑ１練習期間
中屋敷 6日間。柿は基本的にはいつも稽古をしている。俳優も演出もペースが速い。
やってくれというと、俳優はすぐできる。七味 6じゃなく、4？、5日。
Ｑ２ 地震でやってくるのが遅れて、稽古はどうだったのか。
中屋敷 稽古が減った。やだなあと思って。焦りはしないけど、自分はナルシスト
なので、稽古が計画通りだと快感を覚えるので嫌だった。俳優はもっと嫌だったと
思う。
Ｑ３ 小道具を使わないが普段からそうか。
中屋敷 使わないことが多い。観てらえればわかると思うけど、俳優の体にしか興味
がない。俳優の体が面白く動くような道具しか使わない。道具を持つと役が変わる
とかやったことはある。ナイフを使ったからといって、お客さんの緊張感は増さない。
小道具を使うと俳優の体が死んでしまう。小道具の使い方もよくわからないし。
Ｑ４ アイデアが浮かぶのはどんな時か。
中屋敷 アイデアは日々ものすごい分量が浮かんでいる。みんなも浮かんではいる
はず。自分は絵はたまに浮かぶ、それでは仕事にならない。詩を年に１、2回は
書きたいと思う。演劇のアイデアは、頭がおかしくなるほど浮かぶので、仕事に
しないと病気になると思った。今日みててもひらめいた。
今回のアイデアは4年前にあった。未発表のアイデアがたくさん控えている。
Ｑ５ アイデアは頭の中に記憶するのか、書き留めるのか。
中屋敷 書かないが、人にものすごくしゃべる。劇団員のみんながお母さんのように
聞いてくれる。閃いて忘れるのはつまんないアイデア。台本もしゃべりながら書い
ている。台本は楽譜だと思っている。
Ｑ６ 衣装が個性的だが、どんなプランか。
中屋敷 こういうスタイルは過去にもやっていて、今回はシックな感じでとやって
います。自分は服装のセンスがないので俳優に任せている。おしゃれじゃない人で
うまい俳優を見たことがない。ちなみに、見世物女の衣装（注。オスカルみたいな
シャツ）は女優さんの自前。
七味 スーツっぽい感じといわれただけ。黒っぽい感じとか。
中屋敷 ふしだら女は、最初主役でスーツだったが、ひどく貧相で止めた。
ワンピースの方が見合っていて、ふしだらだったのでああなった。
僕は作演出だけど、稽古場で俳優とコミュニケーションをしながらつくっていく
のが好きな演劇の集団です。新潟は初めてなのでご意見ご感想をなんでも、
楽しみにしています。物販ＰＲ。ぜひお願いします。
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