＠下北沢 ザ・スズナリ（2012/8/25-9/10 20ステージ）
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全指定 前売4500円 当日4800円 高校生割引2500円
作：トレーシー・レッツ 訳：阿藤智恵 演出：大杉祐
美術:乘峯雅寛 照明:豊山ゆうこ 音響:松本昭 衣裳:中村洋一
ヘアメイク:馮啓孝 アクション:渥美博 舞台監督:笹原久義
ロシア語指導：内田健介 制作：加藤健一事務所
出演：
加藤健一 ：アーサー・(プ）シュベルシェフスキ（ドーナツショップ・オーナー）
有馬自由[劇団扉座]：マックス・タラソフ（ビデオ店経営）
土屋良太：ジェイムズ・ベイリー（巡査）
奥村洋治：ルーサー・フリン（ギャングのボス）
加藤義宗：フランコ・ウィックス（作家志望の青年）
島﨑宣海：ケヴィン・マギー（ルーサーの子分）
鷺坂芳幸：キリル・イヴァーキン（マックスの甥）
塩田朋子[文学座]：ランディ・オスティーン（巡査）
田根楽子：レディ・ボイル（ホームレス）
2012/08/27（月）晴 7:04-9:07PM（2'02）中段上手 客席満員（150人）
客層：中年層と20歳代、男女半々。
客入れ：ベンチ3列、ひな壇にパイプ椅子10列。クッション追加。空席案内随時。
折り込みチラシそれなり。パンフなし。物販。パンフ A5横 20ページ 500円。
まんべんなく。カーテンコール2回1分。
いつもの本多劇場から、作品に合わせてという小劇場・スズナリでの上演。
日本初演。カトケン親子ががっつり主役共演も初とか。
舞台。アメリカ映画に出てきそうな、古びた個人店舗。上手にカウンターとスツール、
後ろの棚に売り物ドーナッツが並び。真正面に往来と煉瓦壁に面したドア、ガラスに
店舗名。下手に広く空間、壁際にテーブルと椅子が一セットだけ。床はダイヤ模様、
壁に棚に小物少々。
お話。シカゴのぱっとしないドーナツ屋。後ろ暗い過去を抱え、覇気はないが
腕は一流の中年店長と、借財を背負いながら作家を夢見る野心に満ちた青年の交流。
複雑で沈滞、過去を負うアメリカ事情を背景にした、再起の物語。
おなじみの明晰キャラでの悲劇喜劇から、今回不遇挫折惑いと揺れるキャラを擁して
の小劇場演劇。スズナリ上演もうなづけ。闇を抱える人を灯火と見守る人が必ず
いる、下町人情劇でもあり。ラストはラジオから奇妙な果実♪、開け放たれたドア外
に雪、しかしノートに創作再開の一行。絶望と希望を一枚の絵で見せて○。
カトケンが挫折も心に熾火な初老役をガチで演技。クライマックスのギャング親分
との決闘は、相手役奥村さんともおじさん役者の懸命さが伝わり。昔からみている
ねこはじーんとくるねこ。青年役の義宗（３２だけど）とも老若それぞれのありさま
を対照、そして交差させて味わいあり。
[月間一覧］