＠吉祥寺 吉祥寺シアター(2013/09/20-10/7 22ステージ)
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/index.html
全指定 一般6300円 アルテ友の会会員(前売のみ)6000円 Ｕ-25 3800円
高校生以下2000円
＠神奈川 KAAT 大スタジオ 9/5-10 7ステージ
＠松本 まつもと市民芸術館 小ホール 9/14-16 3ステージ
＠仙台 仙台市宮城野区文化センター パトナシアター 10/9-10 2ステージ
＠新潟 りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館 劇場 10/2 1ステージ
作：三好十郎 演出：長塚圭史［阿佐ヶ谷スパイダース］ 美術：二村周作
照明：齋藤茂男 音響：加藤 温 人物デザイン監修：柘植伊佐夫
ヘアメイク：河村陽子 演出助手：山田美紀 舞台監督：福澤諭志
主催：有限会社ゴーチ・ブラザーズ 企画・製作：葛河思潮社
後援：ＴＢＳラジオ、ＦＭ ＮＡＣＫ５
助成：文化庁文化芸術振興費補助金(トップレベルの舞台芸術創造事業)
アーツカウンシル東京(公益財団法人 東京都歴史文化財団)
協力：公益財団法人 武蔵野文化事業団
出演：
田中哲司：私（劇作家）
松田龍平：須永（演劇青年）
長塚圭史：舟木（公立病院医師）
桑原裕子［KAKUTA］：織子（舟木の妻。クリスチャン）
尾上寛之：省三（舟木の弟。左翼活動に傾倒する学生）
中村まこと［猫のホテル］：若宮（証券業者）
江口のりこ：房代（若宮の娘）
松雪泰子： 柳子（元芸者）
吉見一豊［演劇集団円］：浮山（屋敷の管理人）
木下あかり：モモちゃん（浮山の遠縁。原爆で失明）
2013/09/25(水)雨 7:05-10:17PM(1'19/休15/1'37)バルコニーより 客席超満席(200人)
客層：20-30才代女性と男女大人。女性7割。
客入れ：2Fでアイスクリーム 150円販売有り。A列最前の通常客席。当日引換の
前売り券でバルコニー席。半分ミニ椅子、壁際で立ち見3人。折り込みチラシそれなり。
パンフ B5 2ページ。配役、スタッフ、ツアー日程。物販。パンフ A5 96ページ
1300円。文章中心、長塚圭史×藤田貴大対談収録。ポスター500円。
カーテンコール2回1分。
今回も三好十郎の戯曲を上演。松田龍平＠あまちゃんとか、人気もあってチケット
完売(当日券は毎回あり）。
舞台。黒一色、装置は暗色ニスの椅子12脚のみ。後方上段を「塔の見はり台」に
見立て。
お話。劇作家の妻の最後を描いた「浮標」のその後。戦後、焼け残った奇妙な豪邸で
共同生活を営む人々。劇作家は妻の主治医の誘いで転宅している。ある日、劇作家を
慕う演劇青年がふらりとやって来る。新聞報道で殺人事件容疑者と知られ、みなは
恐慌をきたす。
ガツンと正攻法で古典を今に結ぶ、明晰で染み一つ無い舞台。潔く力強く、長さを
感じさせず、凄いなあ。タイトルは原爆を製造、投下したもの。人が手を出しては
いけない領域、タブーを犯したものがテーマ。これを殺人者である演劇青年に映すが
この人格が破たん・生死の現実感が薄いという空恐ろしい。ドフトエフスキー描く
青年犯罪者を思い起こさせもする得体の知れないもの。青年役・松田龍平は複雑さを
内包しながら、驚くべきフラットさで演じ続けて、目が放せず。こんなに明瞭なのに
解けない謎であるという。うーみ、水口＠あまちゃんに萌えている場合じゃないよと
いう高水準。
一方、のど元過ぎて熱さ忘れる人々の姿、戦争は無かったことにして平々凡々そこに
殺人者の脅威でびっくりという風刺もあり。震災と原発事故、その後と生々しく
直結して、変われない日本人の愚かしさで今に結ぶ。全編の力強さはこれが故。
できる役者陣はみな力こぶ演技で応え、明瞭な芝居で矛盾に満ちた人を浮きだたせて
素晴らしい。
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