＠横浜 神奈川芸術劇場(2011/1/17-23 8ステージ)
http://www.kaat.jp/
全席指定 6300円 17，18プレビュー公演5000円
＠吉祥寺シアター 2/1-13 15ステージ
＠松本 まつもと市民芸術館 小ホール 1/29-30 3ステージ
作：三好十郎 演出：長塚圭史［阿佐ヶ谷スパイダース］
美術：二村周作 照明：小川幾雄 音響：加藤 温 衣裳：伊賀大介
演出助手：山田美紀 舞台監督：福澤諭志 宣伝美術：BLOCKBUSTER NO DESIGN
Web制作：MONOLITH 広報：吉田プロモーション 票券：小池芽生
制作：伊藤達哉 制作協力：ゴーチ・ブラザーズ
企画・製作：葛河思潮社 http://kuzukawa-shichosha.jp/
提携：神奈川芸術劇場（指定管理者：公益財団法人神奈川芸術文化財団）
出演：
田中哲司 ：久我五郎(画家)
藤谷美紀 ：久我美緒(五郎の妻)
佐藤直子 ：小母さん(家政婦)
大森南朋 ：赤井源一郎(五郎友人 小説家)
安藤聖 ：赤井伊佐子(源一郎の妻)
峯村リエ ：お貞（美緒の母）
江口のりこ：恵子（美緒の妹）
遠山悠介 ：利男（美緒の弟）
長塚圭史 ：比企正文(五郎友人 医師)
中村ゆり ：比企京子(正文の妹)
山本剛史 ：尾崎兼(五郎友人 金貸し)
深貝大輔 ：裏天さん(大家 荒物屋)
2011/1/19(水)晴 6:30-10:26PM(1'16/休11/51/休11/1'25)前方上手 客席ほぼ満員(260人)
客層：20-30歳代女性最多、中年層まで幅広く。演出家、批評家結構。
客入れ：地下鉄出口に案内ほしいねこ。一面自照壁は遠目でも判り、玄関外に係員が
いて声かけ誘導。巨大吹き抜け空間をクランク上がりした５Ｆが劇場。トイレは６Ｆ
が混むので、４Ｆ？をアナウンス。エレベータと階段が多い劇場なり。ロビーに
ベンチ結構あり。なお全館禁煙。無料？ロッカーあり。ベンチ式の座席は3列/通路/9列。
案配よいひな壇で観やすく、舞台に近くていい感じ。通路から一段下りるので足下注意。
折り込みチラシはそれなり、ビニール袋入り。パンフ A4 3ページ。挨拶、解説、
配役、あらすじ、演出へのインタビュー、予定。物販。パンフ □18cm 47ページ
800円。役者ページほか読み物結構。他戯曲本とか。
定時丁度から演出の挨拶、長丁場なので最初から飛ばして観ないように。
10:24PM終演 カーテンコール2分3回。熱心な拍手が続いて，3回目。
自作にこだわらず立ち上げる、長塚圭史 新プロジェクト第一弾。「葛河」とは
昨年の「アンチクロックワイズ・ワンダーランド」登場の主人公作家。浮標（ブイ）
は作家・三好十郎が自らの体験を写した作品といわれ、じゃあなにかい？、作家の目
を三重に通しての上演ということかしらん。著作権フリーとなったいうこともあり、
目にすることが多くなり。ねこは8月の深津篤史演出・桃園会公演以来。
神奈川芸術劇場の実質こけら落ちし公演。バブル期のような立派な建物、巨大吹き
抜けを見下ろしながらの５Fが劇場。冒頭、客席とも立ち会えたことを喜びたい旨の
長塚さん挨拶あり。
舞台。黒い木枠の大きな砂場。両プールサイドに並んだ椅子。入れ替わり立ち替わり
役者が待機、砂場を見守る格好。
お話。死病を患っている妻を献身的に看護する夫。天才画家と言われながら筆を
置き、介護のためかさむ借金生活。高い理想と世知辛い現実の狭間でままならず。
たとえば、借金取りに声高に理想を唱えたりと、常軌を逸するう危うい時々。
心配するご近所や友人達ら周囲に影ながら支えられ、妻の回復がため、すべてを
注いでいく。
端正にそして熱く造りあげたストレートプレイ。４時間も飽きることなくみるねこ。
時代と人間に真正面から向かった三好作品への敬意と共感を、きりっと居住まいを
正しつつ、既存に囚われることなく、伸びやかに舞台にのせ。飾らず、よけいなもの
は加えず、本と役者への信頼が全編に感じられ。夏にみた深津演出ともあい通じる
とこあり、東西俊英の浮標を堪能したわけですねこ。ただ、現代の持ちこみが場外の
視線だけじゃ、物足りないねこ。削ぎ落とした空間と照明にちょっとスパイシーな
味付けがあるとか。
役者。主役の画家を演じた、田中。激高しやすいなど感情のジェットコースター。
純粋も複雑な役所をすきま風吹くことなく、熱気を保って演じきり。もう花束を
あげたいですねこ。はかなげも芯を感じさせる、妻役藤谷。ほか、アンサンブルも
かっちりと世界を理解して演じて◎。次回作品が待たれるねこ。
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