メジャーリーグ制作 南 果歩 一人芝居「幻の光」
＠銀座・博品館劇場 (1996/9/5-16 14ステージ) 指定 前売当日5000
原作：宮本 輝 構成・演出：鴨下 伸一 音楽：宮川
彬良（あきら）
1996/9/14(土)小雨 7:00-8:40PM 前方より 客席７割(250人）
客層：高めで幅広く。おじさん、結構目に付いたり。
客入：特記なし。当日券：開演30分前というけど、１Ｆではその直前まで販売。
宮本輝の同名小説をそのままモノローグドラマとする試み。朗読との違いは、
役者が完全に小説を暗記、入ってる点。白石加代子さんの朗読シリーズも手が
ける、鴨下氏のありそでない野心的試み。去年、映画化もされた作品（未見）。
舞台。灰色の壁が背後。中央にひずんだ窓。いつも光をたたえるそこ。壁下方
から、波紋のように揺らぐ明かり。水際のよう。
音楽。ヒーリング音楽のよう。ソプラノサックス。アコギター。ピアノ。揺らぐ明かり
とあわせ、うっとり・うとうとねこ。
お話。訳もしれず、鉄道自殺した夫。子供と取り残された主人公。夫の死を考え
ることに疲れた彼女は、こころ残しながら再婚。兵庫から北陸の寒村へ。こころ
安んじる日々。でも、死んだ夫のことは頭から離れなく。不遇の子供時代、逝っ
た男との、そして今の生活を、亡夫に語りかけていく。
宮本輝の簡素でいて力強い言葉。そのすみずみまで光が当たり、再生するよう。
文章を言葉にすることって、とても魅力的といまさら思うねこ。
南果歩の生き生きした声が◎。とくに、がさつなおばさんの会話は生命力にあふ
れててグー。主人公のたくましさ、懸命さもそう。辛い記憶、境遇に裏打ちされ、
それはとても愛おしい。しみじみ、微笑みねこ。
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