＠吉祥寺 吉祥寺シアター（2007/6/4-24 24ステージ）
http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/index.html
全指定 前売4300円 当日4500円
作・演出 :本谷有希子
舞台監督 :宇野圭一+至福団 舞台美術 :中根聡子 照明 :中山仁 音響:秋山多恵子
衣裳：鈴木美和子 ヘアメイク:二宮美香 演出助手:福本朝子
宣伝美術：佐々木暁 イラスト：okama 宣伝写真：引地信彦
宣伝ヘアメイク : 奥野展子 制作：寺本真美（ヴィレッヂ）
助成：財団法人セゾン文化財団 企画・製作：劇団、本谷有希子
主催：劇団、本谷有希子、(財)武蔵野文化事業団
出演：
高橋一生 ：トシロー(遊園地オーナー 共依存体主人)
笠木 泉 ：縞子（遊園地従業員) *[オールツーステップスクール]
ノゾエ征爾 ：夏越（編集者) *[はえぎわ]
吉本菜穂子：琴音（共依存体同居人 夏越の妻)
松浦和香子：あみ（共依存体同居人） *[ベターボーヅ]
高山のえみ：小波（同上）
斉木菜奈 ：千景（同上）
すほうれいこ：詠子（作家）
2007/6/8(金)曇 7:35-9:26PM（1'50）後方中央 客席満員（200人）
客層：20-30歳代中心 スーツ客は少なめ 女性過半数。
客入れ：当日券あり、バルコニー席9×2満員。傾斜で見やすい客席、縦横に演出する
ので後方がいいかも。折り込みチラシ極厚、ゴム止め鉛筆付き。落とす人あり、袋が
ほしいところ。折り込みパンフA6 配役、スタッフ、挨拶、予定。次回公演 12月
「遍路（仮）」＠紀伊國屋ホール 物販。著作本、DVD パンフなし。
カーテンコール1回。
共依存をモチーフに、初演(01年)、今回予告からも物語を大変更しての再演。
舞台。いわれてみれば遊園地装置な、放射模様の円形舞台が上手下手。中央奥、
観覧車ゴンドラ1。主人公に大事な場所として即物的に一段高くあり。
お話。失踪した作家のいどころは開店休業の遊園地、そこで編集者達がみたのは
奇妙な共同体。オーナーに隷属する従業員は、女性達を彼の理想女性のクローンと
なるよう教育。強要される彼女たちは、恐れより喜びをもって盲従。やがて明らか
になるその訳、つらすぎる現実からの病的な逃避行。やがて、世知辛い現実が迫り
よかれと女性達は献身。しかし、それは皮肉にも男の理想を崩していく。「現実」
に逃げたくなるほど「非現実」は儚く、辛くなって…。
否応なく人の有様を描いて胸迫る。スタンダードな演出に好感もちと不満。筆圧が
強く、血がにじむよう、にキャラの人となりが立ち上がる。儚い空想に恋をして、
居場所を求め、存在を確かめずにおれない切実さ。幼く、愚かで病的な有様に呆れ
笑いつつ、骨がきしむよな痛みを感じるねこ。
ぽきん金太郎、そこかしに作家の姿がみえ。理想に猛進、現実のギャップに七転
八倒する姿をシニカルに描き。笑い泣きな巧みさに、作家の快感と生みの苦しみが
二重写しでみえるよう。大がかりな装置が別になくてもよさそな演出は、もう少し
なんとかと不満あり。言葉大事ということかしらん。
役者。高橋一生、美少年であることにまず説得力あり。笠木泉。声がファンタジッ
ク。吉本菜穂子。崩れても存在感しっかりとベテランの域。松浦和香子。もすこし
彼女の個性を生かしてほしかったねこ。
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