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 マームとジプシー「塩ふる世界。」

 @横浜 STスポット(2011/8/17-22 10ステージ)
 http://www.stspot.jp/index2.html
 全自由 前売2500円当日2700円

 作・演出:藤田貴大 舞台監督:森山香緒梨、加藤唯 照明:吉成陽子、山岡茉友子
 音響:角田里枝 宣伝美術:本橋若子 制作:林香菜
 主催:マームとジプシー 共催:NPO法人STスポット横浜
 助成:横浜市先駆的芸術活動助成事業
 出演
 吉田聡子 :はなこ(告白をする)
 青柳いづみ:ひなぎく(母を亡くす)
 伊野香織 :ゆり
 荻原綾  :すいれん
 高山玲子 :たんぽぽ
 緑川史絵[青年団]:ふき

 尾野島慎太朗:かえで

 2011/8/18(木)猛暑 3:02-4:22PM(1'20)前方中央 客席満員(55人)
 客層:20-30歳代中心、ときどき年配者。女性過半数。
 客入れ:整理券なし、45分前の受付順に整列入場。開場時で10人ほど。
 チラシ ビニール袋入りでほどほど。パンフ B6? 刺繍した布でカバーした装丁。
 凝ってます。長めの挨拶、方法論、配役、スタッフ、予定。次回公演10/14-24 新作
 「Kと真夜中のほちりで」@こまばアゴラ。物販なし、先行チケ販売?。
 カーテンコール1回。

 3部作の最後とか。北海道・伊達で上演された2部は、今回2回だけ上演あり。
 舞台。白い劇場。奥正面にベニアの長机。望遠鏡と、鞄や窓に見立てられる枠が床や
 壁におかれ。
 お話。島?の港町、6人1クラスでずっと一緒の女子達。ある夏の日、その一人の母親が
 海へ投身自殺、その子は町を離れることになる。当時、その死を知らず、その子は
 プールに飛び込んで遊び、ある子は先輩に好きだと告白していたり。1週間後、
 彼女達は引き籠もったその子を誘う、行き先は選ぶ余地もなく、件の海辺だ。

 追いつけない、でも切なさとやりきれなさを確かに残し、堪らないねこ。2作品しか
 みてないけど(アゴラと水天宮)、無茶振りなほどに進化してて驚き。一瞬の光芒かも
 しれないが、多田淳之介、柴幸男の最新作を引き離した、先端作品と思うねこ。

 手法は高速度での繰り返し。ダンス的なリズムとテンポにたびたび変調ら手を加え、
 物語の重層添えて展開。進行につれ、個々人物の心象を深掘りしたり、共鳴させたり。
 発話しながら体を歪ませたり、歩行ダッシュら身体ぶりで、俳優は高負荷を受け
 続けるけど、若さで走り抜く。逞しくも傷ましくて、健気で美しい役者達に花束を
 あげたいねこ。

 繰り返しと負荷の意味が言葉を越えて、感ぜられ。同じような日常にも理不尽なこと
 が常に起きる。死だけなく、生もまたしかり。答えのでないままに過ごし安住する、
 許される安心感への後ろめたさ、やりきれなさ。子供の視点と、圧をうける身体でより
 鋭敏に表現され。だけど今や、日常、理不尽さ、安心という事柄は、切実に見てる者
 の心に突き刺さり。言葉を越えて圧倒され、ガツンと衝撃をうけたねこ。

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