にんじんボーン「い・い・ひ・と」
＠下北沢 駅前劇場 (2000/4/25-30 8ステージ)
全自由前売り3500当日3800
作・演出：宮本勝行 照明：倉本泰史(A.P.S) 照明OP：田中雅子(A.P.S)
音響：青木タクヘイ(Stage Office) 音響OP：竹下亮(Stage Office)
舞台監督：高橋大輔（至福団） 舞台美術：高橋大輔（至福団）
宣伝美術：ＴＡＴＳＵＹＡ．Ｙ．co
出演： 初演 今回
1995/5/2-7 2000/4/25-30
9ステージ 8ステージ
前売2,500 前売3,500
ザ・スズナリ 駅前劇場 東京からきた新任の方 横井伸明 原寿彦
就職に落ち続けた女性 藤田仁美 川上麻里恵
自称「石野真子」似 自称「伊藤蘭」似
水道課から来た方 宇奈月慎太 蒲田哲
土木課から来た方 山口雅義 ←
人事課の方 宇奈月慎太（宮本勝行） 総務から来た方 村越保夫 ←
環境課から来た方 成田めぐみ
戸籍課から来た方 秋山恭子
福祉課から来た方 憩居かなみ
土木課の後輩の方 飯田茂
土木課の後輩の後輩の方 石塚義高
メガネ屋さん 唐木恵子（？。出番なし） 以下、配役の記憶なし
新井絵美
入江純
中田千登勢
大野昌之
石本弘美
2000/4/30(日)晴 2:05-4:00PM(1'55) 前方より 客席超満員(150?人）
客層：20-30才代中心に幅広く。女性過半数。
客入れ：宮本、河野さんで場内整理。やたら腰がひくく親切、でもやることは
やる適切。「暑くなるので上着を脱いで」「前で見たい人は今の内に移動願い」
「トイレ注意」「関係者席を解放するので、座りたい人は申し出て」など。
一旦、左右に詰めるも、前後詰めに切り替え。ベンチシート毎やや詰めて移動、
最前列に一列追加。千鳥に座らせる（なってなかったけど）、詰め気味だった処
にはゆったり座ってと謝りと誘導。追加座布団も希望者に配布。３分後に開演と
アナウンス、その通りにきっちり。受付にしろ、客入れにせよ、てきぱきしてて
気持ちいいねこ。折り込みパンフ。役者降板事件とかいろいろあったらしく、
今回も１枚物。残念だけどしょうがない。物販、不明。
1995初演作、再演。上記のように女優中心にキャスト一新（女優が定着しないの
はなぜかしら。）
舞台。素のベニヤ壁とか調度とかみな木造部屋。机６。花じゃなくなぜかカリフラ
ワーが飾られ。さらになぜか、上手ドアは西部劇酒場風の両開き。下手壁にハン
ガー、談志の高座やゴジラポスター、村上マリコ画のねこのへたうま絵。それと
「みんなの心得」掲示。一うがいの時は声をたてない、一朝シャンはやめよう、
一二回以上同じ靴を履かない、一役所で野菜などを売らない、一川でとったものを
むやみに食べない、一ひそひそ話しは不愉快。なんなんだな、内容。
お話。茨城県土浦。市役所に命の電話課がこのたび設営。選りすぎり？の職員は
電話対応に戦々恐々、及び腰。議論もいちいち空回り。おまけに責任転嫁、保身、
差別が日常的。東京からきたモチベーション高い新人は、憤懣やるかたなし。
果たして、そんな彼らは職務を全うすることができるのか。全編茨城弁でしゃべりっ
ぱなしの会話バトル劇。戸外ＳＥと移ろう照明で時間経過をさりげにみせてく、
一日の出来事。
すごいなあと改めて。困っちゃう酷い世界をどう描くか、で面白い宮本作品。
おとぼけ顔のスラップスティックな外観。思わず知らずな笑いで紛らすけど、
エゴまるだし、男尊女卑など差別横行の世界はきっちり。今、生きていく不条理を
まっさらな新人と対比させることで更にくっきり。一見緩ギャグ、ばかギャグと
油断させての毒気にふーむねこ。
細かいやりとりを積んで、ざっくり大鉈でとどめ刺す。仕掛けはシンプル、中身は
悩ましくシニカル。清掃中で職員はメガネなし。視力低下の野郎どもは、電話を
掛けた上訪問の悩める女性を励まし。それも、美少女のふれ込みに期待がため。
眼鏡復帰、期待はずれ容姿の女性を見たとたん、手のひらを（見えないように）
返し、心情豹変。それとなく女性追い出しの醜い画策開始。この辺のやりきれない
不合理、嫌らしい現実をべたに嫌みならず、さらっと見せちゃう。すごいなあ以下
同文。
とわいえの再演。お間抜け演技連続の前半にはちょっと飽き、山口さんの怒鳴り声
も疲れるし。対等に受けられる相手がいないから？。飛び入りのような宮本さんが
空気を入れ替えるけど、一瞬じゃ物足りないねこ。レギュラーの男優に比べて、
役者間でこなれ具合に差あり、惜しい。特に女優さんはがんばって（どこをどうと
具体的にいえないけど）ほしいねこ。
［月間一覧］ |