蜷川幸雄演出 「エレクトラ」
＠渋谷 シアターコクーン(2003/9/6-30 28ステージ)
http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/index.html#
全指定 前売りS席8500円 A席6500円 コクーンシート4000円 当日立ち見？円
作：ソフォクレス 翻訳：山形治江 演出：蜷川幸雄
美術：中越司 照明：原田保 衣裳：前田文子 音響：井上正弘
ヘアメイク：林 裕子 振付：花柳錦之輔 小道具：安津満美子、田淵英奈
演出助手：井上尊晶、大河内なおこ 舞台監督：白石英輔
制作：松井珠美ほか 企画・製作：Bunkamura 主催：フジテレビジョン、Bunkamura
出演：
大竹しのぶ ：エレクトラ
岡田准一 [Ｖ６(HP)] ：オレステス
波乃久里子 ：クリュタイムネストラ（姉弟の母）
山口紗弥加 ：クリュソテミス（エレクトラ妹、オレステス姉）
原 康義[文学座] ：アイギストス
塾 一久[文学座] ：守役
月川勇気 ：ピュラデス
市川夏江、花柳珠千鶴、スズキマリ、羽子田洋子、難波真奈美、太田馨子、川本絢子
、稲葉千立、栗田愛巳、松坂早苗、坪井理奈、妻鹿有花、春日井静奈、竹内瑞枝、
春花、横山まゆみ、山田愛：コロス
古澤直子：クリュタイムネストラの侍女
2003/9/22(月)晴 7:04-8:41PM(1'33) 2F上手より 客席超満員（810人）
客層：ほぼ全員女性、内８割20才代。2,3人のお友達連れ中心
客入れ：当日券は抽選制。列ばず済むのは○、でも運次第。通うのが大変と熱心な
ファンの声が聞こえてきたり。中二階、三階に立ち見。バルコニーな空きスペースに
補助椅子。２階脇の小さなバルコニーまで丸椅子置いて、ほんと目一杯印象。
入口でカメラチェックあり。カーテンコール4分。客席一部スタオベ。
折り込みパンフなし。物販。パンフ(A4 36ページ 1800円）ちょっと高め。ギリシャ
悲劇の早わかり解説、役者からの挨拶と紹介。おまけで白石加代子×蜷川幸雄対談
収録。
蜷川・ギリシャ悲劇最新。V6の岡田君出演で、客にとっちゃチケット取得が艱難辛苦
な悲劇状態（取れれば桃源郷）。
舞台。重々渋すぎな、鉛の牢獄。正面に高い開口扉があるだけ、巨大部屋。はやや
前傾して八百屋状態。そのまま勢いで客席前の階段を降りちゃうな。壁下に腰掛け用
の張り出し巡らされ、コロスが座して固定演技する便をはたし。客入れ時と終盤、
床中央に深紅の染み（血痕）な明かり。血で始まり血で終わる、血族の復讐劇を暗示
してるよで、ふーんねこ。
お話。アガメムノンの娘エレクトラ。父親を殺した母とその情夫を、弟・オレステス
と力を合わせて殺す。
「女優」演技炎上。まさに言動一体、入魂の大竹しのぶ。蜷川ピクチャーショーは
静的に展開、控えめにみせて、役者を引き立て。なんかの澱のようにも感じる、渋い
美術。色を無くして、終盤に彩り添え。赤い月、扉な壁開け、本火とか、動的展開を
演出。衣装はギリシャ彫刻に滑らかな、また造形感触あり。コロス演出に特徴。主人
公、民衆とお客の代弁者として、腰を落ち着け（文字通り）、情感を込めて、演技。
単なるユニゾンを越えた「演技」を感じさせて、ふーむねこ。翻訳は平易で活きてる
言葉を用い、さらっと話が早いな、言いまわしの良さが○。
大竹しのぶは、物語と舞台の全てを背負い。生き地獄でテンパッてなきゃ、やって
らんないヤンキー魂と、私だって女の子だもん、涙が出ちゃう…な暇もない最前線
兵士のガッツを見せつけ。さらに、弟・オレステスの姉、母、そして恋人として存在。
一つだけでもお腹一杯なのに、全部満たしてすごい大食漢ぶり。健闘ぶりを唖然
呆然としつつ、なんか泣けてきちゃうねこ。相手役・岡田君は台詞回しに不安あれど、
俊敏できれいな動きをして、さすが。
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