にんじんボーン+人形劇団ピッコロ PRESENTS「同行二人 どうぎょうににん」
＠阿佐ヶ谷 スタジオはるか（2003/10/20-26 9ステージ）
http://www5e.biglobe.ne.jp/~s-haruka/s/index.html
全指定 一般 前売当日共3000円 小中学生 前売当日共2000円(事務所のみ)
作：大西一郎[ネオゼネレイター・プロジェクト] 演出：宮本勝行
照明：倉本泰史[A.P.S] 音響：小笠原康雅[OFFICE my on]
舞台監督：高橋大輔+至福団 舞台美術：浅井裕子 演出助手：柴田智子
宣伝美術：TATSUYA 制作：成田めぐみ
出演：
宇奈月新太：まさ（植木職人）ほか
山口雅義 ：かつ（大工）ほか
瀧下涼[劇団S.W.A.T！]：しろ（お春ばあさんの飼い犬）ほか
安朱 優 ：お春ばあさん？ほか
おだちなつ：いろいろ
鈴木聖人 ：物知りの山羊先生ほか
金山美由紀：生け贄に選ばれたねずみほか
2003/10/26(日)晴 5:03-6:17PM(1'14) 最前列より 客席8割（35人）
客層：20-30才代中心に、いい感じに幅広く。男女半々。
客入れ：全指定席。パイプ椅子でなく背もたれが丸い固定式。クッション一枚の追加
あり。こまばアゴラ並に舞台至近。加えて、千鳥配置の雛壇(4列)・やや高めの舞台
と、見やすさこの上なし。チケットの座席番号を劇場入口で呼称、ホール入口で再び
確認して案内、と至極丁寧。大きな荷物の預かりあり。携帯電話の注意は、暗転転換
中に見ないようにとか、具体的に場合をあげてて○。
折り込みパンフ。A4 3ページ。写真付きにて役者、作演出紹介。スタッフ掲載。ほか
次回以降の公演、役者募集とか情報用あり。次回公演。1/22-2/1創立10周年記念公演
＠ザ・スズナリ 二本立て(二週に渡り、週変わりにて）とか。6/24-27 太宰治・
桜桃忌記念公演＠三鷹市芸術文化センター 村上マリコ書き下ろし。
物販。98年からの公演ビデオ販売 予約(2500円)。ＨＰ上でも受付を近日開始する
とか。
人形劇＋顔見せ演者芝居な企画。
舞台。淡い草原のような背景幕、連なる前の床は芝生色。舞台奥行きは最小限の２ｍ
ほどと客席にとっても身近。左右袖に３段の人形掛け。大小５０ほどの人形はみな
舞台に登場。
お話。後半ねたばれあり。職人２人。しっかり者の兄貴分まさと、時々浮世離れの
うっかり者のかつ。一杯ひっかけ、ご機嫌で歩いていると、お春ばあさんの飼い犬
しろが大わらわ。どうした聞けば、薬を切らした、急いで西に買いに行かねばと
いう。ともかく赤い門を抜けていけばいい？。気はよいが手を出すほどお人好し
じゃない大人な職人達。しかし隠れ銭ゲバのまさは一思案、助ければ沢山礼金が貰え
るかも…。よっしゃと、しろと同行２人と一匹。どんどん赤い門をくぐって、
幾星霜。とある村では、伝統風習から生け贄にされそうになったねずみを、しろは
若い正義感、手出しを渋る大人な職人達は隠れ銭ゲバ根性（礼金がねずみ通貨で憤怒
するけど）から助けたり。雨宿りの森で空を飛べる変な動物たちと出会い、乞食呼ば
わりしたら、空爆攻撃されたり。
そこで、選ばれた動物たちが船に乗って旅にでるという話を聞く。しろは白い山羊を
時々見かけ、導かれるように赤い門をくぐり続ける。職人達は妙に喉が渇くのを感じ
またしろがなぜ白でなく、焦げ茶なのか、訝りつ同行。やがて、海が見えるところに
たどり着く。船に乗る順番を待つ人の列にお春ばあさん。お春ばあさんについて行く
しろ。美しい夕暮れの中、別れた職人。まさは突然かつに別れを告げる。ここから
先はいけないと、最後の赤い門をくぐり、船に乗るまさ。
夕焼け、火事のイメージ。気がつくと長屋の皆の心配顔。大火事、かつを助け出した
後まさは、お春ばあさんを助けに火の中へ飛び込んだしろを追っていった。その時、
家が焼け落ち、それきりになったという。喉の渇きとしろが白でない夢中の訳は
それ。でも、かつは訳がわからない。まさの名を呼び、呆然と座り込むだけで…。
山口、宮本（宇奈月）のゴールデンコンビが楽しすぎ。人形＋生役者で相乗効果。
単純楽しいずれた会話など、笑いの中も毒と風刺を欠かさず。１人勝手な正義を振り
かざす（どこかの大統領のようなな台詞も）。金は金、乞食はどうしても乞食と、
現実を見据え予定調和を嫌う大人な作劇は変わらず。旅行きの物語はその真相ととも
に胸を打ち、感涙ねこ。物言わぬ人形の表情が多くを物語る不思議。観る者それぞれ
の人生の喜怒哀楽がそこに映し込まれるためかしら。30人の共鳴する気持ちが感じら
れるよな、切なくも幸福な場と空間にいて、しみじみと浸るねこ。
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