庭劇団ペニノ「Mrs・P・P・Overeem（ミセス・ピー・ピー・オーフレイム）」
＠中野ウエストエンドスタジオ（2003/10/31-11/3 7ステージ）
http://www.studio-life.com/westend/
11/1m 終演後対談 タニノクロウ×ウニタモミイチ氏（演劇エッセイスト）
全自由 前売2300円 当日2500円
脚本・演出：タニノクロウ
舞台監督：鈴木仁美 舞台美術：掛樋亮太 照明：今西理恵 音響：小野美樹
映像：玉置潤一郎 チラシ画：谷野九郎 宣伝美術：渡辺太郎 企画：野平久志
製作：puzz works
出演：
安藤玉恵[ポツドール]
2003/11/3(月)曇|雨 6:09-7:09PM(60) 後方中央BOXより 客席超満員(80?人)
客層：20才代中心。男女半々。過半数はお友達関係？。
客入れ：整理券配布なし。開場時で20人弱。一人ずつ奥詰めで客席まで案内。荷物
預かりはなし、傘は各自傘立てへおき。ベンチ席（桟敷？）15×2列、後方BOX席8〜10
×3段。BOX席はパイプ椅子の両側を頭高さの壁で仕切ったもの。乗り出しても、隣は
見えない半密室状態（狭いけど、前方が開いているので気にならず。隣を気にせずに
寝て待ってられるのが○。）後から来る客のために、上手入口よりにパイプ椅子席を
増設。千秋楽の今回は立ち見もでる盛況。折り込みパンフ。A4 3ページ。各章の
副題について。スタッフ掲載。次回公演。8/7-17＠住所不明（渋谷区内の隙間・
仮説トイレあり） にてゲリラ公演。野平久志ほか出演。
タニノクロウ氏久々の書き下ろしとか。作品設定にちなんで、客席をＢＯＸ状とし、
覗き見気分を醸す趣向。
舞台。卵形ホールのカットモデル然。煉瓦壁の一面、床は砂を敷き詰め、真ん中に
歯車やらがらくたの山。どこか儀式めいて、供物置き場にもみえ。終盤、丸ごと上方
に揚げられ、隠されていた生ドジョウ？が泳ぐプールが現れ。扉が等配に三方。
上にＬ，Ｃ，Ｒと位置を示す掲示と、流れる電光掲示板があり。ホールの管理者？
からのメッセージが流れ。間の柱にメカっぽく歯車とかが付属、中央に湾曲しながら
昇り。
お話。いつのまにかホールに閉じこめられた女性一人。時々、ブザーやメカ音がする
ほかは無音。パニックもやがて疲れ果てて、ぐったり。言葉を発すると、電光掲示が
応答することを発見。鼻濁音やら破裂音やら、そのまま文字にしていくホール
(「CHUM」）。電光掲示に「GOOD EAT」と表示され、壁内からパンと水がおかれた
トレイがでてくる。しかし、水だけは手をつけない女性（「GOOD EAT」）。
食べても食べなくてもやってくるのが、生理的欲求。トイレがない、床の砂にする
しかないか、の瀬戸際。ＰＰ（トイレ）したいと訴え、ボタン発見。ホールから扉を
選択しろと指示される（ＣＧ映像。歯車が女性用トイレマークに変化したり）。
用を足した後は、手を洗えとしつこく指示（砂で洗う）。腹痛からか、嗚咽すると、
その音がそのまま電光掲示される。ホールは女性が水を飲まないことを心配し始める。
女性に笛が与えられる（「バースディケーキ」）。音がでない、その理由と吹き方を
電光掲示で教えるホール。ケーキを吹き消す要領？。なぜかある天蓋をかぶって、
虚無僧が尺八を吹くの態。音がでる、曲の音階を電光掲示していくホール。次は
私が吹くと、結構やる気になっているホール。
偶然、壁の一部もろく崩れることを発見する（「きれいな水とさかりがついた女」）
脱出も、別の扉からもとの部屋に戻ってしまう。水を飲んで腹痛を起こす。うじゅる
ーと悶絶していると（だっけ）中央が揚がり、プールが現れる。（「決められたこと
をやる」）電光掲示に「整理万全」「塚田製鉄所」と表示。女性は「整理万全」と
浮き彫りされた看板を背負い、傘を杖にして、よろよろと回り始める。ホールは
キィーと奇声を放つ（電光掲示する）。おしまい（客出し音楽は、Someone to Watch
over Me 誰かが君に恋してる ですか、へーん。）
童夢な発想。賢い子供が考えそうな。無自覚な悪意の怖さ、拙いおかしみのまぜこぜ
感にふーんねこ。行方不明さに緊迫のホラーな設定。お客を引き込んで飽きさせない
趣向、展開はなかなか。監禁されている女性が和んで、ホールと遊び始めたり、妙な
笑いもぽつぽつ。ラストは、日常（看板とか）をねじこんで、煙に巻き。曲者ぶりに
やってることより、作り手の捻りたい訳に興味が引かれるねこ。ゴシック風に造り
込んだ美術はムーディ、仕掛けの奇天烈さを含めて○。
［月間一覧］
|