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ＮＯＤＡ・ＭＡＰ 第12回公演「ロープ」
＠渋谷 Bunkamuraシアターコクーン(2006/12/5-2007/1/31 65ステージ）
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/index.html
全指定 S席9500円 A席7500円 コクーンシート5500円
作・演出：野田秀樹 美術：堀尾幸男 照明：小川幾雄 衣裳：ひびのこづえ
選曲・効果：高都幸男 ヘアメイク：河村陽子 舞台監督：瀬崎将孝
オイルペインティング（ポスター）：金子國義 プロデューサー：北村明子
提携：Bunkamura 企画・製作：NODA･MAP
出演：
宮沢りえ ：タマシイ
藤原竜也 ：ヘラクレス・ノブナガ
橋本じゅん：カメレオン ＊劇団☆新感線
宇梶剛士 ：グレイト今川 ＊damim
松村 武 ：サラマンドラ ＊２カムカムミニキーナ
渡辺えり子：ＪＨＮＤＤＴ ＊１宇宙堂
三宅弘城 ：ＡＤ ＊NYLON100℃/大人計画
野田秀樹 ：Ｄ
中村まこと ：入国管理局ボラ ＊猫のホテル
明星真由美 ：明美姫
明樂哲典 ：レスラー北
ＡＫＩＲＡ ：レスラー南
梅原晶太＊１、岡慶悟、奥山隆＊１、亀岡孝洋＊２、小島啓寿＊２、沢井正棋、
芹澤セリコ、多賀健祐＊１、高木珠里[宝船]、竹岡英征、野笹由紀子＊１、
萩原誠人、長谷部洋子＊２、細川洋平[水性音楽]、村上寿子[水性音楽]
2006/12/17(日)曇 2:03-3:59PM(1'54) 1F中段下手 客席超満員(800？人)
客層：大人よりに老若男女幅広く。女性過半数。
客入れ：当日券は電話予約。立ち見席満員。座席は通常配置。客入れ音楽はオサリ
バン。観劇後、題材と時代の符合に得心。折り込みチラシそれなり。折り込みパンフ
A4 1枚に配役スタッフ。物販。パンフ(A4 28ページ 1000円)勘三郎×野田秀樹
対談収録。08年暮れのNODA･MAPに勘三郎出演？、09年「鼠小僧」再演は南座顔見世？
（再来年1月で歌舞伎座がなくなるため） ポスター大小 700/500円。
カーテンコール4回2分。
舞台。アングラ劇のセットみたいにプレハブ感漂い。下手半分に斜めったプロレス
リング。客席前中央に幕がついた小箱。上手袖に錆ついた鉄骨タワー、脇にはリング
方向をむいたカメラ。その奧にいかにもセットなトタン壁の小屋。転じて、下手
リング前にとんがり屋根のくすんだボックス小屋。
お話。リング脇小屋に引きこもりのレスラー。プロレスの暴力の真偽について、
思い悩む純情青年に仲間は困惑。新規団体を発掘せんとテレビクルーは盗撮企むも
そこら実体を知って嫌気がさしている。リング下にはミライから来たと語る女が
住み着いている。彼女は、力を見極めよとの父の遺言を胸に、やがてプロレスの
実況を始める。「（リングの中の）暴力は悪くない」、これに青年がのり、テレビ
クルーが煽り立てることになるが…。
遊びの時間はもうお終い。ガツンとくるストロングテイストの力作に心ふるえる
ねこ。歴史に隠された声なき声、なかったことにできない惨禍を、戦時下の今に
呼び起こす、近年の野田秀樹作品の系譜。シンプルに物語ながら、力という能力を
巡って、多重性の深みをもった脚本がすごい。
「ロープ」の持つ境界、抑止(プロレスでは反意)の意味合いが、理性と狂気の境と
なり、暴走する後半が圧巻。史実に基づいたカタルシス、逆説的な浮き足だった
その「実況」には語る言葉を失うねこ。薄氷を踏むような今の平和の危うさが思わ
れて、ぞくり。青春の純情という愚かしさ、集団の怖さなど、以前よりのモチーフ
に加え、罪作りに扇情的なＴＶや、得体の知れぬ黒幕(本能?)のありさまも加え、
より深厚。
ホントは観衆に愛されたい悪役レスラー（宇梶）、猛獣と小動物な愛すべき
夫婦役（えり子・野田）など、シリアスも物語を沈ませない、味なキャラ立ても
忘れず。そいと、深津さん、今回は宮沢さん演技は野田演劇・永遠の女性像なのね
と、あらためて思うねこ。
・東急本店前のブルーツリー
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