＠渋谷 シアターコクーン(2007/5/8-31 28ステージ)
http://www.bunkamura.co.jp/shokai/cocoon/index.html
全指定 S席9000円 A席7500円 コクーンシート5000円
＠大阪 イオン化粧品 シアターBRAVA! 6/5-10 8ステージ
作：井上ひさし 演出：蜷川幸雄 音楽：宇崎竜童
美術：中越司 照明：原田保 衣裳：前田文子 音響：井上正弘
ファイトコリオグラファー：國井正廣 振付：花柳錦之輔 音楽助手：池上知嘉子
演出助手：井上尊晶、石丸さち子、大河内なおこ、大場雅子、藤田俊太郎
舞台監督：濱野貴彦 宣伝写真：永野勝
宣伝美術：東學 プロデューサー：栗田哲、加藤真規 制作：松井珠美、山下誠治
企画・製作：ホリプロ
出演：
古田新太 ：杉の市 後の二代目藪原検校 [劇団☆新感線]
田中裕子 ：師匠の女房・お市
壤晴彦 ：語り手役・盲太夫
段田安則 ：魚売り七兵衛、男(お志保の情夫)、とっかえべい屋、塙保己市、
江戸座頭・安房あわの市、首斬役人ほか
梅沢昌代 ：魚売り七兵衛の女房・お志保、日本橋の橋番ほか
六平直政 ：仙台座頭・熊の市、佐久間検校、水戸東照宮の宮侍、日本橋下の魚売り、
凶状持ちの倉吉ほか
山本龍二 ：塩釜座頭・琴の市、馬具屋、刀研ぎ師・善兵衛、江戸座頭・伊豆の市、
初代藪原検校ほか [青年座]
松田洋治 ：佐久間検校の結解、魚市場の仲買人、若い座頭、江戸座頭・甲斐の市、
定廻同心・浅野某、将軍補佐役・松平定信ほか
神保共子 ：相対死しんじゅうの片われ女、強請られる寡婦ほか [文学座]
景山仁美 ：魚河岸の売り子、強請られる寡婦の娘ほか
ギター演奏：赤崎郁洋
2007/5/13(日)晴 2:05-5:10PM(1'29/休15/1'18) 2F前方下手 客席ゆる満員(800人)
客層：20代と中年層の女性6，7割。お友達連れ多し。
客入れ：当日券詳細不明。立ち見は20人/40？人入り。織り込みチラシそれなり。
物販。パンフ A4 40ページ 1500円。おまけ藤原竜也×蜷川対談。 耳かき800円
手ぬぐい500円 半そでTシャツ2000円。 カーテンコール4回3分。古田さんの投げ
キスとボケ引っ込みサービス。
猥雑でエネルギッシュな、30歳代井上ひさし戯曲を、世界のニナガワが上演。
舞台。雨ざらしな戸板に囲まれた空間。天井近く、垂れ下がる紅白ひもと曲がった
梁。壁の中程に神棚。床面の壁際に鍋釜ら生活調度。芝居装置な松の木が中央に
おかれ。歌の歌詞を左右の字幕に投影して親切。
お話。田沼意次による政治が行われた18世紀半ば。東北の寒村出身の座頭は、出世
には金がすべてと、殺人ら悪行を重ね成り上がる。しかし、最高位の検校となる直前
に悪事が露見し、報いを受ける。厳しい階級社会の中、やむにやまれずな哀れさを
裏打ちにして描く、ピカレスク一代記。
陰惨になるほど明るく軽快になっていく。湿った哀しさなく、バカ哀しさ愉快さが
前面のポップ演出。怨念がにじむよな、酷い物語と言葉が連綿も、台詞運びと歌は
シンプルで小気味いい。ドス黒いものを抱えながら、軽やかに振る舞うという まあ
歌舞伎浄瑠璃以来の伝統芸、逆説演出。悲劇をまんまやられても辛く、過剰な位の
こんくらいが楽しくみれて○と思うねこ。障害メタファな綱の多様、闇と生(赤光)を
浮かばせる照明が、簡潔も効果的。ギター生演奏が多彩に伴走、語り部が丁寧に補足
して常駐して、親切。
役者。だれが主役をやってもいいよな、芸達者、くせ者ぞろい。最近、美味しいとこ
どりばかり印象の古田新太はさすがに全力投球？、かと思いきや自由度高い化け物
ぶり。台本13ページの早物語を一気にきかせた後は、くだけて愛嬌、高じてすごみの
二面性。悪いのに臆病、盲人社会全体を憂慮など人間味もみせ、臭みを感じさせる
演技でして○。全然異なる役柄を演じ分けて職人芸の段田さん。逆に持ちキャラが
変わらない、六平さん。ともに楽しませてくれ。期待の田中裕子さん。大きな芝居を
するタイプじゃなさそで、二階席だともひとつ精彩が欠いた印象。1F前方でみたかっ
たねこ。
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