[前頁] [ホーム] [一覧] [次頁]

 蜷川幸雄演出「雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた」

 @渋谷 シアターコクーン(2009/5/6-30 28ステージ)
 http://www.bunkamura.co.jp/cocoon/index.html
 全指定 S席10000円 A席8500円 B席7000円 コクーンシート5500円

 作:清水邦夫 演出:蜷川幸雄 美術:中越司 照明:室伏生大 音楽:門司肇
 振付:広崎うらん 音響:井上正弘 衣裳:小峰リリー ヘアメイク:鎌田直樹
 演出補:井上尊晶 舞台監督:濱野貴彦 主催・企画・製作:Bunkamura
 出演:
 三田和代 :風吹景子(石楠花歌劇団 元娘役トップ)
 鳳蘭   :弥生俊 (石楠花歌劇団 伝説の男役トップ)
 真琴つばさ:弥生理恵(弥生俊の妹)

 古谷一行 :新村久 (歌劇団の熱狂的ファンバラ戦士の会<梶[ダー)
 中川安奈 :加納夏子(新村の義妹、振付家)
 石井愃一 :畑米八 (バラ戦士の会)
 磯部勉  :坪田英次郎(バラ戦士の会)
 山本龍二 :六角始 (バラ戦士の会)
 横田栄司 :北村英一(バラ戦士の会)
 ウエンツ瑛士:北村次郎(英一の弟)

 毬谷友子 :直江津沙織(石楠花少女歌劇団OG)
 衣通真由美:花丘和美 (石楠花少女歌劇団OG)
 市川夏江 :渚京子  (石楠花少女歌劇団OG)
 井上夏葉 :城崎すみ江(石楠花少女歌劇団OG)

 赤司まり子、石井ゆき、今井あずさ、江幡洋子、太田馨子、柏木ナオミ、
 加藤弓美子、吉祥美玲恵、佐藤薫、高間智子、玉井碧、土屋美穂子、
 戸谷友、仲田幸代、鳴海由子、難波真奈美、羽子田洋子、ひがし由貴、
 別府康子、蓬莱照子、松乃薫、山口詩史、山口夏穂、山本順子:石楠花少女歌劇団OG

 2009/5/6(祝水)雨 6:59-9:59PM(1'15/休20/1'13)1F中段下手 客席満員(740人)
 客層:ほぼ全員女性、20-30歳代と中年層。ウエンツ君とコアなヅカファン?。
 客入れ:当日立見は1,2人だけ。パンフなし。物販。パンフ A4 50ページ 1800
 円。資料ともまんべんなく。ポスター1000円。 カーテンコール4回6分。総立ち。
 ウエンツ君のお茶目仕草に歓声。

 1982年日生劇場初演。宝塚出身の女優がメインを演じたとか。
 舞台。昭和な百貨店。夏模様のショーウィンドーの向こうには、地下からの吹き
 抜けロビー。大階段の両脇にショーケース。上がって二股に別れ、バルコニーな
 上階。レースのカーテンが風にそよぎ。

 お話。20年以上前、空襲がため消失した歌劇団を復活せんと、往事のファン達が
 広告掲載。娘役スターと男役スターも無事結集。いまはおばさんの歌劇団員とおじ
 さんファン達の夢と現実が、「ロミジュリ」復活上演の稽古の中描かれていく。

 冷徹な現実と尽きせぬ夢の交錯、劇的な二重奏にほえーねこ。中央にヅカな電飾
 大階段、しかしそれはコンクリートの古百貨店。往年のカリスマスターな俊は、
 きらびやかにしかし郷愁をぬぐえず。「彼」に愛憎を抱きつつ妹理恵(実は娘)は
 クール顔。それぞれの二面性が現実と夢を映し、重なっていく。

 それは、三田和代演じる娘役トップに極まり。紙一重の狂気がスリリングで目が
 放せない。明晰な演技と発声は、見事に綱渡りの有り様を現し。緊迫の女性達に、
 おじさんたちは惚けた、やさしい有り様で場を和らげ。女子の清涼剤・ウエンツ君
 は屈託した心理の役柄を、あえて自然体で演じ。変身ぶりには客席女子狂喜乱舞、
 中年客を引かせる一幕もあり。

 笑いをまぶしつつ、ラストにはガツンとくる、問題意識ある叫びが用意され。忌野
 清志郎「デイ・ドリーム・ビリーバー」を胸に落ちるものとして、うーみねこ。

[月間一覧