燐光群「神々の国の首都」
＠下北沢ザ・スズナリ
作・演出：坂手洋二
1993/9/18(土)7:00-9:15 晴れ 開演５分前でほぼ満員
わからない国への憧憬。スピリチュアル・ハ−ン。を、確かな演技、演出で。
矢継ぎ早新作の燐光群。今回は、いわゆる実験色をひかえたお芝居。
お話し。明治初期。怪談「むじな」などで知られるラフカディオ・ハ−ン。
彼と、日本の「美」「神」との出会い。後に妻となるセツをめぐる周囲（日本）
との確執。捨ててきた女達への悔恨。新聞社の同僚、憧憬の人エリザベスとの交信
６０年後の息子。そして、セツ（＝くしなだひめ）の救済。真夏、出雲の永遠の時
かつてあったといわれる日本の美、心。因習、信義。それらを捨ててきた１００年
代わりに得たテクノロジ−と無為の生活。今の私たちのなんと軽やかなことか。
美術品、歌舞伎などで、江戸、明治に触れるとき、ハ−ンになるわたし達。
隔絶した時代。わからないけど、憧憬の世界がそこにある。
後半。清廉な文学者ハ−ンとは別の顔が。このお芝居でいちばん面白く観れた部分
神の海を渡り、お話しにも書いた種々の人、自分の作品と出会う。時空を越えて。
静かに、劇的に、美しく、透明。そして恐くて凄味がある。堪能。
ただ、冒頭はマスゲ−ムみたいでちょっとね。前半も、長くてちと退屈・・。
仕事帰りだったこともあって、休んで（寝て）しまった。
前３列ベンチ、あとは背持たれ付き椅子の客席。ほどよい満員さ加減。公演数も
多い。燐光群を観たこと無いひとも、この機会に。
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