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 燐光群「甘い生活」

 @下北沢 ザ・スズナリ (1996/11/22-12/1 14ステージ)
 前売り指定3000 自由2800(当日+300) 
 作・演出:坂手洋二
 出演:川中健次郎、中山マリ、下総源太郎、加地龍也、美香 他全18名

 1996/11/24(日)曇り 2:00-3:45pm 前方より 客席9割(100人)
 客層:とりどり。年齢層高め。客入れ:(自由席は最前と最後列。)
  
 舞台。やや前傾した板敷き舞台。張り出しもつけて奥行き一杯。天井から5本の
 鎖の柱。地下室な設定。床板外して芝居あり。首出したりして、ちと奇妙。
 
 お話。カルト教団の修行によって言葉を失った少女と、彼女の更生を試みる元・
 信者。毒ガス犯人の汚名を着せられた男の家族と、植物人間となった妻。少女と
 男の妻の不思議な交流、社会との関わりを軸に、言葉と人のありようを描く。

 ねこ曲解テーマ印象。言葉によって、人は「私」であるという孤独を知る。しかし、
 それは生来そうしたもの。あるがまま受け入れよう。言葉を知ることは辛い、
 けど素敵。なくした人も記憶も、言葉は暖かな感触をもって、永遠のものにして
 くれるから。辛い時代に希望を歌った、60〜70年代の曲みたいね。歌詞も
 丁寧だった。劇中のカーペンターズ(top of the world)聞いてて、つらつら思った
 ねこ。

 いろいろあっても、雑味はない印象。透明感あるというか。役者がそこにいる
 ことを、実感させてくれる演出が○。言葉の反面として?、音を印象的に取り
 扱う。床下の音、飛ぶハチ、低音の響きなど。とりわけハチでの不安と緊迫感
 は○。

 役者。言葉を無くした少女役:美香さんが痛々しくも愛らしい。死者な男役な
 加地さんが妙にすっとぼけた味わいあり、○。