流山児★事務所'98スペシャル「ピカレスク黙阿弥」
＠下北沢・本多劇場 (1998/6/3-14 14ステージ)全指定前売5000 当日5300
原作：河竹新七＋河竹黙阿弥「籠釣瓶花街酔醒 かごつるべさとのえいざめ」
脚本：山元清多 演出：流山児祥
出演：榎木孝明、大路恵美、塩野谷正幸、北村壽子、若杉宏二、海津義孝、山中聡
水内清光、井沢希旨子、青木砂織、小林あや、木内
尚、横須賀智美、稲 増文
栗原 茂、上田和弘、中谷政雄、関根靖晃、朴永彦、清川
寛、悪源太義平
1998/6/7(日)くもり 2:05-3:50PM 後方より 客席８割(300人)
客層：老若男女。中年層客多し。榎本ファンかしら。
客入れ：特記なし。流山寺らしく、きちんと。
能書。明治21年初演、初代左団次のために三世河竹新七が書き下ろした作品が元。
もともとの大作の一部が今に残ってるそう。歌舞伎ではたまに上演、吉右衛門、幸
四郎といったところが佐野を演じてたりしてる。流山児、悪漢シリーズ第三弾。
舞台。黒塗りの稽古場。上手下手にバルコニー。正面に大きな鏡。
お話。「籠釣瓶・・」の上演を控え稽古の劇団、稽古場。団長（榎本）が納得でき
る、肝心の主役・傾城八つ橋が決まらない。それを長年共に演じてきた沖津（北村
）が心よいわけもなく、稽古場はぎすぎす。そんな折り、ストリッパー上がりの新
人女優（大路）が。一目で気に入った団長はあっさりと抜擢。公私混同、芝居の主
人公さながらに彼女にはまってゆくのだった。
劇中劇とリアルない交ぜなエンゲキのお楽しみ。芝居の稽古中にふと現実会話、現
実会話が劇のそれだったり。展開に無理がない原作を巧みに生かしてて○。黙阿弥
の七五調が生臭い三角関係にさらり感。殺陣は迫力、佐野の一刀両断の凄みがポイ
ント。和太鼓もいれた音楽もまた殺陣に合う感じ。ミュージカルみたいなシーンの
色彩感は違和感。サービスなんだろうけど、モノクロなイメージのが好み。刈り込
まれた小気味よい展開。なれど、主人公が女とのすれ違いの果てに切れる訳がもひ
とつぴんとこず。後半とか、過程をもっと描いてほしかったねこ。
役者。榎本さん。どことなく不器用な感じが主人公と重なって○。大路さん。健闘
もひとつ押し出しが弱いとこは△。
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