燐光群「ロウチ氏の死と復活」
＠梅ヶ丘BOX(1998/7/18-26 12ステージ) 全自由前売り2200当日2500
作：トマス・キルロイ（新水社「現代アイルランド演劇３」より 訳：清水重夫）
構成・演出：坂手洋二 美術：加藤ちか 出演：川中健次郎（ロウチ）
千田ひろし（シャーマス）下総源太郎（ケリー）岸田修治（マイルズ）
山田勝紀（医学生・ドク）丸岡祥宏（ケヴィン）
1998/7/26(日)くもり/雨 7:05-8:15PM 前方より 客席満員(50?人)
客席。とりどり、20才代中心に中年層まで。男女は半々かな。
周辺。狭い会場を考慮、荷物預かりや客席誘導をてきぱきとする制作○。
シリーズ次回は8/28-31、同会場で太宰のカチカチ山などを取り上げ（パンフ）
入れ込む役者の気迫。恐いほど眼前な小空間の使い方○。
燐光群、初の本格的自主公演（パンフ）。50人ほどで一杯のアトリエ会場で。
舞台。物置然とした小部屋。煤けたソファ、テーブル替わりの木箱、オルガン、
ブロンズ像、壁沿いに山積の本、レコードプレイヤー。上手に煉瓦積みの
階段と寝床。
２年ぶりの旧友との再会。鬱憤晴らしか酒の勢いか、騒ぎまくりご満悦な一同。
とそこに若い学生ケヴィンを連れた、ロウチが訪ねてくる。主ケリーの招待を
うけたという彼。その折り目正しい物言いがなんか気に入らない周囲。ホモ
セクシャルの噂の嫌悪感も手伝い、閉所恐怖症というロウチを軟禁の乱暴三昧。
とあろうことかロウチは発作をおこし、死んでしまう。スキャンダルを恐れたケリー。
行き倒れを装うため、死体を街に置き去りにすることを提案するが。
役者テンション高、気迫ありまくり。狭い空間で暴力なほどの力強さ○。1Fはレン
タルビデオ屋だけど、あんな扉叩いたり、大声で騒いだりしてお客、不審がるんじ
ゃ、とよけいな心配ねこ。目が◎、その時々の表情をしっかり写す。そんな役者の
役つくりと見て取れる空間が嬉しいねこ。原作から抜き出したという本は、すっき
り構成されてて○。
登場人物の不安定な境遇は？なれど、孤独と焦燥は伝わるもの大。貧困な下層
出身家族との暮らしな保守生活にあこがれど、それも不満な宙ぶらりん。いき
場所のない彼らが、酒の勢いで切れる姿は哀しくて○。冗談か作り話のように、
ロウチが生き返った後はその感一層ねこ。役者じゃ、下総さん○。強気でいて
臆病な危うさを好演。
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