reset-N ver11.0 「黎明」
＠下北沢 ザ・スズナリ (2000/3/1-5 7ステージ)
全自由 前売2,500円 当日2,800円
作・演出：夏井孝裕 舞台監督：小野八着[Jet Stream] 照明：高山隆夫[Bright]
音響：夏井孝裕、吉村明子 衣装：パニャ椿 演出助手：恐田尚幸
制作：萩原敦子 製作：タービン
出演
町田カナ ：リツコ （タテイシとかつて関係あり）
鶴牧万里[TBプラネット]：カワモト（タテイシの友人。小説家志望）
山本尚明 ：タテイシ（リアリティを求め彷徨または停滞。傍目ダメ男）
久保田芳之 ：サワダ （マンガ雑誌編集、アソウの担当）
高木珠里 ：アソウ（マンガ家。ファン（レター）に心傷をうけている）
矢下瞳子 ：Ｙ （タテイシとかつて関係あり）
野俣幸恵[青島レコード] ：カンダ （アソウに片思いファン）
2000/3/4(土)雨 3:00-4:35PM(1'35) 前方より 客席８割(100人)
客層：20-30才代中心。男女半々。単色のクールな服装の人が多し。
客入れ：開場時の客入れ不明。外に傘立あり、札と引き替えに預かり。荷物預かり
の声掛かりなし（頼めばOK？）。場内誘導は随時、詰めはなし。折り込みパンフ。
真摯なあいさつ、キャスト、スタッフ、予定掲載の最小限。物販不明。
舞台。暗闇に浮かぶ硬質感ある島舞台。周囲には少女マンガ雑誌のページが
散乱。上手に黒いシンプルな机、スタンド。上手、シュロの鉢植え。出入り口は
上手奥の開口。
お話。前夫タテイシに呼び出されたリツコと、前夫友人のカワモト。カワモトは
彼女に片思い。呼び出しをちょっと利用、前倒しにリツコに来てもらったと、
怖い告白。不可解顔のリツコに、優柔不断から抜け、やっと書き始めた小説を
一方的に読ませる。気を遣い、恋も思わず告白するが、すべて唐突。リツコは
とまどい、彼の正気を疑う。
そのころ、マンガ家アソウは、編集サワダに不振顔。ＳＭ行為を臭わせたファン
レターをわざわざ見せ、おまけに独善的なファンと逢うよう言い出したから。
無視ヤロー６５人の仲間入りだ、こいつら。どうして、そんな気持ちにさせたと
実は片思いしてる編集に詰め寄るアソウ。
そのころタテイシ。件の独善的な女性ファンにナイフで襲われ中。彼女はＳＭ
ファンレターは、タテイシが出したことを編集室で見聞きしたからだ。そこに、
編集サワダ。代わりに刺され？てしまう（けど大丈夫）。編集に顛末を一方的に
話して聞かせるタテイシ。実際は人違い、ＳＭな行為を続けていた女Ｙがマンガ
家を騙っていたわけ。それはそうと、自分のリアリティ、現実感のなさを語り
聞かせるタテイシ。理解されなくとも編集に騙ることはリアル、記録したいと。
編集とまどい、とりあわず。マンガ家の話を始めると、無視されたとタテイシ逆上。
リツコは、カワモトを理解できない。それでも互いの孤独に共感したか、包容を
受け入れ。そこにタテイシ。そういうことかと悟り顔、にリツコは否定と非難。
婉曲にしか話さないタテイシに憤るリツコ。ストレートな言葉ほしいのだ、なに
より。タテイシ、リツコを後ろ手にして首輪、包容。かつてＳＭな関係に結びつき
を求めたときのように。その頃、編集は女性ファンにマンガ家からの一言を
聞かせ。死んでしまえと。慟哭するファンに死ぬな、おれに馬乗りになれ、と
陽気に這い蹲る編集。
逢いたくないような、こまった人達。傍目に苦笑しちゃうほど、イカレた。彼らの
関係不全な関係を静謐繊細な演技、スタイリッシュな演出で綴っていく。
冴え冴えと醸す空気感の中、細かな仕草や有り様で、どん詰まりの痛々しさを
伺わせて◎。場面転換がクール。薄明かりの中、オーバーラップするように、
役者が往来。明かりと音楽のフェイドインとファイドアウトがシンクロするスタイル。
横主体の照明は、そこにある人をくっきりと浮かばせ。リアリティ不全な人をも
そうするのは、ちとシニカル。
その場のブルー系明かりに、暖色な一条あり。リツコのまどろみ、男女の抱擁
場面。同様のラスト、希望な暖色が不条理に思えたねこ。不審と拒絶に終始し
た関係が、まだ納得できた、それまでからすると唐突の融和。ＳＭな行為の
要求と供与のわかりやすさは伺いしられ。けど、この人達が和するとは？。
釈然としないねこ。それともどん詰まりの男女がみた夢かしら。うーん。
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