ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー（ＲＳＣ） 「マクベス」
＠新大久保 東京グローブ座 (2000/3/24-4/8 18ステージ)
全指定 前売当日共 S席9,500円 A席8,000円 B席6,000円 ペア席6,000円
スタッフ、配役：下記参照。
2000/4/1(土)晴れ 2:05-4:10PM(2'05) 1F中段中央より 客席満員(680人)
客層：洋の東西問わず、老若男女。中年以上多し、チケット代高いしね。
客入れ：前売り全日完売。当日券。Ｓ後方20、Ａ２Ｆ袖側20他ばらばらと20〜30？
席。Ｓ席で連番は難しい感じ。発売開演１時間前。その２時間前にはもう列が
できていたそう（ソワレは1.5時間前で列なし）。ねこは開演20分前に劇場到着、
丁度でたＳ席キャンセル購入（S,Aは売り切れ、Ｂがあったか不明）。ラッキー。
余り券のさばきの人も複数いたので、１人ならなんとかなるかも。
折り込みパンフなし。物販。パンフ（日本版Ａ４500円、英語版Ａ４ハーフ400円）
イヤホンガイド（500+補償金1､000円）。休憩なし、上演中の入退場はできないの
で注意！の掲示あり（暗闇を演出するので、緊急以外不可のはず）。
英国の老舗劇団。スター俳優アントニー･シャーを配した舞台に前売り完売。
舞台。会場全体とも黒々素舞台。両袖前方に鋼製の簡素な中二階と階段。
天井に繭のような暗雲。射す灯りは雲間の月光な趣。
お話。スコットランド。武将マクベスは魔女と夫人にそそのかされ、王ダンカン
と幕僚ヴァンクォーを殺害。王位を手中とするが王の遺児によって、討ち果た
されちゃう。気のよいおじさん・マクベスがどんどん追いつめられ、破滅する
有り様をジェットコースター展開でみせてく快作。
剛速球の快感、端正なかっちょよさ、闇の魔力な魅力。虚飾を廃し、役者のスト
レートな演技を引き立てる、シンプルな演出◎。例えば、晩餐にヴァンクォーの
亡霊登場、マクベス物狂いの場。ありげな「亡霊」は登場させず、椅子は無人。
見えないものが見えるマクベスの狂乱を通して、恐怖を見せてばっちり。
「バーナムの森」は、愚直に木の枝をもった戦士達がフォーメイション。べたな
れど返って新鮮、シンプル故の力強さあり。「人生は歩く影法師」は、巨大な
人影を闇の中投影、弱気に萎縮するマクベスに重ね見せ。わかりやすく巧みな
効果なり。座布団三枚あげたいねこ。
と、役者と言葉を信じ物語り、闇を演出して言葉にできない心理を伺わせ描く。
お客にとっては体感演劇。いく場かの真闇を初め、舞台は周到に暗さに覆われ。
登場人物の恐れや猜疑心を頭でなく、生理で訴えかけてく。鳴り物（パーカッシ
ョンの音）地鳴り音がさりげに相乗効果。精神を病んだ人みたい魔女、壁に
浮かぶ顔が記す狂気もまたそう。マクベスの崩壊した日常の狂気世界、なんか
得体しれず怖いですよ状態。
横、斜の照明は役者を浮かばせ、あくまで人のみからなる世界を強調。怪異も
人のわざ（心理、意識）であるということかしら。ラスト、平和を告げる戦場の
端端に立ち見つめ合う、亡霊ヴァンクォーと遺児フリーアンス。先日のじてキン
演出同様、復讐の連鎖を予感させ、人の悲しい業にうーん。
役者。強力で切れる役者ぞろい。口跡がよいのがまず気持ちいい。居丈夫な
立ち姿はかっちょよく、マッチョ満足な存在感。グローブ座の舞台が狭く感じる
ほど。マクベス役・シャー。のほほんおじさんが暴走する次第を丹念な演技で。
お客を引き込む台詞回し、見開いた目がこわ凄い。夫人役、ウォルター。
待つだけの追い詰められた女として演じて、なるほろ。殺人を動機する不条理
に裏打ち。
演出 ：グレゴリー･ドーラン Gregory Doran
美術 ：スティーヴン･ブリムソン･ルイス Stephen Brimson Lewis
照明デザイナー：ティム･ミッチェル Tim Mithell、秋山寿之ほか
作曲･音楽監督 ：エイドリアン･リー Adrian Lee
振り付け ：ショーン.ウイリアムズ Sian Williams
殺陣 ：テリー･キング Terry King、村井昌広
音響 ：ジョン･A･レオナード John A Leonard
演出助手 ：ジョナサン･マンビー Jonathan Munday ヴォイス･ワーク company Voice Work：アンドリュー･ウェイド Andrew Wade、
ニール･スワイン Neil Swain チャーミアン･ホアー Charmian Hoare
プロダクション･マネージャー ：ピーター･グリフイン Peter Griffin
コスチューム･スーパーバイザー：ステファニー･オーディッティStephanie Arditti
衣装：阿部朱美ほか
舞台監督 ：マーティン･サージャント Martyn Sergent、高橋司
副舞台監督 ：ハリー･ティール Harry Teale
舞台監督アシスタント：フィオナ･H･モット Fiona Mott、渡辺裕ほか
通訳 ：マヤ・リン・ペリー、中原薫ほか 和太鼓、パーカッション、オートハープ：ジョージ･ヒロタ Joji Hirota
和太鼓、パーカッション、キーボード、ハープ、バンスリ：エイドリアン･リーAdrian Lee 出演：
魔女 The Weird Sisters
：ダイアン･ベック Didne Beck、ノーマ･ドゥメズウェニ Noma Dumezweni、
ポリー･ケンプ Poliy Kemp マクベス Macbeth ：アントニー･シャー Antony Sher
マクベス夫人 Lady Macbeth ：ハリエット･ウォルター Harriet WaIter ダンカン Duncan ：ジョセフ･オコナー Joseph O'Conor
マルカム(ダンカンの息子) Malcolm ：ジョン･ダガル Jobn Dougall
ドナルペイン(同上)Donalbain ：ロバート･ホワイトロックRobert Whitelock
パンクォー Banquo ：ケン･ボーンズ Ken Bones
フリーアンス(パンクォーの息子) Fleance：ギャレス･ウィリアムズGareth Williams
マクダフ Macduff ：ナイジェル･クック Nigel Cooke
マクダフ夫人 Lady Macduff ：ダイアン･ベック Diane Beck
マクダフの息子 Young Macduff ：グレアム･フリン Graeme Flynn ロス Ross ：ポール･ウェブスター Paul Webster
レノックス Lennox ：ガイ･ムーア Guy Moore
アンガス Angus ：リチャード･アーミテイジ Richard Armitage
メンティス Menteth ：ジョン･キロラン John Killoran
将校 Bloody Captain ：ジョン･キロラン John Killoran
門番 Porter ：スティーヴン･ヌーナン Stephen Noonan マクベスの従者 Macbcth's Servant ：グレン･チャップマン Glenn Chapman
老人 Old Man ：トレヴァー･マーティン Trevor Martin
兵士たち Soldiers ：スティーヴン･ヌーナン Stephen Noonan
ジェフ･アレタサンダー Jeff Alexander
医師 Doctor ：トレヴァー･マーティン Trevor Martin
侍女 Gentlewoman ：ポリー･ケンプ Polly Kemp
シートン Seyton ：スティーヴン･ヌーナン Stephen Noonan
小シーワード Young Seyward ：ロバートホワイトロックRobert Whitelock
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