燐光群 「パウダー・ケグ THE POWDER KEG」
＠下北沢 ザ・スズナリ(2000/4/6-19 18ステージ)
指定前売3,200円 当日3,500円 ペア券6,000円（劇団予約のみ）
大学・専門学校生3,000円 高校生以下2,500円（劇団予約のみ・要学生証提示）
作：デヤン・ドゥコフスキ 訳：常田景子 演出：坂手洋二
美術：加藤ちか 照明：竹林功[龍前正夫舞台照明研究所]
音響：島猛[ステージオフィス] 舞台監督：吉木均 演出助手：川畑秀樹
文芸助手：久保志乃ぶ チラシイラスト：山田賢一 宣伝意匠：高崎勝也
企画協力：（有）アムアーツ、奥山緑 制作：古元道広
出演：
藤井びん、鴨川てんし、中山マリ、川中健次郎、猪熊恒和、千田ひろし、
大西孝洋、下総源太朗、尾形可耶子、丸岡祥宏、高野旺子、江口敦子、
樋尾麻衣子、宇賀神範子、内海常葉、向井孝成、柿澤宏子、永田恵子
2000/4/8(土)晴れ 2:05-3:55PM(1'50) 最後尾より 客席９割(90人)
客層：渋い、老若男女。男性、それも中年以降客の割合多し。小学生連れも。
客入れ：当日券。背もたれ本席あれど、前が狭い（はずな）ので最後尾自由席を
希望（足伸ばせて、まったり）。指定満席時は自動的にベンチ自由（最前、
最後尾の２列）となる模様。今回は目線上方芝居中心、後方席のが○と
思うねこ。荷物預かりは受付脇であり、前述のように狭いので、荷物預け要。
折り込みパンフ。作家紹介、演出ノート、細かい配役、予定掲載。
物販。今回戯曲はなし、ほか先行戯曲販売。
マケドニアの気鋭作家、1993年作品（1994ベオグラード初演）。映画版（ねこ
未見）は、ヴェネチア映画祭で審査員賞受賞とか。
舞台。人がすっぽりの樽型樽が縦横、張り出し舞台に目一杯。その数、手前５０
総数100はあろうかという、樽屋敷状態。
お話。個人の小競り合いな暴力が確執に衝動から連鎖してく。救いがない展開に
浮かぶ、人間の滑稽さが笑いを生みもする、これもコメディ。酒場、駅、往来、
電車、バス、日常に噴出するハードバイオレンスをオムニバスで描く。配役とか
下記。
キッと切れる、虚飾を廃した端正さ。ハイテンションに否応なく進行する強引さ
もまた小気味よい。幕間音楽のクールな響き○。と、能天気に喜んでる、ねこ。
対岸火事な日本でも起きてるだろう日常的暴力と荒廃をドライに提示。感傷を
控え、愚かさを控えずにさらけ出してリアル。殺人に理由はない、単純な衝動だけ
、なれば戦争はとめるすべなし？、と連想させるシニカルな内容。また、人の弱さ
、哀しさを裏打ちしての味わいもあり。「終バス」の若者とか、やるせなくもなるねこ。
演出。役者は樽から出入りしたり、よろよろ上を歩いたり。隠れても頭隠さずな
危うさ、ちょこざいな愚かさ提示。生死の緊張場面に愚かで猥雑な笑いを織りま
ぜ、非道さ一層。
役者。藤井さん、妙に愛嬌。鴨下さん。胡散臭さもはまり。２人ともレギュラーと
違う味わいが○。
場面と配役 （同キャラを複数で演じることあり）
１「健康と幸福」
アンジェレ（大西） ：警官に暴行を受けた青年。
デミトリー（藤井）：半殺しの目にあった警官。
バーテン（向井） この後のシーンにたびたびワンショット登場。
・酒場で２人。やってらえれない暴行でめためた。笑っちゃう仇通し。
２「ある出来事」
アンジェレ（川中） ：サンディー（アレクサンドラ）に憤慨している男。
スヴェト（猪熊） ：アンジェレの連れ
ブラゴヤ（中山）：アレクサンドラの母親
アレクサンドラ（宇賀神）：若い娘
・愛車がめためた、まじ切れしてる男。発端？の女を殺らずにはすまない様子。
３「法則」
シモン（鴨川） ：軍役中、女を寝取られた男。
スヴェト（藤井） ：シモンの親友、なんだろうけど。
・親友通し、じつはさと打ち明け話し。笑っちゃいられない裏切りばかり。
４「偶然の法則」
シモン（鴨川） ：NO.3と同じ。なにやら追われている。
アナ（高野） ：シモンと同じ電車座席に乗り合わせた女。
アンドレア（千田）：アナらの対面で寝ている男。
警官（猪熊）
駅の人々（柿澤、向井、内海、永田）
・電車にかけ込む酔っぱらい逃亡者。「黙って盗る」が信条、大人しい内と女に迫るが。
５「法則」
シモン（大西） ：NO.3とダブルキャラで同芝居。
スヴェト（下総） ：同上
・NO.3と同じテキスト。キャラと殺人手段を変えてリプレイ。
６「終バス」
アンドレア（大西）：かけ込んで来た青年。無視されたこと？でとち狂う。
スヴェトレ（樋尾） ：バス乗客。１人。
老婆（中山、高野）：同上。
男（ジョルジ、千田） ：同上
女（スヴェトレ、江口）：同上。男の恋人。
運転手（下総）
・バス待ち。女性への問いかけを無視されたと男、逆切れ。強盗に早変わりするが
７「沈め沈め夕陽よ沈め」
スヴェトレ（江口）：NO.6と同人物。
ジョルジ（千田） ：同上
ジューレ（川中）：ジョルジをやりたいのか、絡む男。
ゲラ（丸岡） ：ジューレの相棒。
夜の人々（尾形、高野、樋尾、向井、内海、宇賀神、柿澤、永田）
・逃げてきた６の恋人。愚連隊に囲まれ、男は歌を強制され、女蹂躙。しかし。
８「バルカン・ブルース」
トプク（猪熊）：囚人。喧嘩ぱやい。
ボリス（藤井） ：囚人。トプクの下僕。
看守（内海）
ゲラ（丸岡）：囚人。NO.7と同人物。
・監獄で小山の大将なトプク。新入りに教育、が彼の罪状を聞いたとたんに。
９「世界の果てまで」
ボリス（藤井） ：NO.8と同人物。
キリル（下総） ：ボリスとともに逃走している男。
・逃げてきた２人。川岸隠れ家。ボリスはトプクの幻をみて。
10「眺めのいい部屋」
キリル（下総） ：NO.9と同人物。
マネ（鴨川） ：シモン？。キリルの相棒。
ジミー（大西）：２人が逗留しているホテルのボーイ。
・遺産をつかんで、アメリカに来た２人。挫折感とホームシック。
11「わらの月」
エウドキア（中山）：若い女性。
マネ（鴨川） ：NO.10と同人物。エウドキアと依りを戻したい。
コスター（向井）：エウドキアの今の恋人。
・別れた恋人（女房？）と再会した男。女を責め、よりをもどしてと懇願するが。
12「火薬樽あるいは有機化学」
アンジェレ（大西） ：NO.1と同人物。
デミトリー（藤井）：NO.1と同人物。
・年輩のおやじが若者に教えた言葉とは。
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