ラッパ屋 第29回公演「ヒゲとボイン」
＠新宿・THEATER/TOPS (2000/6/7-7/2 33ステージ) ＠大阪7/8-9
追加公演6/25S,28M,7/2S
全指定 前売り3,800円 当日4,000円（ベンチ3,800?円）
作・演出：鈴木聡 舞台美術：キヤマ晃二 照明：佐藤公穂 音響：島猛
大道具：夢工房 衣装：早川泰子 舞台監督：村岡晋 演出助手：則岡正昭
宣伝実術：芹沢ケージ、冨宇加淳 制作：山家かおり ほか
出演：
福本伸一：朝倉拓也（コーヒー店店主。旅館で保養中。人生とか語りたい人）
桂憲一 ：綿引吾郎（山岡物産（だっけ）勤務のサラリーマン）＊[花組芝居]
おかやまはじめ（岡山はじめ改め）：茂森卓造（綿引の上司。昼行灯）
木村靖司：山岡洋輔 （社長の息子。放蕩がすぎて勘当、やっと帰国。）
三鴨絵里子（渡辺絵里子改め）：三木麗子（社長秘書、知的美人、ボイン。）
岩橋道子：川嶋瞳（銀座・クラブ銀馬車ホステス。社長に出入り禁止中）
俵木藤汰：亀淵剛 （山岡…重役。やぼてんおじさん）
熊川隆一：猫柳純 （同上。エロおじさん）
義若泰祐：横山勝 （かばやま。同上）
岩本淳 ：万丈日優作（燕…社員。おばか）
弘中麻紀：庄司秀子（料亭旅館・海之屋仲居）
字納佑 ：燕晃 （燕…、切れ者の若き重役）
大草理乙子：前田君子（海之屋女将。洋輔の母親。山岡…社長の愛人）
武藤直樹 ：中井喜八（海之屋仲居）
2000/6/25(日)小雨 6:10-8:05pm(1'55) 前方より 客席超満員(160?人)
客層：やや年齢層高めの老若男女。20才代女性と30才代？男性多し。
客入れ：追加公演。開演直前に当日券。受付が通常と違い階段側（掲示あり）。
狭くて混雑しないのかな。ありますよーと微笑みながらお姉さん。最前列のおまけ
ベンチ（４人がけ）に空きあり。でも窮屈。キャンセル席？ありと、声をかけてくれて
親切。日テレの収録あり(9/27深夜）、一部座席撤去。
折り込みパンフ。新聞体裁。鈴木聡の「あすか」執筆中大阪レポート。なんか
やたら太ったような。ほか、役者達の近況とか。
物販。３年ぶりの増補改訂「ラッパ屋図鑑2000」（Ｂ５版1,000円）。136頁に
データ、こぼれ話満載のお買い得。ファンは買いましょう。その他、戯曲など。
鈴木聡・朝ドラ「あすか」執筆で待たされること、１年半。ラッパ屋大復活公演。
台本遅延、稽古不足？で初日、二日目がプレビュー（値引き返金公演）と残念な
滑り出し、なるも、とにもかくにも再開が喜ばしいねこ。
舞台。お家芸な日本家屋。東京の奥座敷だかにある料亭旅館二階。１階から吹き
抜けた処に手すり。上手に地階への階段一部、そのまま奥で正面簾がある小部屋
に繋がる廊下がみえ。その小部屋は正面左右。飾り屋根に赤提灯を連ねて、
まるで屋形船の気分を演出。手前は板敷きのフロア。風呂上がりにどうだいと、
低い籐椅子とソファ。手前上手に泊まり部屋引き戸、今時黒電話。下手に「厠」な
手洗いは水道でなく、吊された陶製瓶から水を流して、まあ昭和の時代。
お話。トランプやら扱う、山岡物産。今日は社長の米寿記念の集まり。気を回す
重役達。回しても空回りの万年課長、となぜか彼を信奉する若手社員。式次第
滞り無くと思いきや社長の天敵のホステスが。追い出しかけて、大騒動。おまけに
放蕩癖でアメリカに追い出されてた息子帰国の噂。重役連中、気が気じゃない。
でも、本当の騒動はそんなものじゃなくて…。
サラリーマンは気楽な稼業…、と天国に一番近くて、地獄と隣り合わせな会社人間
の悲喜こもごも。ヒゲとボイン＝会社と私、義理と人情、で男と女。だばだーと
酔っては揺れる大人のドラマチック、あれこれ。金と欲、恋と憧れとかも、ともすれ
ばそろばんづくのサラリーマン。駆け引きにいまいち乗れない、乗っても裏切られ
る悲哀を笑いに転化する、ラッパ屋らしい舞台。前半、すちゃだらにテンション
あげまくり。後半、裏道で一杯と心の内をしみじみと。でラスト。現実はきびしー
ときて、どんでん返しにポンと飛躍、飛翔。あこがれを形にするバカ爆発ぶりが
いつもながら爽快ねこ。
活気ある全体は、高度成長期の映画みたい。おじさんにはどこか懐かしげなとこも
社長登場でいつもラテン音楽テーマがかかるとか、おまけにピンクの照明とか、
芝居がかりが楽しい。ＣＦコピーのような、かっちょいい台詞も健在。鼻につくと
いえばそうだけど、役者芝居でいい感じに板につき○。ラッパ屋の見本市のような
キャラ、展開はファンには嬉しい反面、物足りなさも。次回作以降、捻りとか絡み
とか、もう一押し願いたいねこ。
役者。岩橋道子さん。コケティッシュでございます。メロメロになるおやじねこ。
木村さん、おかやま さん。お約束のキャラをきっちり。三鴨さん。堅めの人物が
墜ちてゆく〜な、いつもと趣違うキャラで。重役おじさん三人。いいバランスの
当て書きキャラで○。桂さん。シャイな好青年。はみんなさせたいキャラなのかしら
好演も突出することはないのが不満。
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