reset-N ver14.0「Visions of Tokyo」
＠三軒茶屋 シアタートラム(2002/1/5-7 5ステージ)
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/
全自由 前売り2700円 当日3000円
作･演出:夏井孝裕 照明：高山隆夫[Bright] 舞台美術：齋田創[突貫屋Co-Arts]
舞台監督：小野八着[Jet Stream] 音響：尾林真理 制作：秋本独人
製作：reset-N
出演：
鶴牧万里：ヤザキ（侵入者）
山本尚明：ニカイドウ（そこでコンサートを予定してたオケ団員）
久保田芳之：クラモト（謎の人。フジタの上司？）
佐藤拓之[双数姉妹]：フジタ（後始末をしている人。）
2002/1/6(日)晴れ 2:07-3:18PM(1'15) 前方より 客席７割(110人)
客層：20才代前半中心。女性過半数。
客入れ：整理券なし。張り出し舞台のため、最前列2列撤去。最後尾3列は閉鎖。
場内誘導とくになし。折り込みパンフ。B5 4ページ。あいさつ、配役、スタッフ、
予定掲載。次回公演。2/26-3/3黎明＠アゴラ。6月新作「DUST」＠中野ポケット。
物販。黎明サントラ(700円)、戯曲本。
男女すれ違い作品なイメージのreset-Ｎ、男だけ芝居な異色の今回。
舞台。コンクリート打ちっ放し壁、黒い床、天井高さ15?m、凸型の奥背面壁中央に
赤い搬出入扉、天井高さまで。のトラム空間を素で使用。舞台中央前方にピット状の
窪地。一歩に白い土嚢がこんもりと積まれ。奥に譜面台６。ピット上空に裸電球が
等間隔で３×３。出入り口は凸の両翼、客席側に下り階段設置。舞台上両端にＤＪ、
音響ブース。
お話。都下地下イベントホール。いるはずのない男に管理人、驚愕。不法侵入そして
土嚢で隠されたそれに無為に近寄ってることに。早くを出ないと死ぬ、と言い捨てて
管理人逃げるように退出。もう一人、怪我を負い閉じこめられた男、コンサート予定
の楽団員あり。隠蔽の秘密を守るためと、管理人指示者にやられたのだ。気が弱く、
自己嫌悪に苛まれている管理人に舌先三寸、逃亡しようとするも泥沼化。楽団員は
殺されてしまう。
隠しているものはプルトニウム。おそらく管理人、実は研究者が実験炉で違法に製造
したもの。仕掛けられた事故、処理という名のもとの隠匿作業。研究者自身も騙され
ていたのだ。謀略の指示者を無力化。逃走を促す研究者に、不法侵入者は告げる、
ここに残る、死に場所を探しにきたと。研究者逃走。いわゆる名所じゃなく、美しい
場所で一人静かに死にたかった。臨界反応の操作、青い光がケースから発し、後は
暗闇。
関係性不全、孤独のありようの場を拡張して、らしくてらしくないな。社会と通わ
ない男女ら個々人を描いた先行作。未成熟で通わない孤独な組織、原子力産業を
モチーフ、を重ね合わせる今回。内の合意、外の認知を欠き、自己責任の意識なく、
事故のたび増す被害者意識。そうならない努力をしたヨーロッパのギルドと異なり、
国家から解体されてしまった自業自得。そんな組織の姿を一担当者である研究者の
苦悩と甘えから浮かばせてく。だめな組織に、だめな個人・侵入者を併せ置き。
死に向かうことを止められない。どうしようもない現実を感傷や怒りを越して描く
クールな視点にしびれるねこ。
空間演出の冴え変わらず。無機質な劇場、クールな音楽とアコースティック、横、
真上からのスポット照明。どれもそこにある人を印象つけ、効果。細やかな人物描写
にざっくりした設定と展開もそう？。謎めきに助走し、後半ドライブする加速感は
健在。四つどもえ、かと思いきやさほでなく、かといってガチンコもさらり。役者
役柄の絡みにはちょっと欲求不満ねこ。
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