＠下北沢 ザ･スズナリ(2004/7/15-8/4 18ステージ)
http://www.honda-geki.com/suzunari.html
全自由 前売3000円 当日3300円 ペア券5400円 大学･専門学校生2700円
高校生以下2000円 『私たちの戦争』『だるまさんがころんだ』通し券5500円
＠伊丹 AI・HALL 8/13-15 3ステージ
＠名古屋 天白文化小劇場 8/19 1ステージ
(1)「LOST IN THE WAR」
「落書き反戦裁判」公判・インターネット資料より
「アブグレイブ刑務所での『虐待』」インターネット資料等
ブルキッチ加奈子「個人に対する警察による弾圧について」より
台本・演出：坂手洋二
(2)「戦場イラクからのメール」
渡辺修孝「戦場イラクからのメール」より（安田純平著「囚われのイラク」から
も引用） 台本・演出：坂手洋二
(3)「Blindness〔盲目〕」
作：マリオ・フラッティ 訳：立木アキ子 演出：坂手洋二
作：マリオ・フラッティ＋渡辺修孝＋坂手洋二 訳：立木アキ子
構成・演出：坂手洋二 照明：竹林功[龍前正夫舞台照明研究所]
音響：島猛[ステージオフィス] 音響操作：鈴木三枝子[ステージオフィス]
舞台監督：海老澤栄 美術：じょん万次郎 衣裳：大野典子
演出助手：鈴木章友、吉田智久 宣伝意匠：高崎勝也 制作：古元道広、國光千世
平成16年度文化庁芸術団体重点支援事業
出演：
中山マリ ：鑑定人、中年女、女
川中健次郎：老人、家の主、地主４、ラムズフェルド、アルベル、ドライバー、
老人（地主）、年輩の覆面
猪熊恒和 ：課長、男、佐藤一佐、デモ参加者D、男、男Ａ、覆面の男
下総源太朗：尋問要員、ブライアン
大西孝洋 ：検事、wattan（渡辺修孝）
鴨川てんし：幹部、隣人、アンダーソン
Kameron Steele：ジム、夫
Ivana Catanese：女
江口敦子 ：Ｇ、スージー
宮島千栄 ：社員、キャシー
内海常葉 ：Ｍ、カシーム、失業者E、地主5、日本政府高官、デモ参加者E、通訳、男D
向井孝成 ：Ｋ、失業者Ａ、地主1、デモ参加者Ａ、若い覆面
瀧口修央 ：Ｔ、自衛隊員、安田純平
工藤清美 ：女刑務官
裴優宇 ：警官、刑事2、巡礼者2、地主2、デモ参加者Ｂ、若者、男Ｆ、別な覆面の男
久保島隆 ：軍曹、若い係員、巡礼者3、失業者C、地主3，デモ参加者C、ムハンメッド、
対向車の運転手、男C,E
小金井篤 ：警官、刑事1、巡礼者1、失業者D、店長、デモ参加者F、男B、運転の男
亀ヶ谷美也子：子供、少年A、書き込みB
塚田菜津子 ：子供、少年B、書き込みA
2004/7/31(土)晴 1:05-2:55PM(1'50) 中段より 客席9割（110人)
客層：男性7割、ほとんどおじさんの大人客席。
客入れ：開場開演20分前。全指定席。大きく張り出した八百屋舞台。正面雛壇に
パイプ椅子8列。舞台脇にベンチ2列ずつ。前後が狭いので、大きくな荷物は預けた方
が○。車椅子の方1名、上手通路に場所をもうけて観劇。小劇場クラスできちんと
対応しているのは評価されるべき。折り込みパンフ束、3mmとやや厚。
折り込みパンフ。B5 3ページ。2ページに渡り、作演出、今回体験記が上演される
渡辺修孝氏らの寄稿。配役、予定掲載。次回公演。海外作家作品 10/1〜梅ヶ丘BOX
(坂手洋二演出）11月森下スタジオ（吉田智久演出）。冬「屋根裏」 日米ツアー。
物販。戯曲本など。
今まさに行われている戦争の告発劇・２本立ての新作方。
舞台。大きく張り出した八百屋舞台な道。とても奥行きが深く感じられ。持ち込み式の
装置もほとんどなし、役者が映える素舞台仕様。
構成。（１）アメリカのイラク侵攻後に起きた、国内の反戦活動への弾圧事件
（反戦落書きへ理不尽な懲役刑。戦争抗議行動への警察の圧力、誹謗中傷）。
（２）渡辺修孝のイラクリポート（拘束事件の事実。アブグレイブ刑務所で行われ
た非道、そして復讐の連鎖）。（３）米作家マリオ・フラッティの短編、イラク
帰還兵の悲劇と家族。三つの物語を主に、イラク侵攻戦争の諸相を描くオムニバス。
「戦時下」日本と世界の「反戦」を取り巻く現実を克明に描く。交錯する物語の
多岐に渡る情報と関連性を整理、明晰に構成。日本の反戦落書きや昼休みの反戦
活動、イラクの個々人の誇り高さと反米の声、米兵の家族の喪失、と異なる立場の
国民の視点を配してて◎。
体力ある役者の端正な演技、沈ませないスムースな進行で、終始漂う緊迫感も心地
よく感じられ。おかしみや毒気もほどよく配して、リアリズムに凝り固まらず、
エンタメ精神忘れず。上等の仕上がりは近年の充実を思えば、さもあり。
骨抜きにされ、感動物語に墜ちた、見る価値もないTV新聞報道。国民のための国家
、国民を守るための法律なのに、そうは思えなくなってくる昨今の様相。なんだか
なあと時々、陰々滅々ねこ。今舞台の考えずには居られない告発の意志、反骨の
気構え、気高い精神に触れ、ちと心晴れ、勇気づけられもしたねこ。
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