双数姉妹「OCTAGON」
＠渋谷・青山円形劇場(1998/2/17-22 6ステージ） 全指定前売り3200当日3500
作・演出・舞台美術：小池竹見 出演：no.0（井上貴子、小林至、大倉マヤ、間瀬
とも子） no.1（ 阿部宗孝、柏原直人、桑原裕子、伊藤由維子）no.2（明星真由美
、小野啓明 、今林久弥）no.3（佐藤拓之、五味祐司、吉冨光宏） NO.は挿話。
1998/2/22(日)晴れ 6:05-8:00pm ロビーを背に下手より 客席９割(300人)
客層：20才代中心にあれこれ幅広く。客入れ：誘導はいつもどおり。上手楽屋側の
客席は役者の背中を見ること多そう。完全円形は難しいとわいえ、気の毒な。
前回、3BALKAN BOYSの捻った演出の短編を繋げる手法、により磨きをかけ、再び。
舞台。完全円形。一段高い円台に高さ２ｍの八角形金網。楽屋側に門。中。床にす
っぽん４。脚立、イントレ各１、パイプ椅子４。すべて真っ黒。
お話。はなむけと葬らいの桜の季節。こことあちらの生き地獄で闘う、僕と君、私
とあんた、僕と僕。
冒頭。男１（佐藤）に、何度もノコギリで背後から袈裟懸けに切られる男２（五味）
金網沿いに逃げまどうが、出口無し。
no.0 家族の食卓、親の姿なし。兄弟４
、いがみ合い。窓から見る景色一変に驚く
姉（井上）。彼女には恋人だった・男１とのなんか忘れられない思い出の桜がない
のだ。切った犯人不明。と謎の女・シルビア（明星）がそれは私でーすと登場。
no.1相手の恋人通し、なんか交換することになっちゃってるカップル。婚約してる
二人の元、女の元恋人が訪ね来る。門外漢な友達だったの子（桑原）への秘めた思
いも絡み。好きと好きの本音まるだし、泥沼万歳な地獄展開に。ブスな女はちとか
わいめな女友達を道連れ、投身自殺を。
no.2謎の女、シルビアはいつもストーカーされてる気持ち。スポーツクラブの男ど
もには精神レイプされてる気持ち。やがて、亡くした恋人（啓明）の影がいつもつ
きまとう。男は下卑た口調で女に話しかけるが、振り返られない拒絶できない女。
クラブのコーチ（今林）はそんな彼女を救おうと。コーチには見える男の姿。男通
しの承諾、女とは晴れて。取り残されの亡くなってる男は再起を願うが。
no.3常に背を向け合ってる二人は互いをしらない、つうか忘れてる。あれこれ思い
だし、コントとか。そこに第三の男、なんか違うなあんたはっ、とつんぼさじき。
男２の元になんか取調官（今林）。暴行殺人常習犯、とんでもないやつなお前。
でも死んでここにくる前、女の子２人の命救ったよな。覚えていない男２。
no.1下敷きの五味さんがぐしょぐしょに潰れてくれたお陰で、助かった私たち。
no.0枝を払いに桜の木（な縄ばしご）にのこぎりをくわえ登る、男１。散りしきる
桜花の基、眠る男２に、ユーミン「春よこい」の優しきアカペラコーラス。
優しくて、とても残酷な物語を、なんかソフィスケイトされた双数メソッドで。ア
カペラが予想以上の出来でほよよ。アンプリファイもありの妙技故？。ついうっと
りしちゃうねこ。照明（倉本泰史）もまたうっとりな美しさ。ラストの桜散るシー
ンの透明感◎。ビジュアルと音系がシンプルな中、とてもいいものありな今回。
地獄絵図をべたに展開しない。すげえ刺々しく痛々しい具体的なコミュニケーショ
ンなれど、笑いとメタファー、上記音などの構成、演出で捻ってて◎。料理上手。
階段駆け上がりのストップモーションつうかシンボル演出。セクハラ男の彫像演出
スケートで逃げるシルビアの危うい疾走感。とかも○。謎が残るの○。男２（白と
赤の衣装だったりする）、男１と桜、その生と死を連想させるメタファーな関係と
か。もろもろ含め、次の演劇ステップの一つか、とも感じるねこ。
今回も要は五味さん。冒頭の断末魔の連続とか、なさけなげなNO.3とか、いい味だ
して○。啓明さん。嫌らしくも淋しい男を正統に。桑原さん。気安げで伸びやかな
感じ○。歌が前に出てなくて残念。明星さん、間瀬さん、歌声さらに○。
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