シアターコクーン オフィシャルサプライヤーシリーズ Vol.186
「ワーニャ伯父さん 〜蓄音機と９人の登場人物による九重奏」
＠渋谷・シアターコクーン (1998/5/15-31 20ステージ）
全席指定 S-6500 A-5000 コクーンシート-3500
原作：アントン・チェーホフ 台本脚色：岩松了 演出：ルドルフ・ジョーウォ
出演：笹野高史（セレブリャコーフ）、毬谷友子（エレーナ）、広岡由里子（ソー
ニャ）、寺田路恵（マリア）、冨岡弘（ワーニャ）、立川三貴（アーストロフ）
大森博（テレーギン）、井出みな子（マリーナ）、内田紳一郎（使用人）
1998/5/15(金)晴れ 7:05-10:00PM（休憩15） 前方より 客席８割？(600人？）
客層：20-30才代〜中年齢層まで幅広く。
客入れ：当日券、結構いい席あり。中央通路や下手ブランコで芝居あり。そこらも
観たい人は後方のが○かな。通路際は散歩好き設定の毬谷さんらと近しく○。パン
フ(A4 1200円) おまけで演出家への「演劇」の魅力について,インタビュー収録。
いのうえひでのり、鴻上尚史、坂手洋二、平田オリザ、松尾スズキ、鈴木裕美ほか
ふーんなとりどり内容で興味深し。
舞台。劇場ごとロシアな農園、お屋敷の中庭設定。客入れ時、劇中も鳥の鳴き声、
木漏れ日明かり演出。ホールへの階段脇に土盛り、鍬とくわ、野の花と両開き扉。
下手、本物みたいな木に白いブランコ。後方操作ブース前、上手舞台前にもあり。
凸型張り出し舞台。最前列は至近距離。中央の扉だけの扉前はテラス設定。スティ
ール製折り畳み椅子、テーブル。下手、小テーブルに金色サモワール。後方は広く
涼やかな暗さの母屋（ホール？）。中央扉〜奧の戸外は直線上で見渡し可能。上手
に両開きガラス窓３、正面と下手に隣室への白い扉。マジックミラー然と壁内部屋
を透かす演出あり。
お話。19世紀ロシア、田園地方都市。義弟（笹野）の出世がため、身を粉にしてバ
ックアップ、領地の管理。その長年の努力を裏切られた伯父ワーニャ（富岡）の怒
りと絶望。伯父を慰める姪ソーニャ（広岡）の人生への決意。に義弟の妻（毬谷）
と、ソーニャが片思いする医師（立川）の危うい関係を絡めて描く。
虚ろな空間と関係、愛おしい人達。演出に工夫。ポケランと人生から置いてきぼり
、そんな挫折感を視覚化。スポットから外れて起つ役者、役者外の花とかに照明、
お屋敷の空虚さを感じさせるよに響く音とか。カリカチュアされたよな、くっきり
キャラ。茶番な無意味なやりとりを際だたせ、空しさにおかしみをうまく乗せて○
どろどろ、きりきりなのに沈ませてなくて、好感ねこ。非日常に文章してる台詞に
いきなしくだけた口調がでるホンには、くすり笑うねこ。
空騒ぎな展開の中、人というか役者の心根がすっと浮かぶ。エレーナ〜ソーニャの
癒やし合いながらも、心ならず傷つけあう言葉と関係。毬谷、広岡の二人は役柄に
シンパシー、感じてるのが感じられるような好演で◎。
［月間一覧］
|