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 双数姉妹「Some Girls」

 @新宿・THEATER/TOPS (1999/2/2-8 9ステージ) 全指定前売り3000当日3200 
 作・演出・舞台美術:小池竹見
 「死角都市-Hong Kong-」脚本:千葉雅子(猫のホテル)
 舞台監督:村岡晋 照明:倉本泰史(A.P.S.) 音響:島貫聡 衣装:伊藤哲治ほか
 宣伝美術:高橋 歩 制作:津田はつ恵<duel sisters>
 出演:大倉マヤ、伊藤由維子、桑原裕子、間瀬とも子、井上貴子、中谷さとみ
 小野啓明、小林至、五味祐司、佐藤拓之、柏原直人、内藤達也、阿部宗孝、
 吉冨光宏、中村靖

 1999/2/7(日)晴れ 7:05-9:05(2'00) 中段より 客席超満員(160人)
 客層:20-30歳代中心。女性過半数。
 客入れ:随時誘導。荷物預かりもあり。通路までお客をいれての盛況。

 舞台。前2面、後方・雛壇前3面のブラインド。開閉、また透かしみせながらの転換。
 マルチスライドのように多面的、小気味よい切替が○。

 お話。とある治療施設な学校にいる女性(伊藤)、は前後不覚。なんでも食べちゃっ
 たりする。あれこれとセラピーな芝居、は記憶回復かただの夢想か?。そんなある
 日、学校を卒業、連れてでると担当に告げられたことから、女性の静かな反抗・嘘が
 始まる。女性が思い描いたのか(直接関連はなし)、さまざまなコンプレックスを
 抱えた女達と、それになすすべない男との交流が、オムニバスで描かれて行く

 スムーズでさりげでいて鮮やかな転換。殺伐な男女の痛々しさとそれを癒すような
 笑いと歌謡曲挿入演出。とくにプリプリ?(伊藤)、ユーミン(間瀬)は心痛さが伝わ
 って○。ディスコミュニケーションを描く、おなじみの双数メソッドあれこれ、も実験
 臭さは表立たず、さらりとシニカルな味わいに。なんかとても見せ方が巧くなって
 「いい感じ」な今回。これからもこの調子でいってほしいところ。でも、創造的破壊
 にも立ち会いたいので、知的な実験公演は試みてほしいな、と欲張りねこ。

 「ザコキャラ人生」(桑原)○。サブキャラな子がもてもて君に告白されて疑心暗鬼。
 喫茶店の周囲おしゃべりがみな中傷に聞こえる被害妄想。リアルと妄想(彼女には
 どっちもリアルだけど)を混在させる。シニカルで面白し。テンポある展開も○。
 等身大に演じた桑原さんも、「オペレッタ」より活き活きとした印象。

 役者。いままで目立たない感じの女優さんが前面に。間瀬さん、運命に抗する女
 ぶりを好演。伊藤さん。あんぐち口をあけ呆けの姿が悲しいやら、怖いやらで○。
 男優も好サポート。患者な女性をリモコン(指導)役の小林さん、前半出が続いた
 五味さんとか、しっかり相手と絡んで○。

 主な構成
・男達のいない世界〜。男達・SPEED・コーラス→女達・キャンディーズ・コーラス。
・とある施設。なんでも食べる伊藤。施設を卒業するよう告げられる。本校から試験
 にきた佐藤は迎えにきた患者?に歓迎(悪意をもって)される。
・ブラインド内に男女(五味が飼っている亀達)。五味の家に間瀬が。とんだトラウ
 マをもった間瀬は亀を刺し殺す。自分のために忌み嫌う亀を殺すことを五味に願う
 思いきれない五味。彼女とはそれきり。その内、残った亀は行方不明。その直後、
 五味、いい女・中谷と出会い、ラブラブ。なるも、女が亀の化身の疑いが芽生え。
 思いきって告げると、当然振られましたね。
・吉良邸の討ち入り段取りの3人(井上、小野、阿部)。吉良邸に向うも、これが〜
 が〜でなければでどんでん返し?連続。
・妻マヤと夫佐藤のもと、間男五味がやってくる。マヤ喜び、佐藤むかつき。言い争
 い。映画みたい、わたしのためにと喜ぶマヤ。ばーかとなじられ、マヤを置いてき
 ぼりにして対決。
・かわいい、美人、スターな友達の中で、ザコキャラな桑原。存在感なし。いい男な
 小野に告白されるも信じられない、被害妄想。喫茶店の周囲の声もみんな中傷に
 聞こえ。ついに爆発、周囲に酷いといわれない訴え。小野??ながら、加勢して
 みな殴り倒し。一時信じられた小野とも、すぐ別れたけど、自分ちょっと自信が
 もてたかな。
・進路を3者面談。進学したくない娘マヤを無視して、国立希望の小野父。なるも、
 ダメだされ。なんか揉めて、娘爆弾発言・子供ができた。なんだと〜。教師は娘さん
 を僕にください、と告白。ちゃんちゃん。
・「死角都市-Hong Kong-」間瀬はひとつ男に留まらない女。機密ディスクを巡って
 愛した男達は争い、殺し合い。生き残った間瀬、彼女がより強く望みと生き抜いて
 きたのは宿敵の兄・自分を少女期にレイプした鬼畜、に勝つため。恐怖の心を
 欠いた兄との死闘が迫って。
・ニュース番組。きちんとアナウンスのキャスター小林をよそに、マヤと誰だっけは
 脇でおしゃべり放題、仕事の自覚なし。
・なんでも食べる女。小林、リモコン芝居指導。30歳、南仏料理店マスター柏原と
 への片思い、思いきって告白編、はへんてこな顛末に。じゃあ、次は17歳高校生
 また片思いの人へ学食で告白、迷惑がられるも優しい男はむげにできず。そこに
 男の彼女・桑原が現われて、もう険悪。
・嘘をつくことを覚えた、と担当を悲しがらせる伊藤。女達コーラス・ユーミン。