双数姉妹「安門天」
＠新宿・THEATER/TOPS (1999/8/5-13 11ステージ）
全指定前売り3000当日3200
作・演出・舞台美術：小池竹見 振付：村上大樹 [拙者ムニエル]
照明：倉本泰史[A.P.S.] 音響：島島貫 舞台監督：村岡晋、安田美知子
衣装：伊東哲治ほか 演出助手：山下猛 宣伝美術：高橋歩
制作：津田はつ恵[duel sisters]
出演：
五味祐司（？：
投身自殺の中途で気がついたら、タイムスリップしてたと自称する男）
佐藤拓之（若手劇団員。コンビニでバイト。女百人切りを目指す鬼畜、でも結構いい奴）
野口かおる（ナオミ。かわいい顔でずけずけ、でも結構いい奴）
今林久弥（マスター。面倒見がいい人）
小林至、柏原直人、中谷さとみ[劇団☆新感線] （未来人）
伊藤由維子、井上貴子、間瀬凛、桑原裕子[KAKUTA] （ＯＬたち）
阿部宗孝、吉富光宏（コンビニ店員）
大倉マヤ、中村靖（客）
小野啓明（高橋。中国帰り、ナオミの同僚、彼女に結婚申し込む熱い奴）
1999/8/8(日)晴・猛暑 2:05-3:45PM(1'40) 前方より 客席ほぼ満員(140人)
客層：20才台男女中心に、とりどり.
客入れ：指定席、案内随時。当日券は中段のいいとこありで20-30枚。ネヴュラで
前日予約可。配役、キャスト、今後の役者予定を掲載した折込パンフ配布。
前回、知的アバンギャルド復活の兆しをみせた、お楽しみの双数姉妹・新作。
舞台。黒にダイヤのプリント柄の壁。中央、奥がくぼみ、青い柱（扉とかに）が
２本天井まで。
お話。学生達が民主化訴えの「天安門事件」＠中国があった年。自称・未来から
来た男（五味）は投身自殺中にタイムスリップしたとか。まあ、とりあえず未来の
父親（佐藤拓之）にあって、生んでくれちゃった母親のこととか、Ｑ＆Ａ。なんの
こっちゃと取り合わない拓之、の同棲相手ナオミ（野口）はかわいい顔して、
会社じゃ言いたい放題でやってくれちゃう女。そんな彼女も愛しちゃってる殊勝な
気持ちはもちあわせ。もうひとつはっきりしない、拓之に不安もあり。未来男が
彼女自身しらぬ妊娠を告げ、懐中の子は自分でーすと、拓之とナオミに告げた
ことから、２人の間は本まじ展開して・・。
シニカルなお話にふーん。せめてフィナーレはハッピーにと願った男の妄想走馬灯、
自分探しかしらん。一見、つかこうへいなスタイルというのはかつてあった時代への
オマージュ？。借り物めいて嘘っぽい、熱く優しい青春物の外観に、男の虚しさが
裏打ちされてるのがみそ。死んじゃう人はしょうがない、の今時な醒めた視点と、
そう割り切れないところの右往左往も面白いねこ。
実験な手法はこなれて、いくつか。ストーカーな小林が思いこみ愛をナオミに告白
場面。周囲の妄想ヤジから、しだいに小林が現実を離れて行っちゃうとこ。会社ＯＬ
の本音と建前がひっくり返った（まぜこぜか）会話。質問形でやり取りする恋人達の
勘ぐりなすれ違い会話、言葉尻をいちいち枝葉な寸劇で捉える脱線。とか。
心地よいリズムのアカペラやコーラスをさらり挿入。この辺はすっかり、手馴れたもの。
気持ち良さげなメロディに酷い歌詞を載せたりのブラック風味に、にやりねこ。
と判りやすくて、面白い仕上がり。なれど、発明発見の志が以前ほど感じられなくて
淋しいねこ。ここらで、目からうろこな新実験を期待したいところ（いつもしてるんです
けどね…）
役者。五味さんの独特の情けない味わい◎。今林、佐藤、小林、とみな器用、個性も
十二分。特に、今林はクールで押しが強く、お客を巧みに引きこみ、さすが。
野口さん、かわいい。井上さん、逞しい。桑原さん、場を締める安定した歌声○。
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