劇団☆世界一団「Merry Christmas, it's a wonderful life.」
＠大阪梅田 HEP HALL (2000/1/29-2/6 12ステージ）
全自由 前売り2,700円 当日3,000円 高校生以下前売1,700円 当日2,000円
作・演出：ウォーリー木下 舞台監督：小林伸英[劇団往来]
照明：児嶋博之[T∀NTRYTHM] 美術プラン：柴田隆弘[南船北馬一団]
音響：児島塁[T∀NTRYTHM] 振付：宇田三昭[U-Junction]
衣装：金崎めぐみ、こあーる 小道具：小松造形研究所、真木丸槙
選曲：近藤康夫 フライヤーデザイン：黒田武志、ミヤアキミサ[SANDSCAPE]
写真：伊東俊介 ヘアメイク：とみつるくうこ、ＵＤＯ、池原望、大西あけみ、
宮田さつき グッズデザイン：こあーる、出納清行
製作：森重光恵ほか プロデュース：田中一郎
出演：登場人物は役者と同名
赤星正徳 ：作家の孫。ブロードウェイ帰りのダンサー。
平林之英 ：軍人。兵士慰安会にミュージカル上演を依頼。
東善仁 ：元バイク便配達人。ミュージカルにのめり込み中。
希ノボリコ ：ミュージカル研・劇団員。唯一踊れる子。
吉岡晶子 ：同上。
年清由香 ：同上。ボーイッシュな外見。亡き父親にタップダンスを習う。
井田武志 ：同上。プロデューサー。
工藤丈徳 ：同上。歌いたくてしょうがないけど、いまいち
小松利昌 ：同上。自称・ストリートダンサー。
椎原小百合：同上。制作。引っ込み思案、実は唄が上手。
バンド：「THE"Real"Band」 終始、板付きで演奏。
Goji(g) 池田はるよし(b) こうろきまさのり(ds) 吉良実岐子(p)
岡育宏(tp) 岩瀬充洋(trombone) 児島塁(sampler)
2000/2/5(土)晴れ 7:05-9:20PM(2'15) 前方より 客席ほぼ満員（130?人)
客層：10-20才代中心に幅広く。男女カップルのお客多め。
客入れ：優先指定席（最前方と後方）あり。折り込みパンフ。劇中ミュージカル
の台本掲載。物販。バッチ(200円)、Ｔシャツ(1500円ほど）などいろいろあり。
'96「ドリームマシーン」下北沢公演以来。パワーアップしてて、ほよよねこ。
舞台。パステルの箱を連ね巡らし、「That's sekaiichidan show」の看板。
その下には常駐生バンド。役者平林さんもSAXでばりばり参加。ねこはスムースな
ギターが心地よくてお気に入り。開演前からリハーサルとばかりに集合、音あわせ。
役者はスクラッチ。そのまま稽古場風景が動き出す。
お話。パラレルワールド日本。そこは今なお戦時下、地上は戦場。人々は地下に
暮らすことを余儀なくされている。そんなところにずぶもいいとこのミュージカル
劇団あり。公演台本をじいさん作家に依頼。ところが何を考えたか、このじじい。
最後のチャンスと兵役志願、台本半ばでさよなら。がひーん、おまけにミュージカル
趣向のスプラッタホラー。じじいはそうか、ホラーファンだからね。と納得して
どないするんじゃ状態。
じじいから伝言。ブロードウェイ帰りの孫を訪ねさせるから頼りにしてね。これで
なんとかなるかと、思いきや×。見るなり、レベルの低さに開いた口を閉じる間も
なくお断り。そこに追い打ち。完売と喜んでた公演は軍人慰安会のアトラクション
入り浸る担当軍人は難癖ばかり。厳しいのは「死んじゃう場面はだめ」つう
だめ出し。出征軍人が辛いから。もっともだけど、この本はホラー！！。
もうやめ！、中止は銃殺！！。うひー、それはほんまもんのホラーやわ、なんとか
しよう。それじゃあ、はてさて。果たして、初日を無事に開くことができるのやら。
ミュージカル場面と現実場面を目まぐるしく行き交いながらの、ジェットコースターな
バックステージもの。
ノンストップに七転八倒。メイキングの喜怒哀楽、てんこ盛り。ダンスに唄、
マペットやかぶりものショー、ＳＴＯＭＰ風にバスケで音楽、果ては即興まで。
終始板付きでかけずり廻り、演じ続ける役者達。ショーは止めちゃいけないの
理を体現。雑多なスラップスティックの中から、鮮やかデュオ場面。お約束の
美味しさ。平林さん、年清さんの微笑みのタップダンス、赤星さん、希ノボリコさん
のスイートなダンス。とか。生バンド音楽も○。「雨に唄えば」からのナンバー
（タイトル失念）に始まるミュージカルやジャズナンバーの数々。スタンダード中心
の心地よさ○。
劇中の台本も茶目っ気あり。いかにもＢ級なお楽しみ展開のホラー趣向。
主人公が「ボブ・フォッシー」で、「ハマースタイン」も登場のミュージカルパロ。
公私ともみんな晒してミュージカルに昇華しちゃうとこは「ALL THAT JAZZ」（ボブ・
フォッシー自身監督作）、いやさ「ALL THAT 世界一団」。ラストの踊りまくりん
みつつ、舞台に掲げた看板になるほろと思うねこ。
クールに（見なくてもか）もう勢い込んで、荒削り、巧くないとこあれこれ。直球な
恥ずかしいとこもあり。でも、不器用も今に懸命な人達はいとおしいもの。
愛すべき舞台と、心緩やかにして思うねこ。
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