サードステージ showcaseシリーズ「ビューティフル・サンデイ」
男は怒り、女はとぼけ、ゲイは笑う。素晴らしき日曜日。
＠六本木 俳優座劇場 (2000/2/9-16 10ステージ）大阪2/19-20＠近鉄小劇場
全指定前売り当日とも4,000円 当日立ち見2,000円？
作：中谷まゆみ 演出：板垣恭一 作曲・演奏：北村紀子 音楽協力：江村桂吾
美術：小松信雄 照明：倉本泰史[A.P.S] 音響：金子彰宏[オフィス新音]
スタイリスト：古池慶二郎 舞台監督：野口毅 演出助手：木元麻由
宣伝美術：鈴木成一 制作：中島隆裕ほか 企画・制作：サードステージ
出演：
長野里美 ：三枝ちひろ （なぜか戸川家に転がり込んできた女性）
小須田康人：戸川秋彦 （当家の主。浩樹と一緒に住んでいる）
堺雅人[東京オレンジ]：小笠原浩樹 （若い画家）
2000/2/13(日)曇 1:05-2:35PM(1'30) 後方補助席から 客席超満員(340人)
客層：20-30才代中心。女性過半数。
客入れ：当日券。待ち列。45分前15人。30分前30人で細川社長が人数を数え、
20人は補助席、後は立ち見(最後尾15人）とアナウンス。20分早く販売、列は
40人超。折り込みパンフ。縦長A4半分サイズ。作家へのインタビュー収録。
物販なし。
若手作家・９０分書き下ろし作品上演シリーズ。第三舞台のスタッフ、早大劇研
出身役者の組み合わせ。ＴＶ「ぽっかぽか」「いいひと。」の脚本家・中谷まゆみ
が今回書き下ろし。
舞台。趣味のいい小間物やらある、小ぎれいなフローリング。中央にダイニング
白木のテーブル、シンプルな椅子。壁に家のデッサン画。マガジンラックにCut。
上手、煉瓦壁が見えるベランダ、自動洗濯機と物干し台。下手、ベットと窓際棚に
本、脇に引き戸押入。
お話。男な戸川が起きてみれば、隣に女・ちひろ。えー、貴方は誰？。まあ
いいじゃないのと居着く女。帰れよー。そんな処に若い同居人・ゲイの浩樹が
帰ってくる。すっかり意気投合してしまう、ちひろと浩樹。戸川はなんか困って
しまう。
安心、しみじみ、ウェルメイドな佳作。奇妙な取り合わせの男女が共に過ごす
日曜日。互いの孤独、苦しみ、喜びがしだい明らかとなり、自分をみつめなおし
てゆく物語。バランスがよいホンと粒ぞろいの役者。軽やかなテンポの中も
しっかりと重ねていく会話。誰かに語ることで癒される苦しみ、理解はできない
と知りながらも、耳を傾け心砕く優しさ。時折恥ずかしくもある、美しい関係に
うるうる、つう感じで。きれいで明るいラストは、決して明るくはない未来が
裏打ちされてて、微笑みながら泪目もの。
日常してる、さりげな演出が舞台を近しいものに。真冬の洗濯機の冷たさとか、
細かい仕草、きちんとした生活を漂わす部屋、自然体の会話は、見てる私たちの
生活に近接。映画の長回しのように、時間をそのまま追った進行もそう。ゲイ
などの設定をふまえつつ、日常的なとこで身近に共感できる舞台。わかりやすく
も巧し。
と、ビタースイートな味わいのＴＶドラマ印象。シンプルですっきり。心地よけれど
、演劇な面白みは少。ちょい欲求不満ねこ、別のを見れば済むことなれど。
役者。いつになく、ばたばたした役の小須田さん。頑固で皮肉な物言いに、隠し
ようもない、人の良さと優しさが滲みだし○。明るくて哀しい女性役の長野さん。
天性の明るさとかわいさが前面。いいじゃないですか。拾われてきた子猫みたい
な役の堺さん。かわいいとこをあれこれ見せて、ちょっとずるい美味しさ。
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