サードステージ showcase シリーズ 「ペーパーマリッジ」
＠新宿・紀伊國屋ホール(2001/7/12-18 8ステージ)
http://www.kinokuniya.co.jp/05f/d_01/hall.html
＠大阪・近鉄小劇場 7/21-22
全指定 前売り当日とも 4,200円
作：中谷まゆみ 演出：板垣恭一 音楽：北村紀子 美術：小松信雄
照明：倉本泰史[A.P.S] 音響：友部秋一[オフィス新音]
スタイリスト：古池慶次郎 衣装：矢作多真美 舞台監督：野口毅
照明オペレータ：田中捻彦 大道具：C-COM舞台装置 小道具：采澤聰
音楽協力：藤尾領 演出助手：河合範子 宣伝美術：鈴木成一デザイン室
イラストレーション：桑原節 制作：中島隆裕 主催：日本劇団協議会
企画・制作：サードステージ
出演：
長野里美 ：木下ちひろ（長女 亡父家業のパン屋を継ぐ）
木野 花 ：佐伯亀子 （ちひろ、桃の実母）
旗島伸子 ：佐伯 桃 （ちひろの実妹）
浅野和之 ：木下惣一郎（ちひろの夫。料理プロ）
2001/7/14(土)猛暑 2:05-3:55pm(1'50) 前方より 客席超満員(500人)
客層：20-30才代中心、男女半々。色白率高め、二人連れ多め。
客入れ：当日券、後方通路補助30席ほど。開演近くでも残あり。折り込みパンフ。
チラシに出演者写真添付。物販。パンフなし。先行シリーズのビデオ販売。
ハートフルな作品で評判の中谷まゆみ。「ビューティフル・サンディ」に続く、
シリーズへの書き下ろし二作目。
舞台。どことなくイギリス風、木造の文化住宅２Ｆ居間。生活感がいい感じにある
アットホーム。窓枠の菱格子、アンティークな調度やステレオ、棚が昭和20,30年
モダン。中央、テーブル。上手に表に面したテラススペース、窓際に観葉植物沢山、
あとマッサージ椅子がどかん。正面に収納棚、タンス。上に中年男性の写真と花。
中央の引っ込みの左手がトイレ、右手が店舗への階段設定。下手、のれんの奥が
寝室、風呂場へつながり。その前側に出口扉、壁際に籐製の二人掛けソファ、
壁の網に、写真とか張り付け。
お話。夫君が別に恋人ありホモの、だけどとっても仲良しな偽装結婚夫婦。その
しゅうと母は結婚が旨くいかず、離婚歴あり。今はネット恋愛にはまり、相手に
会おうと長女夫婦のもとに上京。次女は同棲男性と最近ぎくしゃく、結婚に踏み
切れず、悩み抱え中。ちょっと変わった家族は、それぞれに先に進もうとするん
だけど、いろいろあって。
しんみりじんわり、笑い忘れずのウェルメイドプレイ。ホンとの裏側、ホモ夫と
セックスレス妻の欲望とか、は描かないから、その泪もさらりさわやか。自立した
大人の悩み、協調すれど融和しない、を家族な視点から描いて、ふむふむ共感。
誤解や対立あれこれを結構シニカルに描くけど、互いを愛しく想う心を忘れず、
暖かい。語らずとも、わかる言葉や仕草な演技演出。描かれない彼らの物語まで
伺われ、しみじみねこ。シリアスな展開なるも、とこどこ笑い忘れず、舞台を沈
ませない。壊れたドアノブの伏線が効くラストとか、大笑い。
役者。長野里美。ブライテストな彼女らしい素敵。晴れやかな笑顔、気遣う目線の
優しさ。代表作の一つになるんじゃないかしら。木野花。ちょっと卑怯なキャス
ティング。ちょっと不幸、でも負けない、若作りが恥ずかしい、けどかわいいな。
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