拙者ムニエル 愛のいったりきたり劇場「女王蜂ハチコ」
第12回下北沢演劇祭参加作品
＠下北沢 駅前劇場(2002/2/20-25 9ステージ)
http://www.honda-geki.com/ekimae.html
指定 前売2800円 当日3000円 自由 前売2500円 当日2800円
駅前劇場、OFF・OFFシアター両館セットチケット
前売のみ 4800(駅前指定席+OFFOFF自由席）4500(共に自由席）
作：澤田育子 構成・演出（総合演出）：村上大樹
映像：上田大樹[instant wife]、富田中理[instant wife]
舞台監督：村上晋、山本修司、大門洋次、藤林美樹
舞台美術：「女王蜂ハチコ」齋田創+突貫屋 「はたらきバチ」村田裕子+突貫屋
照明：千田実［CHIDA OFFICE］ 照明操作：柳田充、今西理恵
音響：尾林真理、樋口亜弓、加藤温
衣裳：木村猛志［A.C.T]、松本夏記［ミシンロックス]
衣装製作：清水柚樹、加藤真理茂［A.C.T]
小道具：桜井徹、松浦孝行、秋山霧香、清水克晋、西廣泰 檻製作：オサフネ製作所
宣伝美術：吉井花英、寺部智英 演出助手：荒川浩輝、向峠江見
制作：内藤利恵子 主催：TOKYO FM／ナイロビ
出演：
伊藤修子 ：モモエ（トオル妻。告白処女、されたくて出奔）
村上大樹 ：トオル（平凡刑事）
町田マリー［毛皮族]：ハチコ （女王蜂、男達を誘わずにはいれない孤高の女）
成田さほ子：オサカナ（告白クラブ経営。男に裏切られ過去をもち、復讐を誓う）
政岡泰志［HIGHLEGJESUS／動物電気]：シシャモ（クラブボーイ）、サトミ(女子大生）
市川訓睦：イワシ（クラブボーイ）、イヌ（人間化された犬）
寺部智英：シラス（せむしのクラブ使用人）、傷痍軍人（オサカナを捨てた男）
加藤 啓：タケダ（トオルの部下刑事、モモコに偏愛）、ブタ（イヌの恋人）
千代田信一：ハバカリ（モモエに一目惚れの画家）、ヤヨイ(女子大生）
澤田育子：生霊（ハチコのなれの果て）
山岸拓生：マキ（女子大生）
桜田敦彦、藤井幹夫：客
2002/2/23(土)曇 7:38-10:03PM(2'25) 最前方より 客席満員(180人)
客層：20才代前半中心。男女半々。おじさん若干。
客入れ：隣接した駅前、offoff同時開場（でもoffoffの列は少数。時間差あり？）。
ビニール袋を事前配布し、荷物預かり。帰りは階段で返却、結構混雑も誘導きちんと
あり。自由席。花道を挟んで桟敷4〜5列（上手ベンチ、下手座布団）。詰め若干あり、
長時間上演でちと辛いものあり（靴脱いじゃう年寄りねこ）。指定席。下手桟敷後方
にパイプ椅子席２列。劇場中程の花道通路から後ろに、雛壇状椅子席7列。
指定席向けの演出（花道配置、下手端中継ＴＶ、上手客席壁スクリーン）。自由席は
映像投影中など、目がロンパリ状態（でも、みることはできず）。
折り込みパンフ。Ａ５ 4ページにキャスト、挨拶、予定。次回公演。今秋。劇団員の
客演は相変わらず、多数。スタッフパンフが、折り込みパンフを挟む形で配布。二館
共通チラシなので不要時は置き去るか、回収ＢＯＸにいれてと注意書きあり。配慮○。
物販。既刊パンフ「sessya manual」（800円)。
隣接する劇場にて同時上演、役者掛け持ちだから「いったりきたり」な今回企画。
舞台。赤、黒、黄、オレンジ。舞台中央に赤い丸(床は黒）。背景壁は弧を描き、
真ん中に電球点灯の蜂の巣型が一面。花道(オレンジ）は入口〜舞台中央にＬの字接続。
下手に１５インチモニタ、上から、OFFOFFシアター内、駅前劇場ロビー、駅前劇場
楽屋入口。片方の劇場舞台や、役者の出捌けの様子を常時中継。
お話。平凡妻・モモエは恋愛不倫略奪愛にあこがれ。でもデブの平凡夫トオルにも
愛。なのにつれない夫の答えに寂しくなって、流れ着いたのは下北沢。かつての
小劇場演劇のメッカ。今は、脱演劇、脱本多グループを唱えられ、告白ごっこが
全盛。告白クラブにふらふらと迷い込むモモコ。主婦なんぞと相手にされない、
モモエは告白されたことも、したこともないことを告白。いいかい、告白嬢の資格は
愛を憎むことさ、嘘で本気の恋をするのさ。そんな…とうろたえるモモエにも、
唯一告白してくるさえない画家ハバカリあり。彼の本気の告白に戸惑うモモエ。そんな
モモエをつけねらう、幸薄い女好きの変態刑事タケダは不倫を迫り、戸惑い加速する
モモエ。
ちょうど、そのころトオルが捜査する、母親殺しの娘・ハチコは、告白クラブオー
ナー・オサカナねえさんに見込まれ初出店。まずは街頭でティッシュ配るハチコは
暴走、誘惑やりたい放題。ねえさんの逆鱗に触れ、檻に閉じこめられ。男どもは
ハチコに告白したくて、列をなす。3分3万円の料金を払って。可哀想に思ったモモエ
はハチコを檻からだしてあげる。ハチコは伝説の赤い靴をはいて、恋に踊り続けたい
願望あり。モモエの平凡愛には、まっている男なんていない、恋なんてしらないと
いい捨てて、街に消えてしまう。刑事トオルの捜査は難航、へんな薬剤師にけむに
まかれたりして。取り残されたモモエにハバカリは優しく、二人は結ばれる。その様
をみつけた、変態刑事タケダは嫉妬と憤怒の炎を燃やし、二人を追走。ハチコは
悩殺マシンガンで街の男どもを殺リまくる。ハチコを追走していた、生き霊は事態が
切迫したことを知る。本当の恋を知る前に、ハチコを殺さなくてはならない。
キチガイと化した変態タケダはパワー全開。ハバカリは、モモエ夫トオルに宣戦布告、
したのか？と優柔不断。生き霊の差し金、オサカナねえさんはハチコを捕らえ。
娼婦の子は娼婦なのさ、おまえこそ、平凡さ。十字架に磔、処刑せんとするところに
刑事トオル登場し、ハチコを連行。どうでもいいけど、変態刑事タケダは実はさる
高貴な家の嫡子。侍従に連れ戻されてしまう。
モモエにハバカリの本当の告白。その仲を壊そうとするオサカナねえさん。モモエは
トオル一筋と、ハバカリ失恋。そこにオサカナねえさんを捨てた傷痍軍人が、いまは
機械・失恋レストレインとなって現れる。乗る、ハバカリ。クラブボーイ・シシャモも
オサカナねえさんの傷痍軍人への未練を知って、失恋。乗る、シシャモ。
取り調べ室。モモエの話から不能なんだと告白するトオルに、ハチコは突然キス。
追い掛けられたいんよ、私のことを本気でみてくれた、好きという気持ちが初めて
わかったんよ。抱き会う二人、長いキス。生き霊は恋をしってしまったハチコに、森
へ帰れと説得。ハチコはモモエが羨ましい、トオルのことが好きだけど、寂しいから
と告げる。ここを出たいというハチコ、トオルと二人旅立ち。
失恋男達（途中挿話の世をはかなんで、男性化した女子大生・マキオも含む）は
ラスベガスで一山当てる。男だけだけど、でもいいか、金も男もいるし。ハバカリは
モモエとマキオの二人を誤解して、オーバーヒート。なんだかんだで、マキオは失恋
レストレインに投身自殺。傷痍軍人が脱線死した失恋レストレインとしる、オサカナ
ねえさん。シシャモはリストカットして自殺。もう、みんな地獄行き。
オサカナねえさん、傷心を抱え、赤い靴をはくももう踊り出さない。恋は潰えたの
か。トオルは逃げたモモエを再会、モモエ改めて愛を告白。オサカナねえさんは、
モモエを射殺、愛なんか壊してやると。ハチコはトオルの愛を信じているからと、
赤い靴を履いて踊り続ける、でもモモエの亡骸にすがり、慟哭するトオルはハチコ
のことを顧みてはくれないのだった。
な、お話の合間に人間化されたブタ子とイヌの恋愛、でもイヌはやっぱり同種族がいい
とブタ子失恋の顛末劇。上京したて、新入生の女子大生三人。友達と思ったけど、
マキはひとりぼっち、つうか浮いてる。おまけに宅配便を装った男にレイプされてマキ
男になる決心をする顛末劇。を箸休め的に挿入。
キてる・ソープオペラ。不安と孤独、虚栄と欲望に囚われ、憧れと現実に揺れる若い女性
の恋愛観をべた覗かせ。濃いキャラでサイケに彩り。がんがんカマス荒くれの心地よさ。
しつけえほど、引っ張る麻痺感覚の饒舌さ。長丁場の肉体拷問の中も、辛いけど気持良
さ感じるねこ。ラスト近くに、まじキスシーンあって、驚きもし。いわば、既成を
パロって楽しいムニエルのお澄まし顔サイド、偏り編。。OFFOFF側芝居でのおもちゃ
ねたをお膳立て、効果Ｕｐさせるためといってもいい、異色な味わい。ふふーんねこ。
役者。町田マリー。いけない子だね、な小悪魔キャラ爆走。嬉しいねこ。
［月間一覧］
|