少年王者舘 KUDAN Project「真夜中の弥次さん喜多さん」
＠池袋 シアターグリーン(2002/7/26-30 7ステージ)
全自由 前売3200円 当日3500円
＠大須 七ツ寺共同スタジオ 7/17-21 6ステージ
原作：しりあがり寿（公式ＨＰ） 脚本・演出：天野天街［少年王者舘］
舞台美術：田岡一遠 大道具：小森祐美子 小道具：丹羽純子［少年王者舘］
、松宮陽子［少年王者舘］、田村愛［少年王者舘］
作曲：珠水［少年王者舘］ 音響：椎名KANS［マナコ・プロジェクト］、
戸崎数子［マナコ・プロジェクト］ 照明：小木曽千倉
映像：濱嶋将裕、大月未知也 衣装：田村英子［マナコ・プロジェクト］
振り付：夕沈［少年王者舘］ 舞台監督：井村昂［少年王者舘］
舞監助手：篠田エイジ
宣伝美術：しりあがり寿［イラスト］、アマノテンガイ［デザイン］
情宣：虎馬鯨［少年王者舘］ 制作：山崎のりあき ほか
企画・製作：KUDAN Project 文化庁・日本芸術文化振興会舞台芸術振興事業
出演：
小熊ヒデジ［てんぷくプロ］：喜多八
寺十吾［tsumazuki no ishi］：弥次郎兵衛
2002/7/26(金)晴れ 7:33-9:13PM(1'40) 前方より 客席9割(90人)
客層：20-30才代中心、女性過半数。お友達連れ多し。
客入れ：整理券配布、入場時で40人ほど。いつも取り全ベンチ(最前列の桟敷は
様子をみて撤去）。折り込みパンフ。A4 4ページ。配役、多数のスタッフ。
天野天街作品と旅ほかに関して、寄稿。次回公演。9月「香ル港」再演。
物販。ビデオ、戯曲、手ぬぐいなど。
天下の奇書、するならばこの人により劇化。
舞台。天花粉散らした畳、薄汚れ布団。ツタが這う朽ちかけ白漆喰壁、ふすま三方。
お話。あんまりキタさんの薬中がひどいので、江戸を離れ伊勢参りに行くこととした
ヤジさん。ほかにしようもない、せっぱ詰まり。かみさんともきっぱり別れ、覚悟の
ヤジさん。出発？したものの、雨で河は増水、宿場に足止め、ほかにしようもない。
雨は「ザーザー（と文字が降る）」として、なんかリアルじゃない、なにもかも
リアルがなんだかわからない。妄想と現実の見境なく、やがて芝居と客席の現実との
境目も、なにがなんだか。舞台から出前したうどん、台詞を吐いている役者自身、
舞台装置、劇場さえも…。
複雑っぽい中、単純に愛、が浮かんで切なく、ええ感じ。仕掛け複雑、お話直球。
時間は順行逆転、繰り返し。2人分の妄想に舞台と客席の現実が重なり。あるもんが
みえたり、みえなかったりをみせて、交錯。映像は人生走馬燈や彼岸などいつもより
即物的。キャラにより巧拙のタッチが違うのに笑い。小道具に遊び。心情切々場面に
降りてくるカラオケマイク、塩梅（しおうめ）、壁から棒など。タビの上に一で
「死」ら文字サイン、床からどくろなど、隠された「死」の示唆も次第に。トリッキ
ーでマジカルな作術が麻薬的で快感。このまま終わらず続いてくれたらなあ。と陶然
と、とても楽しくみるねこ。
お話は通常王者舘よかずっとわかりやすい。2人の離れがたい結びつき、ちょっと湿
った愛情がじんわり伝わり。原作をよくわかってるなあ、と好感ねこ。
役者。寺十（じつなし）さん、ラブリー。阿呆ズラ、しだれ掛かりポーズ、みな素敵
惑う表情がたまんなく哀切感醸し。名優名演なり。ヒデジさん。ちょっと荒くれて、
子供っぽいとこが母性愛かき立てな、彼もラブリーなり。
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