シスカンパニー 大竹しのぶ一人舞台「ＰＯＰ？」
＠青山 スパイラルホール(2003/12/18-24 9ステージ)
http://www.spiral.co.jp/
全指定 前売り当日とも6500円
＠大阪 リサイタルホール 12/26-28 4ステージ
構成・演出：鈴木勝秀[suzukatz.]
照明：倉本泰史 音響：寺田泰人 衣装：丸山敬太 ヘアメイク：宮森隆行
声楽指導：泉 忠道 舞台監督：瀧原寿子 宣伝美術：松山信一
プロデューサー：北村明子 企画・製作：シス・カンパニー
出演：
大竹しのぶ
ミュージシャン：
藤井珠緒(perc)、松本治(編曲、トロンボーン）、ライオン・メリィ(key.)
横川理彦（編曲、g、vn）
24日クリスマスイブのゲスト 高橋克実、八嶋智人、いまる（実娘）
2003/12/20(土)晴 7:05-9:01PM(1'56) 中段より 客席満員(370人)
客層：大人よりの渋色・老若男女。女性7,8割、おじさん多し。
客入れ：当日券あり、詳細不明。立ち見客二人？（荷物預かりクロークあり）。
一人芝居「智恵子抄」と同じ客席配置。アリーナ。八字通路の外がA-H列、中がD-F列。
０番席があるのが珍しい。通路を挟んで後方に雛壇 H-Q列。J列まで平床なので場所
により見がたいかも。後方席も考慮した演出があるのは○。
折り込みパンフ。B5 4ページ。あいさつ、出演作品、スタッフ紹介、歌詞カード。
物販なし。
一人芝居じゃなくて一人舞台。一人で歌って、語って、朗読する。ライブハウスな
コンサート形式。今後も続けていきたいとかで、ファンにはお楽しみなところ。
舞台。後方にバンド。背景幕はスクリーンとして使用。
構成。30-40才代に懐かしい曲中心。合間のＭＣは、縁遠い恋、逞しい娘や息子の
近況、語りたい気持ちなど。
エモーショナルな歌唱、ぶっちゃけ気さくトーク。ファンならますます、そうでも
ない人にも好印象な、大竹しのぶと近しいライブ。抑揚たっぷりと女優ならでわの
表現力で魅せる歌。思わず引き込まれ、聞き入る（見入る）ねこ。冒頭の意外な山崎
まさよしから、ぐっときちゃい、そのままラストまで堪能。さらっとアレンジの多い
昨今のカバーに似ず、たっぷりと聞かせてくれるのが嬉しい。トークは素直に心境を
語ってて、思わず笑みを誘い。一方通行であっても、伝えたい思いや聞き手への心配
りがしっかりと感じられて、これも好印象。思わず、応援小旗を振りたくなったり
したねこ。定期開催を希望。
プログラム 覚え書き（これから見る人はパス推奨）
各曲の間に有機的なＭＣあり。
バンド・インスト
M1名前のない鳥 (山崎まさよし)
・黒の長袖ドレス、スカートは広く円錐形に広がり、おもちゃの人形？。スカートには
大きな牡丹？の花と葉が２つプリントされ、合わせた手袋は真っ赤。低いキーの声で
、たっぷりと朗々と歌いあげ。たまらないものを初っぱなから感じるねこ。
ＭＣようこそ、ありがとうございます。一人舞台、一人芝居と間違えてきちゃった
？。芝居じゃないんですよ、とまずは断り謝り。ＰＯＰ？、って私もわからないタイ
トル。
M2銀座カンカン娘
ゆるいテンポのバンド音楽の中、漂い泳ぐように歌い。表情が愛らしい。
ＭＣ（しーんとして聞いている客席に）みなさん、リラックスして楽しんでくだ
さい、と笑顔で客席をほぐし。次もＰＯＰな曲。
M3コーヒールンバ
リズムに乗って歌いながら、客席に下りて歌い歩き。客席も暖まってきたのか、
手拍子。ＭＣ懐かしいと思ってる人は40歳以上。なんで男は若い娘にたちまち恋を
するのか？。に好きな人がいたら…。スズカツさんに恋の話をといわれたけど、
ないもない。ない自分が哀しい。映画「ＧＯ」。窪塚洋介君と◎◎さんが並んでいて
やっぱり窪塚君がいいわと、でも相手役は◎◎さん。マネージャーに聞いても…。
M4キャンディ (原田真二)
窓枠のスライド、椅子に座り、シルエットを重ね映し。この曲もたっぷりと情感を
こめ、メロウな歌い方にメロメロ気分。後半立ち上がり、歩きながら歌い。
ＭＣコンサートは普通自分の曲があるよなあ、わたしはない。新しい歌が歌いたなと
思ったけど、カンカン娘とか。バレンタインとか、女の子のイベントでも、そんな
ものな感じでなにもない。奇跡の人で競演した寺島しのぶさんから、ワイルド（なに
？）、育てるとフェルモンを出るようになる観葉植物を、いい感じなんですよと分け
てもらった（最近いい感じじゃないみたいだけど）。全然育たない（もうだめだあ）
それを聞いたエレクトラで競演したおばあさん女優さんがくれたのが、金のなる木
（もうやだあ）。これがほっておいても、よく育つ。結局、幸せは金なのかよ。
娘にもがんばんなよ、ギリギリだからと励まされてる。なにがギリギリ？。娘はハリ
ウッドの大金持ちと私が結婚するのが夢。ラストサムライにでたかった、小雪の役で
（爆笑）その笑いはどういう？。娘と妄想しっぱなし。長男はおとなしい、女の子と
初デート、母娘で覗いていた。娘というのが…。自分の話はなにもできない私。
せめて歌の中で誰かを愛したい今日この頃。
M5ガラスの林檎 (松田聖子)
思いのまま、声が裏返ろうとかまわずのまっすぐな歌唱がいい感じ。手袋を脱いで。
M6悪女 (中島みゆき)
一転、低いキー。行かないで〜♪、涙ぽろぽろ流れて枯れてから♪は、切々と
声がかすれるほどに、たっぷりと歌い込んで、もらい泣きしそう。
ＭＣ妄想タイムのほか、娘と怒りタイムがしょっちゅうある。家族とよく話して
いる。最近あった、怒ったこといろいろ。「人間を返せ」原爆投下直後のフィルム
（大竹20才のナレーション）。教師が途中で、これからは残酷だからと止めた。
おかしいそれはと、娘と激怒した。事実が知っていくのが教育なのに。ただ怒るのは
どうかと、冷静にならないと2人で反省。長男が全然怒らない（父親が違うせい？）
これがしっかりもの（ケチ？）。三田○子と言われちゃうよとたしなめられた
（問題発言）。斜め向かいに住んでいる三田さんのこと。長男は気持ちいいくらい、
穏やか。占いだと「山」、娘は「海」、私は「鉄」。怒らないで、成長していきたい
なと思っている。
M7花 (喜納昌吉)
ここで一旦引っ込み。
バンド・インスト
M8恋 (おおたか静流)
白のラメ入りロングドレス、肩にストール、客席側通路から再登場。ゆったりと朗々
と歌い込み。
ＭＣ詩を、いつもの詩を読みます。男と女が出会って、恋して…。ヴァイオリンの
音色に嘆くようなホーン、パーカッションをいれたり、場景、感情が浮かぶような
音楽を背景。言葉と内容にあった、間、抑揚、強調の巧み。ぐっと引き込まれる朗読
一人芝居、声の魅力◎。
リーディング 谷川俊太郎詩集「女に」より
ＭＣ夫婦でずっと一緒の人生が幸せかな、とは思うけど…。妹のいろいろあった離婚
の話。娘と一緒に励ましてる。いろんな境遇で強くなっている子供達のこと。２回
結婚して１回離婚して、とある劇作家と同棲してた。その時、幼稚園の娘（いまる
ちゃん）が父の日に父親の絵を描いてきた。みたら、劇作家の顔。娘いわく、描いと
いたから（とクールに）。アクティブな娘のこと。夜間中学のドキュメンタリー、
生徒達の暖かい人柄、かわいい人達の事。
M9虹の彼方へ (オズの魔法使いより。英語歌詞)
椅子に座って、背景は窓辺のシルエット。これも素直な歌唱。ＭＣ青い鳥って信じて
いれば、きっと心の中に。好きな本、サンタクロースってほんとにいるの？。当時
息子が湾岸戦争の映像をみて、神様は戦争をするために手をお作りになったのでは
ないよね、科学ではなく魔法が発達すればよかったね、と。そんな彼も大学で経済学
を学んで、金持ち志望。
M10 ハッピークリスマス (ジョンレノン 日本語歌詞)
ＭＣジョンレノンの歌はサンタクロースのように、ずっと残るのだろうなと。我が家
のクリスマス・パーティ。10台ニュースとか。私は今年始めて、一人旅。蜷川幸雄
さんからも観てきた方がいいと言われたり。ギリシャに行ったときのこと。世界で
一番古い劇場へいってきた。いまも使われている。2500年前は病院、病院に劇場が
あった。患者に合わせて、歌や芝居をみせて治療していたと聞いた。それでもダメ
ならメスを使う。そんな仕事をしていた役者がいた、自分もいい仕事しないと思った
奇跡の人のヘレン役の子は、実際三重苦の子に合いにいっている。自分は芝居のため
にというのは抵抗があって、いってなかった。今年始めていった。三重苦の少年と
出会い、彼の魂にちょっとふれたと感じられたときのこと。その時の気持ちを舞台
から演技を通して、みんなに伝えたい。でも、たくさん話したり、歌ったりして、
みなさんとふれ合いたいと思う時がある。こんなコンサートをこれからも続けていき
たいので、よろしくお願いします。
M11 見上げてごらん夜の星を
高らかにうたいあげる。会場の天井の星なランプが灯る。
アンコール 明日があるさ
ＭＣバンド紹介。楽しいひとときと思っていただければ、幸せ。生きていると辛い
ことも多いけれども、たまには自分のための楽しみがあっていいと思う。娘がホーム
ステイにいったときのこと。心配してばかりの母親に比べて、「さらばじゃ」の一言
で旅だった、潔くてかっこよかった娘のこと。皆の幸せを祈りつつ、アンコールの
曲。満場の手拍子。
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