シス･カンパニー「美しきものの伝説」
＠新宿 紀伊國屋ホール(2004/2/17-3/10 28ステージ)2/23,3/1休演
http://www.kinokuniya.co.jp/05f/d_01/hall/hall02.html
全指定 前売り当日とも6500円
作：宮本研 演出：マキノノゾミ[劇団M.O.P.] 美術：妹尾幸男 照明：小川磯雄
衣装：三大寺志保美 音響：堂岡俊弘 舞台監督：津田光正 演出助手：豊田めぐみ
映像：奥秀太郎 振付協力：謝珠栄 プロデューサー：北村明子
宣伝美術：後藤徹 企画・製作：シスカンパニー
出演：
・売文社（無政府主義）
段田安則 ：クロポトキン（大杉栄。無政府主義運動の中心人物）
キムラ緑子[劇団M.O.P.] ：野枝（伊藤野枝。婦人解放活動家。大杉の妻）
・売文社（社会主義）
浅野和之 ：四分六（堺利彦。光文社設立。社会主義活動を物心両面で支えた活動家）
松澤一之 ：暖村（荒畑寒村。社会主義活動家。日本共産党に参画後、労農派中心）
・青鞜社
深浦加奈子：サロメ（神近市子。新聞記者の傍ら、民主婦人協会設立。後衆議院議員）
山下容莉枝：モナリザ（平塚らいてう。市川房枝らと新婦人協会設立）
・芸術座
綾田俊樹[東京乾電池] ：先生（島村抱月。松井須磨子と芸術座設立）
高橋克実 ：音楽学校（中山晋平。抱月の書生を経て、座付音楽家。後国民的作曲家）
？ ：松井須磨子（芸術座の看板女優）
羽場裕一 ：早稲田（沢田正二郎。芸術座退団後、新国劇を設立）
廻 飛雄[ナイロン100℃] ：男優Ａ、尾行
少路勇介[大人計画] ：男優Ｂ、尾行
米田弥央[カムカムミニキーナ] ：女優Ａ、女給
小林彩子 ：女優Ｂ、女給
・築地小劇場
樋渡真司 ：ルパシカ（小山内薫。築地小劇場中心人物）
西川忠志 ：学生（久保栄。プロレタリア演劇活動に関わり、新協劇団メンバー）
田山涼成 ：突然坊、裏方、尾行
佐戸井けん太 ：幽然坊（辻潤。ニヒリスト。教師時代、教え子・野枝との恋愛で辞職）
2004/2/29(日)晴 1:31-4:14PM(1'11/休15/1'17) 後方より 客席ほぼ満員(410人)
客層：老若男女。女性過半数。コアな中年演劇ファンがぽつぽつ。
客入れ：当日券あり、補助椅子なし。ロビーに啄木、ロマンロランの文章掲示。
休憩開始後6分で幕間狂言と劇中劇開始(掲示あり）。そのまま二幕に繋がるので、実質
休憩時間は10分位。折り込みパンフ。Ａ４ １枚に配役、スタッフ掲載。
物販。パンフ(B5 35ページ 700円）相関図、歴史資料、役者紹介、対談とまんべん
なく掲載。サービス価格も○。
お話。大正期。ベルエポックな文化華やかな陰では、政治に不穏な変化がみられた頃
そんな時代に芸術の振興、デモクラシーの理想のための社会運動に走った人々の熱い
群像劇。
端正な名作とは思えど、ピンとこない。困ったねこ。できる役者が揃って、しどころ
をきっちり。熱い信条、切々とした心情ともに見て取れるんだけど…。名工の彫刻
みたいな、古風も美しい台詞が耳に心地よいのだけど…。歴史の予備知識少で、有為
転変に置いてきぼり気味なせいか、ねこの表面を素通り状態。なんか、ご馳走を逃が
した気分がして、残念ねこ。演出はテンポよく、こぎれいにまとめられ。ラストの
「ユーミンで桜 セピアの青春メモリー」はやりすぎ、安っぽくなって△（いや、曲でなくて
選曲が）。プロデュース公演なんに、一糸乱れぬアンサンブルは同窓（元夢の遊眠社）
の門下生多数なせいかしら。
役者。段田さん。入魂。緑子さん。心晴れ、また潤うねこ。
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