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 新国立劇場 「城 Das Schloss」

 @初台 新国立劇場小劇場 THE PIT(2005/1/14-30 15ステージ) 1/19トークあり
 http://www.nntt.jac.go.jp/
 全指定 前売り当日とも A席5250円 B席3150円
 Z席1500円 当日学生券50%割引(公演当日のみボックスオフィスとぴあ一部店舗)

 原作:フランツ・カフカ 池内紀訳「カフカ小説全集B」より 白水社刊
 構成・演出:松本修 美術:島次郎 照明:沢田祐二 音楽:斎藤ネコ
 音響:市来邦比古 衣裳:太田雅公 振付:井手茂太 文芸助手:宮坂野々
 演出助手:川畑秀樹 舞台監督:米倉幸雄 芸術監督:栗山民也
 主催:新国立劇場

 演奏:斉藤ネコ(ピアノ、ヴァイオリン、指揮)、柳沢二三男(ギター)、尾上サトシ
 (ギター)、関島岳郎(チューバ、トランペット)、楠均(ドラム、パーカッション)、
 佐藤芳明(アコーディオン)、梅津和時(サクソフォン、クラリネット)、井上富雄
 (ベース)、國吉静治(フルート、ピッコロ)、國吉美織(リコーダー)
 のらねこ合唱団 22名(詳細略)

 出演:
 田中哲司 :K

 坂口芳貞 :村長       /村人、召使、ピンツガウアー
 小田 豊 :バルナバス父   /村人、グラフス
 真那胡敬二:シュヴァルツァー /村人、召使、ビュルゲル
 福士惠二 :ゲルステッカー  /村人、生徒、召使
 小嶋尚樹 :橋亭主人     /召使、生徒、劇中劇のバルナバス父
 高田恵篤 :紳士荘主人    /村人、生徒、消防団員ゼーマン
 宮島 健 :エアランガー   /村人、召使、生徒
 AKIRA:ブルンスヴィック /村人、生徒、召使
 小河原康二:アルトゥーア   /村人、ソルティーニ、召使
 中田春介 :イェレミアス   /村人
 佐藤 淳 :先生       /村人、召使
 石母田史朗:バルナバス    /村人
 粕谷吉洋 :モムス      /村人、生徒、召使、劇中劇のバルナバス
 若松力  :ラーゼマン    /村人、生徒、召使

 石村実伽 :フリーダ     /生徒、村人、秘書
 大崎由利子:橋亭女将     /村人
 石井ひとみ:オルガ      /橋亭女中、秘書
 葉山レイコ:アマーリア    /橋亭女中
 秋山京子 :劇中劇のバルナバス母/洗濯女、紳士荘女中、村人、生徒、秘書
 井口千寿瑠:ミッツィ     /橋亭女中、生徒、ラーゼマン妻、秘書
 木下菜穂子:ペピー      /劇中劇のオルガ
 太田緑・ロランス:ギーザ    /赤ん坊を抱いた女、橋亭女中、村人、秘書
 金子智実 :劇中劇のアマーリア/生徒、紳士荘女中、村人、秘書
 平川 愛 :ハンス      /橋亭女中、村人、秘書
 松浦佐知子:紳士荘女将    /バルナバスの母、生徒
 2005/1/16(日)雨 1:01-4:44PM(1'32/休17/1'53)バルコニ上手 客席ほぼ満員(460人)
 客層:20歳代2?割、中高年層大半。渋色の大人客席。男性過半数。
 客入れ:当日券あり、詳細不明。重ね着の冬はクロークのある劇場がありがたい。
 1F全雛壇、中央後方まで役者通路。バルコニ席は見切れは少な目も斜め見になる
 ので△。上演四時間近いし。天井付近にカフカ語録ら投影、最前方は結構見上げる
 姿勢となり。折り込みパンフ。いつもの必要最小限の新国立版PLAYBILL。
 物販。パンフ(B5 31ページ 800円) 読み物いろいろ。ほか原作本など。

 松本演出のカフカ作品。初見。
 舞台。黒色のシンプルな空間、後方壁に三段のステージ。客席中央に舞台まで
 の通路。装置はテーブルと椅子ほか最小限を持ち込み式、しゃっしゃとスピーディ
 に転換。

 お話。冬里、宿に滞在できるのは「城」の関係者のみ。城から依頼の測量士とうそ
 ぶく?が居合わせた役人から否定され。電話をしてもらうと、意外なことに依頼は
 現実で人心地。しかし、幹部な役人は不在で指示待ち、城にもたどり着けない。
 双子の使えない助手がつきまとい、酒場の女とはねんごろ(いいや悪いやら)。
 迷わされてばかりで、役人からの沙汰を待つばかり。

 不気味も闊達な世界、懲りないKが一番不可思議。下から見上げ、不明な秩序に
 翻弄されるネズミ然な村人、またはのけぞりに権力を傘にきた山猫然な役人。
 彼らに翻弄されつつ、意外と困ってる風には見えない図太いK。シンプル、スタイ
 リッシュな芝居運びなれど、そんなマンガな可笑しさを感じさせるキャラで、総体
 まったり呑気印象ねこ。

 村人ら造りこみの細かさ故のまったり風味だけど、時々過ぎて眠くなったする
 ねこ。こなれすぎ?。災難を受け流すKのひょろり兵衛門ぶりもあって、ドラマが
 平坦にみえちゃうこともあり。執拗にどこか外す井手茂太振付がちょっとスパイ
 シーで助かり。

 役者。K・田中さん。膨大な台詞、出ずっぱりのハードさ。飾らないキャラが、
 状況からすると不可思議なほどクール。そこらが感情移入を阻んでいるようでも
 あり、うーん。福士惠二、高田恵篤、宮島 健。ちょっぴり怪演で、欲求不満ねこ。
 石井ひとみ。久々に演技がみられ嬉しい。もっと舞台にでてほしいねこ。

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