＠初台 新国立劇場 小劇場THE PIT(2005/4/8-24 15ステージ)17トーク
http://www.nntt.jac.go.jp/index.html
全指定 前売 A席6300円 B席3150円
構成・演出：渡辺えり子[宇宙堂]
作：綾田俊樹[東京乾電池]、いとうせいこう、
ケラリーノ･サンドロヴィッチ[ナイロン100℃]、杉浦久幸[劇団もっきりや]、
高橋徹郎[劇団天神王(休止中)、スター高橋]、竹内 佑[デス電所]、鄭 義信、
土田英生[ＭＯＮＯ]、別役 実、ふじきみつ彦＊、武藤真弓＊
＊=日本劇作家協会戯曲セミナー生、筒井康隆(原作使用)
美術：加藤ちか 照明：中川隆一 音楽：近藤達郎 音響：原島正治
振付：菅原鷹志 衣裳：矢野恵美子 演出助手：田坂幸子 舞台監督：安田美和子
日本劇作家協会共同企画 監修：別役 実、永井 愛
芸術監督：栗山民也 主催：新国立劇場
出演：
綾田俊樹[東京乾電池]、石井里弥、円城寺あや、片岡弘貴、金内喜久夫[文学座]、
神保共子[文学座]、腹筋善之介[Piper]、矢崎 広、山崎清介
2005/4/24(日)晴 1:03-3:21PM(2'15) 後方より 客席満員(320人)
客層：大人よりの老若男女。渋谷というより浅草雰囲気。女性6,7割。
客入れ：当日券あり、階段の列はキャンセル待ち？。大きく張り出し舞台、上手
中段にサブステージあり。2時間越が腰にくる堅い座席、クッション追加を今回も
要望。折り込みパンフ。いつもの小冊子に必要十分量。物販。パンフ(B5 31ページ
800円)鶴瓶×えり子対談、別役実ほか寄稿。写真付き紹介。笑いについてうんちく
話とか。
笑いをテーマにした、詰め合わせ（あり合わせ？）な祭り企画。メンツの基準が
よくわかんないですね、ねこ。
会場、舞台。電飾を巡らし、レトロな芝居小屋ムード。客席側壁に広告壁、黒猫
ロケット便、マイナスイオンこたつ とか懐古を装いつつシュール。正面ステージ
は丸く突出、ベルベット緞帳がいかにも「劇場」。客席中程にこれも赤くサブステ
ージ。
構成。人間と妖精、ぼけとつっこみ漫才、憎しみ合う夫婦、犯人と刑事、命の電話
相談員と相談者…。さまざまなシーンでのディスコミュニケーション。楽器演奏を
箸休みにいれての21場。
バラエティつうかバラバラの珍妙さ。毒気ある個々を健康的な興行形式でまとめ。
脚本と演出にずれあり。作品になじんでない新劇役者も同様、一座のバックステー
ジものな仕掛けも生かせず。うーん、ソリストは結構いけるのに、アンサンブルは
も一つの企画オーケストラみたい。困ってしまうねこ。調子こきながら毒気を放つ
デス電所・竹内佑作品(2,4,20）と、とほほでくだらな
く、シュールな高橋徹郎作品
(11)が収穫。
構成覚え書き
客入れ時。笑って死にたいなど戯曲販売とアナウンス。音楽はなぜか民謡。
・第１場 コミュニケーションズ
石井里弥 ：藤原茜
円城寺あや：鈴木道代
金内喜久夫：金内万作
早く初めてと少女、座員金内はダメと止め。バタバタと女性劇場係員は、続々と
鳴る携帯電話に困り顔。２５０回記念の最終公演は決めたいのにぃ。
・第２場 森の妖精 作：竹内佑
綾田俊樹 ：妖精
石井里弥、円城寺あや、片岡弘貴、金内喜久夫、矢崎広：ウサギ
神保共子 ：小リス
腹筋善之介：男１
山崎清介 ：男２
森を彷徨う営業マン、先輩男１と男２。妖精がいてくれたら道を教えてくれるの
に。幻覚？。妖精っていうわりには年をとっていないか？。かーぺっと痰を吐く
妖精。あれはフェアリーシロップと男２、あげくさりげに妖精と会話始め。
かわいげな仕草で妖精はとんでもない悪。森の動物を恐喝、あげくに刺殺。おい
おい。
・第３場 コミュニケーションズ
綾田：ベース 石井：トランペット 円城寺：ウクレレ 片岡：太鼓
金内：ドラム 神保：三味線 腹筋：トランペット 矢崎：エレキピアノ
山崎：ギター
楽器演奏。
・第４場 お笑い界 作：竹内 佑
腹筋善之介：東 山崎清介：西
見ざる聞かざる兄弟で〜す。お笑い界という世界をデパートに例えてみましょう。
迷子をお捜しの方に買い物強要。次は清原です、なんじゃそれ。催し物売り場では
スジャータの実演販売、ってどんなんや。
・第５場 バス停のある風景 作：別役 実
金内喜久夫：男１ 神保共子：女１
携帯電話で会話してる男女。女は、亭主の保険金殺人計画を依頼中。男は、自分の
自殺の要領を確認中。女は今日中に亭主に死んでほしく、男は今日中に自殺して
妻の保険を反故としたいという。果たして、二人？。
・第６場 立てこもり 作：いとうせいこう
綾田俊樹 ：おやじ（立てこもっている屋台の親父）
神保共子 ：女性（人質）
矢崎 広 ：犯人
山崎清介 ：警部
腹筋善之介：特機Ｂ
片岡弘貴 ：特機Ｃ
ラーメン屋台の前に刑事と機動隊。犯人は屋台の親父と女性を人質にとって「立て
こもって」いる。しかし、まるっきり見えきりな屋台と商売してる弥次と出入り
自由な人質。これは、立てこもりといえるのだろうか。必死な刑事と機動隊に
比して、屋台の人達は呑気顔で。
・第７場 コミュニケーションズ
金内喜久夫：金内 山崎清介：山崎
金内は電気がもったいないので、体内に溜められないかと考えたという。ネタより
も、台詞を忘れてしどろもどろの金内さんに笑い。
・第８場 蟹を食う 作：鄭 義信
綾田俊樹：チチ
神保共子：ハハ
石井里弥：ハナコ（娘）
矢崎広：イチロウ（息子）
円城寺あや：林好江（ママさんコーラス）
金内喜久夫：男性Ａ（同上）
片岡弘貴 ：男性Ｂ（同上）
山崎清介 ：男性Ｃ（同上）
腹筋善之介：森（林の友達）
道の途中にちゃぶ台をおいて、お茶の間しちゃう家族。居間と思いこめと言われて
も、どうみても道。チチは当惑顔。蟹鍋が始まり。どうも夜逃げの途中らしい。
やがて、やけっぱちか和みはじめ。盛り上げるため、ママさんコーラスの一行が
到着、さらに友達まで歌に加わって、ごちゃごちゃ。
・第９場 存在証明 作：杉浦久幸
円城寺あや：男 矢崎広：タカシ
ヤクザの車を傷つけてしまったタカシ。祖母に修理代の振込を願うが、オレオレ
詐欺と勘違いされ、切られてしまう。どうやっても、実の孫と信じてもらえない
タカシ。しっかりしてくれよと、あまりに自分ってものがないタカシに困って
しまうヤクザ。
・第10場 ライフライン 作：ケラリーノ･サンドロヴィッチ
片岡弘貴：藤本（ふがいない相談員）
山崎清介：佐野玲子（説得力があるベテラン相談員）
腹筋善之介：常駐（説得率100%の敏腕相談員）
石井里弥：アカネ（自殺癖がある女子高生）
金内喜久夫：サラリーマン（自殺相談してきた男）
矢崎広：若者（アカネの恋人）
命の電話相談室。ベテラン相談員の見事な話術に、転職してきた男は感心する
ばかり。半年も電話をとろうともしない彼に発破をかける同僚。ベテラン相談員に
頼りたいばかりに自殺を繰り返す女子高生から電話。ふがいない男の言葉に最初
キレルも、やがて目が覚める女子高生。お礼の電話をふがいない男へかけてくる。
しかし、ふがいない男は掛敏腕相談員の一方的なやり方をまねて怒号、女子高生は
ショックを受けてしまう。最近の若い娘の話はよくわからないって、それはふがい
ないお前の方だろう？。
・第11場 有田焼の男 作：高橋徹郎
腹筋善之介：有田焼
金内喜久夫：先生
石井里弥 ：看護婦
頭が有田焼の壺になってしまった男。医師に相談するが重要文化財と見立てられて
、助けにならない。医師の娘、巨乳看護婦との見合いを勧められ。実は娘の父は
陶器製、似た者通しならいいだろうの理屈で。
・第12場 フルムーン 作：綾田俊樹
綾田俊樹：晴夫
神保共子：邦子
石井里弥、円城寺あや、片岡弘貴、金内喜久夫、腹筋善之介、矢崎広、山崎清介
：フラダンス
フルムーン旅行の老夫婦。実はと浮気の打ち明け話。これがしゃれにならず、
互いの隠し事を暴露、罵倒し合うことに。
・第13場 犬の沈黙 原作：筒井康隆 脚本：ふじきみつ彦
綾田俊樹：養父（美術家）
山崎清介：俺（養子）
矢崎広：木口成美（雑誌記者）
腹筋善之介：木口・兄（記者の兄）
片岡弘貴：妻（美術家の妻）
引退した美術家の家へインタビューにきた雑誌記者。ヘルパーの養子が話を向けて
も、記者は黙して仕事を始めようとせず。不気味なほど無口、美術家も同様。
無口かと思いきや、突然キレル記者。養子にインタビューをしろと、訳判らない。
そこにさらに無口な記者の兄も加わって、養子もんぜつ。
・第14場 コミュニケーションズ
綾田俊樹：綾田熊吉
神保共子：鈴木良枝
金内喜久夫：金内万作
山崎清介：靖
腹筋善之介：鉄也
矢崎広：弘之
片岡弘貴：塚田
石井里弥：藤原茜
円城寺あや：鈴木道代
バックステージ、座員達はドタバタ、七転八倒。大事なのは「コミュニケーション
だず」が座長の口癖だったと昔話。入団希望の少女・茜がやってくる。あなたが
最後のお客で役者志望と残された座員はしみじみ。
・第15場 ボスと男たち 作：武藤真弓
金内喜久夫：ボス
山崎清介：男１
片岡弘貴：男２
腹筋善之介：男３
ヤクザの抗争、報復の手段を思案するボスと部下。人道主義のボスは、非道な手下
の提案を却下して諫める。
・第16場 仁義の逆襲 作：綾田俊樹
綾田俊樹：親分
円城寺あや：浜子（組員）
神保共子：定吉（組員）
15場の抗争相手先親分。亡き女房の料理の匂いが染みついた換気扇を、金内組に
奪われて、憤る親分と組員。代わりの換気扇も見つからず、親分は怒髪天ならな
頭沸騰。やかん沸騰な仕掛けの綾田さんに、しょうもない可笑しさ。
・第17場 コミュニケーションズ
金内喜久夫：金内（先客）
山崎清介：丸山（船の乗務員）
片岡弘貴：清掃員
電柱をもって船に乗り込んでいる金内と後輩の役者。金内の壮大な計画、別役氏の
電柱で筏をつくり、不条理の海をこぎ出す とか。
・第18場 坂本 作：土田英生
円城寺あや：高原 山崎清介：丸山
丸山を「坂本」と人違いしたらしい高原。彼女は、なぜか「丸山」が可笑しくて
しょうがないらしい。曰く因縁がありそうだが、どうにも要領をえない。
・第19場 カレーライス 作：渡辺えり子
綾田俊樹：綾田 金内喜久夫：金内
石井、円城寺、片岡、神保、腹筋、矢崎、山崎：○
体にダイナマイトを巻き付けた金内、説得する刑事。そこに芸術は爆発、と太陽の
塔かぶり物の綾田がやってくる。なんか説得したりしている内に、カレーライスの
作り方教室、さらにカレーライスそのものになってしまう。ごったに人類は兄弟、
これがコミュニケーション。
・第20場 親子 作：竹内 佑
腹筋善之介：東 山崎清介：西
見ざる聞かざる兄弟。親子の会話がないと回想。子役の時空が食い違い、会話に
ならん。
・第21場 コミュニケーションズ
第３場と同じ
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