＠天王州アイル スフィアメックス(2005/3/18-19 2ステージ)
http://www.tennoz.co.jp/sphere/
全自由 前売一般2500円 学生2000円 当日3000円
主催：NPO法人Japan Contemporary Dance Network(JCDN)
協力：STスポット、セッションハウス、財団法人セゾン文化財団
企画制作：JCDN、踊りにいくぜ!!東京公演実行委員会
テクニカル・ディレクター、照明：アイカワマサアキ 音響：サエグサユキオ
舞台監督：三枝淳 平成16年度文化庁芸術団体人材育成支援事業
出演ほか下記。
2005/3/19(土)晴 3:05-5:24PM(1'06/休12/56) 前方より 客席満員（180人）
客層：20-30歳代中心に老若男女、幅広く。男女半々。
客入れ：並んだ順に入場。桟敷2列、椅子席7列。桟敷の入口よりには遅れてきた人
用と書かれた席あり。後方が見やすいと誘導。開演前に事務局から企画の趣旨の
説明あり。折り込みパンフ。B6 4ページ。挨拶、プログラム、出演者紹介、プロ
ジェクト実績。物販。2001?公演ＤＶＤ、ダンス関連書籍とかいろいろ。
大橋可也＆ダンサーズ以外カーテンコールあり、天野由起子は2回。
倍の料金でもお得感ある、気鋭の５カンパニ詰め合わせ。恒例のツアーまとめ公演
東京役得とか思うねこ。
出演。ツアー最多公演数の１、山崎広太CO.参加・松山の顔な２、昨年話題沸騰の３
、あがた森魚の生ライブも美味しいすごい４、最注目・枇杷系の彼女の新作５。
と目白押し。
いずれも満腹な充足感あり。取り分けては2極端が突出。ハード＆クールの３に
衝撃をうけ、ソフト＆メロウの５には酔わされたねこ。３。辱めと苦痛に苛まれる
ミウミウの身体のすさまじさ、臭うような女性の生理的情感。相手役かすらはっきり
しない、ほとんど動かない大橋の醒めた体。何度みても興味つきないパフォーマンス
と思うねこ。次回、旧新作とも楽しみ。５ちょっといい香りをのせた、とろーんと
した空気に包まれるよな、感触。美しく、こじんまりなるも変化に富んだ動き。
舞姫という言葉も浮かぶ魅力。枇杷系は今年少人数公演も多く、期待ますますねこ。
１中島由美子（広島）「とべた、とべたよかあさん」 20分
振付・出演：中島由美子
舞台。横広の白パネルが正面奥。
構成。1赤セーターのすっらっとカジュアル服。すらすらとパネルのしだい飛び
上がるな人の線画。2パネル前で突っ伏して嘆き。3曲目失念。バラッド 私のこと
を忘れないで〜♪床をかきむしるように身もだえる。4ステージ上、乱調子で踊り
頭と体をぐるぐる。片足脱ぎした靴下を口にくわえて、客席に放りなげる。5浜田
真理子 THE CROW♪。手、頭、手先でぐるぐる。6はっと目覚めたような顔、冒頭
の飛ぶ人の足下に階段を描く。夢想から現実に立ち返ったの体。
心のまま素直に踊りしつつ、几帳面に帰結する物語構成。曲調や歌詞に沿った動き
や折々の感情表現がわかりやすい。かといって、弛緩せず自己中に墜ちず、興味
津々とみせて、凡庸な私小説ダンスより上々印象。その後の「近況」な舞台がみた
いねこ。
２星加昌紀（松山）「帰還者」 22分
振付・出演：星加昌紀
舞台。下手手前、缶コーヒーを足とした対戦途中の将棋盤。
構成。Ｔシャツ頭かぶり、手に下駄四つん這いで私は宇宙人MC。切腹ポーズなど
交えつうろうろ。将棋の駒を吐き出し、ためすがえす。光の輪の中に閉じこめられ
、メカ音悶絶。将棋盤もち、駒まき散らし。ＧＩジョー人形が誰何しながら銃撃、
人が燃えるマイム、合間にコーヒーで一息入れ。
戦争の危機感と現実の距離感を、同時代に盛り込み印象。わかりやすいマイムを
唐突にいれ、歪んだ動きの中も笑いを生み。一途な様ととも、もの悲しさも伴い
味わい。
３大橋可也＆ダンサーズ（東京）「あなたがここにいてほしい」 21分
振付：大橋可也 出演：大橋可也、ミウミウ 音楽：スカンク
舞台。下手奥にミキサー類とギター。
構成。上手、キャミソールとパンツ姿の短髪女子がぶらぶら。剃髪のすらっとした
男性が上手ドアから登場。下手のパイプ椅子へ座り、前を興味深くみている。女子
、コンビニ袋からおにぎり立ち食い、突然吐き出し麻痺。恥ずかしげに微笑、媚び。
男は眉をよせたり、目を見張ったりと表情に淡く強弱。ノイズ音楽はギターソロを
いれ。女子、手足をねじ曲げ悶絶。男、椅子下に崩れ、後ろ向き。肩にパイプ椅子
を掛け持ち、後方に下がって、女子をみやった後、走り出す(その場ポーズ)。
女子、くるしみ出す。始まったのと同様、女子はふらっと袖に消え、男は無造作に
扉をあけて消える。やりっぱなし。
昨年のトヨタコレオグラフィーアワードでも評判だった作品、とか。なるほろ
ハードコア。女子ミウミウのパンキッシュな動きと、濡れる感情の発露。野郎大橋
の抑制されたクールで謎めいた表情。お客置いてきぼりの暴力性もかっちょよく、
痺れるねこ。
休憩
４福岡まな実（大阪）「夜島」 32分
振付・出演：福岡まな実 歌・演奏：あがた森魚 衣装：yum(梵＆秀）
舞台。下手にアップライトピアノとギター。
構成。あがた森魚のライブで４，５曲。福岡まな実の名を織り込んだり、この場の
オリジナルとし。赤いワンピース。上手袖からそろりと現れ、中央、その場にたた
ずみ、見入る。音楽はいろいろな街から発する人のことを呼び。突然、激しく壁を
蹴り始める。体育座り。声を出したり、激情の一部をみせ。あがた氏マラカスを
もって「君のこと好きだから とても不思議さ」と周回。手を首にあて、激しく
振り下ろし回す動きとか。最後は、ビーマイベイビー♪。ゆるやかにまた激しく、
緩急をつけた動き。
あがた氏とのセッションという贅沢企画。微睡むようにゆったりとしながら、時に
感情を爆発させる。手振りを中心に体全体で波にのるような動き。内省を伺わせた
たずまいが印象に残るねこ。漂い、包むようなあがた氏の音楽は適度の距離感を
もって付き従い、ほどよい心地よさに微笑むねこ。
５天野由起子[枇杷系]（東京）「コノ世ノ」 20分
振付・出演：天野由起子 衣装：さとうみちよ Special Thanks：サコノブユキ
舞台。素舞台。上手下手、四角の照明で赤と緑の場をつくり。
構成。シェラザード序曲の官能的な旋律に、鼓動音がかぶり。ストライプ（だっけ）
ワンピ、上半身を覆うような金髪。物憂げ、瞑想するように左右。上手下手の場所
では感情の違い？を伺わせるそれぞれの動き。全体、波とも風とも、しなやかな
手ぶりが印象。シャンソン音楽。金髪を脱ぎ、胸に抱き、すっくりと自立。赤と緑
のそれぞれの有様も融合、同化していく。
スイート＆メロウな雰囲気やよし。謎めきに妖しく、そこがかわいくもあり。
きれいに泳ぐよな動きに見とれても、女立ての物語に興味津々しても、いずれも○。
すっかり、引き込まれてしまったねこ。
［月間一覧］