＠渋谷 青山円形劇場(2005/8/19-9/13 25ステージ)
http://www.aoyama.org/
全指定 前売り当日とも6500円
作：デヴィット：マメット（David Mamet） 演出：長塚圭史［阿佐ヶ谷スパイダース］
美術：堀尾幸男 照明：小川幾雄 衣装：前田文子 音響：加藤温
ヘアメイク：大和田一美 演出助手：坂本聖子 舞台監督：瀧原寿子
帽子制作：アトリエトシ 殺陣指導：川原正嗣、前田悟 宣伝美術：平田好
プロデューサー：北村明子 企画･製作：シス：カンパニー
出演：
八嶋智人［カムカムミニキーナ］ ：エドモンド
大森博史 ：バーテン、サクラ、質屋主人、伝道師、黒人囚
酒井敏也 ：見物人、売春宿マネージャー、フロント係、教戒師
小松和重［サモ・ アリナンズ］ ：バーマネージャー、詐欺師、質屋店員、取調官、看守
中村まこと［猫のホテル］ ：バーの男、チラシ配り、質屋客、ポン引き、警官
平岩紙［大人計画］ ：ピープ・ショー・ガール、売春婦、書記
明星真由美 ：占い師、ホステス、サクラ、帽子の女、看守
小泉今日子 ：エドモンドの妻、サクラ、グレナ
2005/09/11(日)豪雨 3:16-4:46PM(1'29)入口側後方 客席ほぼ満員(360人)
客層：20-30歳代女性7,8割、お友達連れ多め。中年男性結構。
客入れ：2:30PMピークに、屋外にでられないほど激しい集中豪雨。ため、開演15分
押しとアナウンスあり。開演定時で7割の入り。反対側が見えて恥ずかしい、
完全円形客席。調度はほぼパイプ椅子なので見晴らし良好。クーラー効きすぎ、
濡れた身には辛いものあり。 折り込みチラシ、数枚。明星さん公演情報のＤＭ会員
募集あり。本格復帰が喜ばしい。折り込みパンフ。A4 1枚。配役、スタッフ掲載。
物販。パンフ(A5 22ページ 600円)役者インタビューほか、テキスト、写真とも
程よい量。
カーテンコール1回1分。最後に八嶋さんからお礼とお詫び。開演時間まで時間が
あったので、心の準備がたくさんでき、よい芝居ができたと思います(笑）、とか。
「シカゴの性倒錯」でも知られた作家、1982年初演作。はっちゃけ持ち芸・八嶋智人
をタイトルロール、名脇役役者を揃え、気鋭の長塚圭史を演出に迎えての上演。
舞台。シンプル至極。完全円形劇場と舞台。周囲の壁は真っ赤、中央の舞台は黒地に
鮮血な赤を散らす。調度はこれも同様色のパイプ椅子のみ。トランク、小棚は持ち
込み、または仕込み式。
お話。転落から救済へ至る、小心男の不満足なロードムービー。ニューヨーク、凡庸
なサラリーマンはなんでか相談の占い師からの、居場所違いかも？を真に受けて
出奔。妻を捨て、欲望はでっかく、財布と根性は小さく、夜の歓楽街へ。トラブル三昧
で翻弄され、ついに殺人を犯してしまう。投獄された同室の囚人に暴行を受け、
茫然自失。だが、しがらみから解かれたよな、自由を感じアナザーステージ到達！？。
物語をクリアに浮かばせる、ストレートで鮮烈な美術。与えるのでなく考えさせる、
細心の演技。主人公以外は１人多役、シームレスな場面転換は目まぐるしくスピー
ディ。そんな急展開にどつきまわされて、主人公の孤独と困惑が浮かび上がり。
不幸ではないが不満足、聞くより語りたがり、自己中の甘えん坊の主人公。こまった
おじさんに同情は感じないけど、きりきり走る身内の痛みと転びたい衝動は他人事と
思えないねこ。うーん、つるかめつるかめ。
役者。キャラを立てず、奇をてらわずのストレートプレイ。八嶋さん始め、なんか
真逆のキャラ芝居が売りの役者がぐっとこらえて、真摯に内省。新鮮味とも、さすがの
実力が知られて、ふーむねこ。祝役者復帰の明星さん。深みのある声と佇まいが
変わらず素敵。小泉さん。醒めた表情、目線にしびれるねこ。物言わぬ多弁ぶりがクール。
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