＠三軒茶屋 シアタートラム(2005/7/8-8/7 36ステージ)月曜休演
http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/frame.html
全指定 前売り当日とも6500円
作：宮本研 演出：井上尊晶 美術：加藤ちか 照明：小川幾雄 衣装：前田文子
音響：尾崎弘征 ヘアメイク：大和田一美 演出助手：長町たず子
舞台監督：榎太郎 プロデューサー：北村明子
宣伝美術：平田好 イラスト：江津匡士
企画･製作：シス・カンパニー 提携：世田谷パブリックシアター
出演：
小林聡美 ：鏡子（金之助の妻）、細君(「吾輩」）、夢の女（「夢十夜」）
高橋克実 ：金之助（夏目漱石）、苦沙弥(「吾輩」）、庄太郎（「夢十夜」）
高橋一生 ：我輩（飼い猫）、周（魯迅）
梅沢昌代 ：御三、女中
坂田 聡 ：寒月(「吾輩」）、金魚売り
山崎 一 ：迷亭(「吾輩」）
綾田俊樹[東京乾電池] ：二葉亭四迷、多々良三平
2005/7/30(土)曇 2:03-3;49PM(1'45) 前方より 客席超満員（250人）
客層：年齢層高めの老若男女。女性過半数。男女お友達連れ多め。
客入れ：当日券は電話予約のみ？。最後尾トラムシート(バーに半尻のせ）一杯、
補助椅子は見あたらず。最前列撤去雛壇にＢ−Ｌ、前方の両端でも大丈夫。
エアコン効きすぎ、弱冷房希望。無料ロッカーの返却コイン取り忘れ注意。
折り込みパンフ。A4 1枚 配役、スタッフ。
物販。パンフ(A5 26ページ 550円)オールカラー。役者インタビューほか。かっ
ちりとした読み物多し。 カーテンコール間を空けて2回1分。
「美しきものの伝説」に続く、宮本作品再演第二弾。もしかシリーズ化？。82年
文学座初演(北村和夫、太地喜和子主演）とか。
舞台。縁側限定の特異さ、工事中の稽古場かと思っちったねこ。素舞台の三方に高く
イントレ。中央は開いて、劇場正面の赤い扉をのぞかせ。手前舞台幅にわたって
廊下、山水が描かれた襖障子で縁側に転じ。劇中劇では赤基調の花札めいた背景に
リバーシブル。縁側の上手手前にマンホール１。
お話。後の文豪と呼ばれる夏目漱石、実は神経質で身勝手な頑固者。そんな夫に
歯に衣着せず、対等の物言いをする妻。折り合わないようで子沢山、長らく連れ
添った不思議夫婦。未知の外国、自我意識と対峙した漱石のもうひとつの未開地＝
妻との秘めた情交。を、同時代との文豪らとの日常交流、漱石の作品世界を劇中劇と
交錯させつ、描いていく。
すらっと美味しいふぐ刺し、淡泊も滋味な上手さ。なんだけど、なんか食い足りない
感あるねこ。過ぎるくらいシンプルな装置。なにげに、でも深みを持たせた台詞。
１人多役を達者に演じる役者。万全の布陣で、現実と内省＝小説世界をフットワーク
よく往来。テンポ快調の中も、内と外のなんたるかを世界、世間、文学、夫婦につき、
匂わせ重ねる手腕は上々。かちっとした筆致の会話の箸休めと、吾輩モデル猫役を
自由と遊ばせ、転換手助けと茶目っ気みせて、これも美味しい。
と大満足たいな内容も、なんか総花的で、ぽけらんとした食べたりなさがあるねこ。
役者ももっと踏み込み＋自由度あげてもとも。うーん、贅沢病？。
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