＠初台 新国立劇場小劇場(2007/4/18-28 13ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/index.html
全指定 前売当日とも A席5250円 B席3150円 Z席1500円
脚本：シャン・カーン 翻訳：小田島恒志 演出：栗山民也
美術：島次郎 照明：勝柴次朗 音響：秦大介 衣裳：宇野善子
ヘアメイク：佐藤裕子 演出助手：宮越洋子 舞台監督：米倉幸雄
制作担当：茂木令子 広報：高梨木綿子 芸術監督：栗山民也
主催：新国立劇場
出演：
銀粉蝶 ：ドッティ(母)
北村有起哉：サニー(弟、元サッカー選手)
中嶋朋子 ：ヘザー(姉、元麻薬中毒者)
伊藤聡 ：クレランド・アンダーソン(ラジオDJ)
2007/4/21(土)曇 6:00-8:01PM(2'00) 最前方下手 客席9割(310人)
客層：老若男女幅広く、20歳代女性と中年層中心。男女半々。
客入れ：平床3列、ひな壇に12列。Z席20×2 空席あり。折り込みチラシ
劇場リーフレットとも少々。物販。パンフ B5 800円。読み物いろいろ。
カーテンコール2回1分。
パキスタン系イギリス人作家作品、世界初演。
舞台。油断すると滑り台。上手手前へ傾斜したワンフロアの貧乏所帯。全体に煤けた
漆喰壁の殺風景な空間に使い古した調度類。下手中央に入り口ドアとスタンドライト
上手壁にシンク、オーブン、棚、冷蔵庫。寝室への開口、脇にベンチ、小テーブルに
ラジオ。中央にテーブル、不統一の椅子が点々と７つ。
お話。イギリス地方都市。イスラム教徒排斥運動に入れあげている息子と暮らす母。
そこへ、麻薬中毒のあげく家出した姉が戻ってくる。あろうことか、イスラム教徒の
格好で。
ガチンコ勝負で三つどもえ、緊迫の会話劇。血の気が多く、刺激的な現代イギリス
作家らしい作品。宗教に帰依し安息を得る姉、異教を排除することでコミュニティの
独立と自分を保とうとする弟。宗教、世界観が異なる2人が対決。現実的な母は生き
るに精一杯で、トラブルに戸惑いといらだちを隠せない。
この「社会的」な絡み合いに、家族の結びつきが相まって、複雑ながらも普遍なもの
とし。終盤、父の正体を巡り、更なる爆弾を投下。ねちっこいまでに絶やさない衝撃
アイテム、絶えない緊迫感がスリリングでたまらないねこ。
役者。もてあまして自ら惑う弟、北村君の集中、持続力。毅然とした姉、中村も
また。いらだってもリズミカル、黙っても存在感ある母、銀粉蝶。彼女の歌を久々に
聴きたくなったねこ。
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