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 新国立劇場制作「アルゴス坂の白い家−クリュタイメストラ−」
 「三つの悲劇」ギリシャからVol.1

 @初台 新国立劇場 中劇場(2007/9/20-10/07 17ステージ)
 http://www.nntt.jac.go.jp/
 全指定 S席7350円 A席5250円 B席3150円 Z席1,500円 当日学生券50%割引
 「三つの悲劇」3作品特別割引通し券あり
 
 作:川村毅 演出:鵜山仁 美術:島次郎 照明:服部基 音楽:久米大作
 音響:上田好生 衣裳:原まさみ ヘアメイク:宮内宏明 演出助手:上村聡史
 舞台監督:北条孝 総合舞台監督:矢野森一
 出演:
 中村彰男 :島岡(劇作家)
 小林勝也 :エウリピデス *[文学座]
 
 有薗芳記 :勝山(演出家)、中年男、ヘクトル
 佐久間良子:クリュタイメストラ(女優)、島岡の母
 磯部勉  :アガメムノン(クリュタイメストラの夫、映画監督)
 小島聖  :エレクトラ (クリュタイメストラの娘、新進作家)
 石田圭祐 :アイギストス(クリュタイメストラの愛人、シナリオライター)*[文学座]
 篠崎はるく:イピゲネイア(クリュタイメストラの娘、女優の卵)
 山田里奈 :クリソテミス(クリュタイメストラの娘) *[文学座]
 山中崇  :オレステス (クリュタイメストラの息子)
 松本博之 :ピュラデス (オレステスの友人)
 李丹   :カッサンドラ(アガメムノンの愛人、女優)

 2008/9/23(日)曇 1:05-3:46PM(70/休21/69)最前列中央 客席4割(500人)
 客層:中年最多の大人客席、女性過半数。
 客入れ:1-9列と両サイドを撤去。最前列だと青山円形劇場並に至近。中段と
 サイドに空席多数。折り込みチラシ いつものリーフレット。ほしい人がもって
 いく形。 ロビーでオペラなど舞台美術模型や衣装を展示中。
 物販。パンフ B5 800円。作演出ほかの座談会など読み物充実。
 カーテンコール2回1分。

 新芸術監督・鵜山の企画第一弾、今時のギリシャ悲劇連続上演その1。
 舞台。広大な舞台に、敷物と白い家型の壁で「白い家」を模し。舞台全体が移動でき
 る機構を結構使い、まるごと移動展開とか大胆に演出。ほか家系図垂れ幕とか、
 トロイの巨大木馬とか、野外劇ムードに登場。

 お話。夫・アガメムノン殺しの報いをうけ、子供らに殺されるクリュタイメストラ。
 呪われた家族の宿命を負ったギリシャ悲劇を、芸能一家の物語として翻案。しかし、
 当の本人達はもうひとつ自分の役柄がぴんとこない。というのも、その劇作家の脚本
 が煮え切らないからだ。作家は新宿で偶然であった、ギリシャの三大悲劇詩人の一人
 ・エウリピデスに助言を請う。そこから始まる、3重?入れ子なお芝居。

 くだけた筆致で横道脱線、猥雑で生っぽい、大衆的なてんぷくギリシャ悲劇。トロイ
 戦争を同時多発テロ、そして戦時下で荒廃した日本の未来図と導き。妄想大好き、
 自由な立ち位置の作家らしい、型に囚われない実験舞台印象。七面倒くさく、問切り
 の悲劇に収まらない複雑怪奇模様も難解なことはなし。相関図での説明、つっこみ役
 の作家の対話など適時おもしろ進行の工夫あり。いつまでたっても単純明快で強烈な
 ギリシャ悲劇には成らず。そこら面倒な今時の悲劇と復讐の有様を逆説に浮かばせて
 、ふーみねこ。

 役者。有薗芳記。荒ぶる有薗節を久々に耳にして、嬉しいねこ。

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