＠初台 新国立劇場 小劇場(2008/6/11-22 13ステージ)
http://www.nntt.jac.go.jp/cgi-bin/index.cgi
全指定 A席5250円 B席3150円 Z席1500円 通し券14250円
脚本：早船聡[サスペンデッズ] 演出：松本祐子[文学座]
美術：島次郎 照明：小笠原純 音響：藤田赤目 衣装：前田文子
ヘアメイク：鎌田直樹 演出助手：宮越洋子 舞台監督：加藤高
芸術監督：鵜山仁 主催：新国立劇場 制作担当：太田衛
出演：
渡辺美佐子：佐和子（浦安・釣宿「升本」女将）
浅野和之 ：茂雄 （佐和子の長男）
野村佑香 ：ミオ （佐和子の孫 長女の娘）
八十田勇一：杉田 （釣宿常連客）
浅野雅博 ：照之 （釣宿常連客）
弘中麻紀 ：朝子 （照之の妹） [ラッパ屋]
佐藤銀平 ：勇太 （釣宿バイト）[演劇集団円]
品川徹 ：峰島 （釣宿常連客 元漁師）
2008/6/15(日)晴 1:05-3:08PM（2'03）前方下手 客席ほぼ満員(300人)
客層：20-30才代と中高年。女性過半数。
客入れ：ひな壇に椅子席15列、当日バルコニー席は18×2列。折り込みチラシ少々と
無料リーフレット配布。物販。パンフ B5 36ページ 800円。作演出対談、岩松了
「早船聡入門」、運劇ウォッチャーが語る今回企画座談会ほか、盛りだくさん。
3作品の台本 B6コンパクトサイズ 各400円。お手軽なのでみな買ったねこ。
カーテンコール1分2回。
新進気鋭の若手作家作品を、手練れの演出、俳優陣で上演するシリーズ第一弾。
岩松了系譜？早船聡＠サスペンデッズ＋演出巧者・文学座松本祐子にて。
舞台。一見大衆食堂、実は釣り船宿。さまざま置物や調度、飾り気のない生活感、
清潔さが心地良い装置。上手半分、コンクリート床に簡素なテーブルと椅子が点在。
上手に洗い場、トイレ、売店。鴨居に魚拓、湾岸や舟の写真。幅一杯のガラス戸の
向こうに、魚名前ののぼり。もどって、下手半分は一段高く茶の間。ちゃぶ台、
壁際にＴＶ、整理ダンス、上階への階段一部。正面奥に台所がみえ。
お話。変わる時代の中、変わることを余儀なくされる家族達の痛みの交感、慈しみ
合いの物語。マンション、そしてディズニーランドの町浦安。埋め立て地に細々と
営業する釣り船宿。女将は、結婚に失敗し独り身の船頭である息子と暮らしている。
そりが合わず家出、その後死に目に会えなかった長女の娘が突然に訪ねてくる。
長女に負い目を感じている女将は、孫の訪問を素直に喜べない。
繊細に、豊かに心に響く人情芝居。こりゃ、新劇劇団からオファー殺到かもな、
ウェルメイドぶり。時代と現実を捉える鳥の目、個々心理を捕らえる顕微鏡な観察眼
二重焦点の軽やかな高性能ぶりに舌を巻くねこ。市井の家庭問題と人間模様を、
一挙手一投足まで丁寧見守り、描いていく。とりわけ、後半はしみじみ沁みるねこ。
流さず、沈めず、終始テンポの良い会話には、人生を肯定する暖かな視点が感じられ
ほっこりねこ。
役者。演出も細やかに、アンサンブル好調、浅野さん。不器用、時にぶっきらぼうも
零れる善意は隠せず。渡辺さん。登場人物に寄り添う、細やかな心理描写○。
野村さん。惑い、震える心に、ねこも震え。八十田さん。終始笑いを呼び、いい人
ぶり○。
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